io.LEAGUE 前期4日間を見て感じたこと

前期4日間のio.LEAGUEを見て個人的に感じた意見を書こうと思います。
あくまで個人の意見ですので、聞き流していただければ幸いです。


io.LEAGUEの良かった点

1.カレントフレームスコアリングシステムの採用

従来のスコアリング方式だと、ストライクが続くと最大2フレーム分のスコアがすぐに入らなくなります。

従来のスコアリング方式
Aプロは2フレームまでしか確定していないので計算が必要

ボウリング観戦初心者にとって現時点でのスコアの分かりやすさは重要であり、カレントフレームスコアリング方式を導入したのは英断であると思う。

カレントフレームスコアリング方式
両選手ともに投球したフレームまでのスコアが確定して分かりやすい

2.選手交代による練習投球時の「選手交代」テロップ

Day2より設けられた選手交代時に試合レーンで1球に限り練習投球を可能とするルール。
Day2では画面上にテロップ等は一切表示されなかったが、Day3以降では「選手交代・1球の投球練習が与えられます。」と表示されるようになった。交通機関での移動中など音声をミュートにしながら見ている場合に、練習投球であることが一目で分かって良い。

Day3の練習投球 画面右上を見れば練習投球中であることが分かる
io.LEAGUE 『io.LEAGUE 2024』DAY3 より

3.大型ビジョンを使った背景演出

昨年行われたSHOWCASEでは「io.LEAGUE」の大きな幕が張られているだけでやや殺風景な印象だったが、今大会では選手名やストライク演出の大型ビジョンがアプローチの背景を飾り華やかさを感じた。

ストライク時にビジョンには「STRIKE」と表示される
io.LEAGUE 『io.LEAGUE 2024』DAY3 より

4.全試合無料中継

昨今のスポーツ中継では有料放送(それも年々値上がりする)での中継も多いが、無料で全試合見られることで、周りへオススメしやすくなる。


改善点やリクエスト(ルールに関する点)

1.競技規則の公開

io.LEAGUEのリーグ概要のページには、試合方式や順位決め等のルールは載っているものの、細部の情報が載っていない。そのため次の項目以降の疑問点が見る側に生まれる。
また今後シーズンが進むにつれて、「第○章第○条について△△から××に改定する」という伝え方が可能となり、ルール改定が分かりやすくなるためio.LEAGUEの競技規則は公開していただきたい。

2.ioリーガーの選考基準公表

SHOWCASEの大会要項では、「設立された各クラブからJPBAプロへのスカウトによって、チームが編成される。」と書かれていたが、昨年12月15日の永野すばるプロの配信にて「チーム内の上位6名のランキングの合計値が300以内とする。なお新人や産休明けの選手は50と仮定する。」と発表があった。このルール自体はトップボウラーを集めるには分かりやすく素晴らしいと思う。ただ、重要なルールの一つであるにも関わらず概要等で紹介されていないのは残念である。

永野すばるの【PSCボウリングch】
【ボウリング】永野すばるがゲストを交えてio.LEAGUEを語る‼️【PSCボウリングch】より拡大

3.規定投球フレーム数が不明

個人三冠タイトルのストライク率フレームアベレージには「規定投球フレームあり」と記載があるが、具体的な数字が載っておらず現在トップの選手がタイトル獲得の条件を満たしているのか分からない。

4.チャンピオンシップの成績は個人成績に反映されるのかが不明

Day9の3試合目終了後に東西地区1位同士のチャンピオンシップが行われる。
チャンピオンシップの成績が個人シーズン成績に加わる場合、チャンピオンシップのゲーム内容によりタイトル獲得者が大きく変わることがある。

5.各順位の賞金の明記

SHOWCASEでは大会要項に優勝~6位まで各チームへの賞金が明らかになっていた。しかし今回は明らかになっておらず、大会前日に出場しないプロのツイートで優勝賞金を初めて知った。

6.オイルパターンの情報公開

ゴルフ中継の風向き・風速の情報、競馬中継の馬場状態の情報など試合コンディションの情報というのは競技者だけでなく見る側にも重要なファクターであり、JPBAトーナメント同様に公表してほしい。

