見出し画像

今は亡き母の話。

今から18年前、母・泰子は

51歳でこの世を去った。

母は4人姉弟で2番目。

上に姉、下に妹と弟。

母・泰子の母親・喜代子は

病弱で、母・泰子が

14歳の頃に亡くなったそう。

喜代子は4人の子どもの中でも

特に泰子には厳しく、

なにかにつけて呼びつけ

あれやこれやと命令してたそう。

そんな泰子を不憫に思った

父・清勇(せいゆう)がある日

妻・喜代子に対して

「なんでいっつも泰子ばっかりにさせるんや!
泰子が可哀想やろ!なんか恨みでもあるんか!」

と、怒鳴りつけた。

それでも喜代子は泰子を呼びつけ

命令を止めなかった。

母・泰子も愚痴を一切零さずに

母親の命令に従い続け

そのうち父親の清勇もその事について

触れないようになったそう。

昭和40年に喜代子が亡くなって

間もなく僕の祖父・清勇が

妻・喜代子に従い続けた理由に気づく。

喜代子は4人の子の中でも

1番しっかりしていた幼い泰子にこう言った。

「私がいつ死んでも困らんように
アンタ(泰子)がお父さんや姉弟の面倒見るんやで?お母さんはアンタだけが頼りやで?」

喜代子が亡くなってすぐに

泰子は学校を辞め、家事の一切、

姉弟の面倒を泰子がやった。

泰子の姉と弟に子供ができたが

その世話を泰子がやってた為に

本当の母と思い込んでしまうほどだった。

父・清勇はもちろんの事、姉弟達や

その子ども達も揃って、泰子には

頭が上がらない存在だったそう。

当然、僕も母に対して反抗期など無かった。

もっとお母さんの過去の話を

聞きたかった。

8月に命日がやってくる。

また母・泰子の話をしようと思う。