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予備戦力を持つという考え方

上昇相場の際、(結果論として)全資金を入れておけばよかった、と思うこともあるでしょう。特に上昇相場では全力で買い向かう方が、結果は良い場合が多いです。しかしあえて、予備戦力として買い付け余力をいくらか持っておくのは悪い考え方ではないと思います(買い付け余力を残しておく話であって、生活費として残しておく話ではありません)。

買い付け余力を残すかどうかは、一時のパフォーマンスの高さを追い求めるか、将来の選択肢に幅を持たせたいかのスタンスの差であると考えています。下がり始めた時にさっと逃げる(損切り)のは意外と難しい。損切りせずに持ち続けて、いよいよ含み損が許容できないほど膨らんだとき「損切りするかしないか」と考えるのと「損切りするかしないか、それとも買い向かうか(ナンピン、または相場全体が落ちているなら別の銘柄を買うか)」は心情的にだいぶ違います。つまり買い付け余力を残すということは、将来に選択肢を残しておくことと同義です。市場全体が暴落してほぼすべての銘柄が安売りされていても、余力がなければ一枚も株を買えません。

(ただし、ここでは手法としてのナンピンを勧めているわけではありません。一般論としても、私はナンピンには慎重です。例えば親兄弟にナンピンについて聞かれたら、普通はするなと言うと思います。実際に私がナンピンする場合は「この会社がなくなったらさすがにおかしい」と思える時のみです。)

ちなみに私は持ち株が下落してもホールドしていることが多く、損切りすることはほとんどありません。うまく損切りができる人は、買い付け余力を残しておく必要はないのかもしれません。

買い付け余力を残すもう一つの理由は、自分の判断に100%の自信がないからです。人間は誰しも間違えるでしょうし、ましてや私自身の投資判断なんて間違いは多いわけです。なので、常にいくらかは買い付け余力を残しておく方針を取っています。これはマーケットにインするタイミングを積極的に計ろうとしているのではなく、逆に「今日はマーケットにインするタイミングじゃないかも」と頭をよぎるので、今日全部買い付けずに少し手元に資金を残す、ということです。

逆に全部売ってしまうこともほとんどありません。これもまた、自分の判断を100%信用していないからです。

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