7.フレーム途中にケガ等で2投目が投げられない場合の扱い

これに関しては相当なレアケースと思われるが、可能性としてはゼロではないので、もしルール化されていない場合はルール化していただきたい。
投球者が腕のケガ等で2投目を投げるのが困難になった際、2投目は0本としてカウントされるのか?代理選手が投げるのか?また代理選手が投げる場合には個人成績の扱いについて明文化してほしい。


改善点やリクエスト(配信画面に関する点)

スポーツ中継の画面内における情報量の多い少ないという感覚は人それぞれですが、この情報はあったほうがいいだろうというのを上げています。

1.各投球者の前日までの成績の掲載

現在、各選手の初投球時にはこのような選手紹介テロップが表示されます。

io.LEAGUE 『io.LEAGUE 2024』DAY3 より

ここに投球成績を加えてみてはどうだろうか?イメージとしては、プロ野球中継で各打者が打席を入るごとに目にする「打率(打数/安打)・本塁打・打点」のシーズン成績のテロップである。

io.LEAGUE 『io.LEAGUE 2024』DAY3 より 加工

雑な作りで申し訳ないが、各選手の最初の投球時のみで構わないので前日までの個人のシーズン成績が表示されると分かりやすいのではないだろうか?

2.投球中の選手名の表示

「分析アカウントを作っているのに、選手の顔と名前が一致していないのですか!?」という声が聞こえてきそうですが、私はioリーガーの皆さんの顔と名前は一致しておりますのでご安心を!

どのスポーツにしても、観戦して日が浅いファンは選手の顔と名前を一致させるのに時間が必要です。今の配信画面では画面下部に選手の顔写真と後ろの大型ビジョンで投球者のローマ字表示があります。この情報だけで、今日初めてボウリングを見ますという人に「いま投げているのが誰か分かる?」と聞いても「分からない」と返ってくるでしょう。io.LEAGUEをメジャーな存在にするには観戦初心者に分かりやすい情報が必要だと思う。

io.LEAGUE 『io.LEAGUE 2024』DAY3 より 加工

3.スペクトの色分け・精度について

Day3を除いてボールの軌道を視覚化したスペクトが表示され、コメント欄やXの投稿でも大変好評だったように感じた。しかし、それぞれの色分けについて何の説明もないのが残念であった。
また一部の投球においてスペクトが上手く反映されていないことがあり、その精度については疑問が残った。

実際はストライクだが正しい軌道を表示できていない
io.LEAGUE 『io.LEAGUE 2024』DAY1 より

ただ私が見ていて思ったのは、入射時の板目や投球速度が表示されてすぐに画面が切り替わることがあるため、スペクトの情報を読み取るには一時停止する必要があり、中継配信に詰め込む必要があるのかという点である。素晴らしい機能なので完全廃止にするのは勿体ないが、中継配信とは別の形で情報提供してもいいかもしれない。


改善点やリクエスト(興行に関する点)

1.開幕セレモニー&始球式の導入

特別な演出もなく普段のトーナメントのように初日の試合が始まった。開幕戦ぐらいは簡単なセレモニーくらいあってもいいのではないだろうか?
また始球式の導入もおもしろいかもしれない。これからプロを目指す方や障害等で大会に出られない方にとって憧れの舞台となるだろう。開幕戦はもちろん、リモート対戦となった際にはホームチームのセンターで募集するのもいいかもしれない。なお始球式は練習投球前に行うがよいだろう。

2.公式ガイドブック・選手名鑑の制作

野球・サッカー・バスケット・バレーなどではおなじみの選手名鑑。ただio.LEAGUEの場合は選手数が少ないので、選手紹介だけではなく、選手の意気込みや各チームキャプテンへのインタビュー、io.LEAGUEに関する様々な情報を載せてみるのはどうだろうか?ガイドブックとしての役割を持てば、観戦初心者でも本を片手に試合を楽しむことができるだろう。

3.試合ダイジェスト動画の配信

前期は1試合が1時間弱かかり3試合開催となると約3時間かかった。平日の連続開催だと当日の夜にアーカイブで全てを見るのは中々難しいだろう。
そこで1試合を3~4分程度にまとめた試合ダイジェスト動画を投稿してみてはいかがだろうか。3試合見ても9~12分程度で済むので当日にダイジェストを見て週末にフル視聴する選択肢も生まれる。
また周りへオススメする際も、長い配信と違い退屈することなく見られるのでオススメしやすくなるだろう。

