電子血圧計の原理と測定時の注意点!
みなさん、こんにちは!
理学療法士のもりかんと申します。
皆さんも今まで過ごしてきて、血圧を測定した事があると思います。
銭湯や病院など
様々な所に電子血圧計は存在していますよね。
でも、電子血圧計の値って本当に正しいのか?
電子血圧計のデータはすべて信じて良いのか?
今回は、そんな疑問から生まれたnoteになります。
ぜひ、ご覧くださいね。
1.血圧測定の歴史について
血圧測定は、現代では主に電子血圧計にて行っていますが、
昔は電子血圧計なんてないので、水銀柱と呼ばれるものを使用して測定していました。
水銀柱 血圧計 Wikipedia
これは、ロシア軍医のニコライ・コロトコフによって発見されたため、
血管の拍動の音を指標にして血圧を測定する方式を
【コロトコフ方式】
と呼びます。
ニコライ・コロトコフ Wikipedia
豆知識
血圧の単位[mmHg]は、水銀[Hg]が何mm上昇した圧なのか
という意味で付けられました。
その後、
現在主流となっている【オシロメトリック方式】へと変化しました。
オシロメトリック方式は、血管の拍動の音ではなく、血流が流れる時に必要は血管の脈圧を指標にして血圧を測定しています。
今の電子血圧計はほとんど、このオシロメトリック方式を採用しています。
2.オシロメトリック方式のメリット・デメリット
オシロメトリック方式は、脈圧の上昇と低下にて収縮期血圧(最高血圧)と拡張期血圧(最低血圧)を判断しています。
そのため、血管を拍動している脈拍数も一緒に測定することができます。
血圧を測定してから、脈拍を測定してと2回もバイタルサインを測定しなくても良いので、かなり楽になりました。
しかし、その反面、脈拍の状態で血圧が変動してしまう可能性があります。
どういうことかというと、
オシロメトリック方式の血圧計では、脈圧で収縮期血圧と拡張期血圧を
測定しているため、脈圧が弱い場合や徐脈・頻脈等の不整脈を生じていると血圧の値が変動してしまうのです。
そのため、
不整脈や徐脈・脈圧が弱い方は正しい値がでないことがあります。
そこで、不整脈がある方は【コロトコフ方式】にて測定した方が
正しい値がわかりやすいので、オシロメトリック方式が便利だからといってすべてが優れているわけではないと認識しておいてください。
3.まとめ
●現在、電子血圧計はほとんどオシロメトリック方式
●オシロメトリック方式では、脈圧を測定している
●脈圧は、不整脈や動悸にて変動しやすい
●不整脈がある方には、コロトコフ方式の血圧測定が優れている
●血圧は、様々な測定方法を知っておかないと対応できない場面がある
医療従事者の方や学生の方は、
「なんで電子血圧計があるのに、コロトコフ法を習うんだろう?」
って考えたことがあると思いますが、上記のような事情があるので
オシロメトリック方式の電子血圧計だけでなく、
聴診器を使用するコロトコフ方式の血圧測定を勉強しておく必要があります。
基礎疾患をおさえた上で、どのように血圧を測定していくのか
見極められるようにしていきましょう。
ご清読ありがとうございました。
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