見出し画像

すくみOny_LIGHT FX ver.

【ご注意】

この記事は2022年1月4日公開されました。しかしながら記事公開後に、本手法は本質的に両建てトレードである、との貴重なご指摘をいただきました。私は経済合理性・収益性いずれの観点からも、両建てトレードを推奨する意図はありませんので、2022年1月5日を以て本手法による運用を撤退することといたします。ただし本記事は記録として公開し続けます。参考情報としてお読みいただけましたら幸いです。

以下は今回情報提供いただいた、すくみの実態について検証・解説された記事です。


【以降は2022年1月4日に公開された記事本文です】

この記事では、Onyが研究中のトラップトレード型すくみFX戦略についてまとめています。「ざっくりまとめ」セクションで期待値、注意点、設定方法を述べています。そのあとで戦略の考え方や検証内容に触れています。よろしければ最後までお読みになってみてください。


ざっくりまとめ

この戦略で期待できそうなこと

  • 毎月約1.5万円の利益確定。1セットあたりの推奨予算は60万円

  • 含み損を抑えつつ一定ペースでの確定利益の積み上げ

  • 取引する通貨ペア全体でのプラススワップポイント獲得

  • 再注文などのメンテ工数抑制

この戦略の注意点

  • 前述の推奨予算はコロナショック時の値動きに耐えきれるギリギリの金額

  • 実際のショック耐性が未知数(理論上は安定するはず)

  • 政策金利が変化した場合のスワップポイント変動により、合計スワップポイントがマイナスに転じるリスク

設定のやり方

  1. LIGHT FX口座を用意する

  2. 入金する。1セットあたり60万円を推奨。

  3. 全体16通貨ペアを0.1万通貨ずつ成行でエントリーする。通貨ペアごとの売買方向は、後述するリストを参照。

  4. 3.でエントリーしたポジションに対して決済注文を入れる。通貨ペアごとの決済幅はリスト参照。

  5. 保有ポジションの約定価格から見て指値方向に2トラップ分のIFD注文を入れる。

  6. 保有ポジションの決済注文価格から見て逆指値方向に2トラップ分のIFD注文を入れる。

  7. 放置する。

  8. いずれかのポジションで決済が発生したら、同じ指値でIFD注文を入れる。

  9. 以降7.~8.を繰り返し

  10. ポジションが無くなりそうな場合は、6.を実施しておく。

トラップ幅&利確幅

通貨ペアごとの売買方向、トラップ幅および利確幅の一覧です。

L : Long, S : Short, トラップ&利確幅(pips)

各通貨ペアの売買方向、利確幅&トラップ幅一覧

設定例

ポンド円(トラップ幅260pips、利確幅260pips)の場合のスクショを以下に例示します。

まずはポジション例。約定価格が2.6円=260pips空いています。初期ポジションは任意のレートで約定させれば問題ありませんが、他の通貨ペアの残りの初期ポジション15本も一度に(1時間などの長時間空けずに)エントリーしてください。

ポンド円ポジション例

次に注文例。指値も逆指値も260pipsで並べてあります。上部の2注文は他と指値が微妙に違いますが、キリの良い価格での注文に変更しようと意図的に指値を変えているためです。

ポンド円注文例


以上のイメージで通貨ペア毎に設定を入れていきます。のべ16ペア入れたら完成です。


戦略のコンセプト

広々利幅の利点と欠点

FXトラップトレードにおいては、20~50pips程度の狭い利確幅よりも100pipsを超える広い利確幅の方が利益率が向上しやすいという説があります。これはバックテストからも明らかであり、筆者も確信しています。

しかしその反面、長期間に渡って確定利益が発生しないことも多くなります。この時、例えば以下のような条件であったとしたら、設定されている利確ポイントまで待ち続けることができるでしょうか?

  • スワップ損が徐々に蓄積されていく

  • 過去の値動きから来月にはまとめて利確がありそうだが、今月は一切の利確が無さそう

少なくとも私は耐えられず、余計なことをしてパフォーマンスを落としてしまいました。特に利確タイミングがわからないという点は非常に厄介で、利確が欲しいあまりに目先の狭いレンジに仕掛けて実効レバレッジを上げてしまうことにつながります。

すくみOny_LIGHT FX ver の注力ポイント

本戦略では以下の要素を同時に成立させることを目指しています。

  • 各通貨ペア毎に週2回程度の決済

  • 戦略全体でのスワップポイントプラス化

  • すくみ効果による必要資金の圧縮/利回り向上

プラススワップで待ちつつ、週に2回は決済が発生するという見通しを持てることで、放置して戦略通りのパフォーマンスを出せる確率を高めます。

また、決済頻度を安定させるために、極力多くの通貨ペアを重複なく採用するよう設計してあります。


検証

バックテスト

本戦略は過去5年や10年のスパンでのバックテストは行えていません。しかし、コロナショック前後(2019年12月~2020年3月)の最高値・最安値を反映した評価損益・必要証拠金のシミュレーションは行いました。以下にその結果を掲載します。表中、必要資金の値がマイナスになっている箇所は、発生した確定利益により必要資金を減らせることを示唆しています。

コロナショック前後(2019年12月~2020年3月)でのバックテスト結果

フォワードテスト

2022年1月4日現在、フォワードテストの結果は以下の通りです。冒頭に総合結果、以降各すくみセット毎の損益結果を掲載します。

総合結果
GBP/USD/CHF/EURすくみ
AUD/NZD/USD/JPYすくみ
EUR/JPY/GBP/AUDすくみ
EUR/JPY/USD/NZDすくみ

今後の展望

  • 戦略の形がある程度整ってきたため、増資してトラップ数を倍増し、トラップ間隔を半分にすることを検討しています。ただしトラップを増やそうとしている理由は直感でしかなく、現在のトラップ間隔でも収益力はさほど変わらないかもしれません。

  • 現在はLIGHT FXで実施していますが、DMM FXでの実施も検討しています。DMMでやる場合は代用FXになりそうです。

謝辞

この戦略の原案は、ヒナタさんの下記ツイートです。戦略の骨子としてアイディアをいただき、ATRによるバランス調整とLIGHT FXのスペックへのアジャストを行っています。この場を借りてヒナタさんに御礼申し上げます。ありがとうございました。

文責:Ony@トラクラ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?