4.チーム総当たりの試合

現在のルールでは最終日に東西地区1位同士が戦って優勝チームを決める。しかし仮に総合1~3位が東地区、4~6位が西地区の場合は1位対4位の対決となれば盛り上がりに欠ける気がする。さらに4位チームが優勝するパターンも考えられる。
現在は6チームと数が少ないこともあるので、総当たりの試合スケジュールを組んでもいいような気がする。

5.ボウリング業界の外への発信

  • プロモーションの工夫

  • ボウリングに興味がない層への発信

  • ioリーガー以外のioリーグに対する温度差の大きさ

これらはボウリング業界全体への提議としていつか別記事にまとめる機会があればと思う。


改善点やリクエスト(その他)

1.待機選手のスペースの改善

試合を見ていると左のレーン側で待機するチームのスペースがせまく感じるので1ボックスないし1レーンほど広げてあげてもいいのではないか?
また椅子を用意するなどもう少し気配りがあってもいいのではと思った。
(これに関しては選手の声を聞いて反映していただきたい。)

io.LEAGUE 『io.LEAGUE 2024』DAY2 より

2.成績詳細情報の掲載

ずばり、「私の公開している数値が間違いないか答え合わせしたい!」
非公式とはいえ情報を公開している以上は誤ったデータを出し続けるわけにはいかず、公式データとのすり合わせは重要である。
現状、チームの順位表にはポイントのみ、個人成績はDay4終了からしばらくして上位5名だけ発表されている。チーム順位に関わる情報(トータルピン・シリーズローハイ・ストライク数)や個人3タイトルの全成績についてはぜひ開催日ごとの更新と公開をお願いしたい。

3.io.LEAGUE オフシーズンの使い方

現状io.LEAGUEは1月と8月の2度に分けて1シーズンを戦うためオフシーズンが2度生まれる。(プロボウラーはトーナメントやチャレンジなどあるのでオフシーズンという考えはないだろうが…。)
プロスポーツにオフシーズンはつきものだが、プロ野球など一部の人気スポーツを除けばこの期間は盛り上がる話題が中々生まれにくい。私も前期MVP投票などio.LEAGUEの余韻を楽しめることを考えているが、それでも限りはある。そこでこのオフシーズンを使ってio.LEAGUEに関わるイベントを企画してみてもいいかもしれない。
例えばio.LEAGUEルールを踏襲したトーナメント方式のペアマッチはどうだろうか。4人1組ではなく2人1組にしてみる。またioリーガー以外のプロと組んでみるなど。
毎週試合を開催し中継するのがいいが、スケジュールの都合もあるので、Pリーグのように一日で収録し毎週公式YouTubeで配信するのもいいだろう。試合数とシリーズの日程に合わせて配信すれば、トーナメント決勝の数日~翌週にシリーズ戦再開という熱の冷めない楽しみ方もできるだろう。

io.LEAGUE&プロボウラーペアトーナメント 大会・配信の一例
8月4週にリーグ戦が再開するパターン


結び

非常に長くなったものの以上が前期4日間を見終えた感想である。
冒頭で申した通り個人的な意見なので、費用や技術的な面で実現が難しいものもあるかと思う。
新リーグの発足は新規ファンを獲得する大きなチャンスで、ボウリングブームを復活させるいい機会である。試行錯誤の期間は数年続くだろうが、開催毎によりよいものとなり io.LEAGUE がボウリングの顔となることを願う。

画像引用元
io.LEAGUE 公式YouTube チャンネルより
『io.LEAGUE 2024』DAY1 https://www.youtube.com/watch?v=awor9U5fVMs
『io.LEAGUE 2024』DAY2 https://www.youtube.com/watch?v=dD-2tAW4mck
『io.LEAGUE 2024』DAY3 https://www.youtube.com/watch?v=pObzrr3KHN4

永野すばるの【PSCボウリングch】 より
【ボウリング】永野すばるがゲストを交えてio.LEAGUEを語る‼️【PSCボウリングch】 https://www.youtube.com/watch?v=Vku453nE6E8