【脳酔談】invade3①

来年でinvade3が開店二十周年とのこと。
思い出や、覚えていることを書きます。

記憶喪失とまではいかないが、人生の色んな記憶が抜け落ちていて、あやふやだったり、覚えていないことが多いなと改めて感じる。
原因は、酒を飲み過ぎていた、に尽きます。
写真を、と思ったのですが、意外に無くて、もし見つかれば写真も載せます。

初めてインベードに行ったのは、奈良から就職で上京して、まだ一人暮らしの家も決まっていない頃。2009年、当時23歳。多分

その時は、高円寺のシェアハウスに住んでいた。

元恋人が結婚したのを何かで知り、湧き上がってきた感情を抑え込むために力尽きるまでスクワットをして、翌日筋肉痛で階段が降りられなくなったのは、このシェアハウスだし、
別の部屋に住んでいたフランス人に、違法なものを船で運ぶ仕事してるから一緒にやろうよ、と誘われたのも、そのシェハウスです。

多分に漏れず、自分にとって高円寺は憧れの町で、
生涯の内、高円寺に住んでいる期間は絶対に欲しかった。

そういう類で言えば、吉祥寺とか、下北沢ではなかったのは、何故だろうと思うし、
高円寺でなければ、インベードに出逢ってなかった可能性もある。

ものごとには、タイミング、機、というものがあって、自分がそこまで意識していなくても、選んだ小さな選択肢は、その後全体に影響する。
20代前半で、あのタイミングの高円寺だったからこそ、そこで出会った人たちとの関係性が生まれ、自分の東京での生活が、ああなったのだと、得心する。

その時は「とりあえず高円寺やな」それからはなんとなく流れに身をまかせよう、と思っていた。
知っている人が、ほぼゼロの東京生活において、土地を選んで自分の居場所を作ることは、今考えると、何よりも重要だったと思う。



何で見つけたか覚えてないが、当時はいろんなブログを読んでいたので、何かのブログで、ANARC of hexの取り扱い店として、インベードの存在を知ったように思う。

住んでいたシェアハウスは、高円寺駅の南口から、ずっと坂を上がっていったところだったので、近いから行ってみようとふらっと行ったのを覚えている。
そもそも奈良の田舎出身で、大阪での一人暮らしの経験もなく、自分の住んでいる場所から、徒歩十数分で、そういう類の店に行けるということが初めての体験だった。

上京する前も、高円寺には何度か遊びには来ていたが、古本屋、ライブハウス、商店街の路面店くらいしか行ったことがなかった。

インベードは、自分で目的を持って、初めて行った店だった。
ANARCがどうしても欲しかったというよりは、「高円寺的な行為」がしたかっただけだったように思う。

14年経って、菅家酒服店と名前が変わった今も変わらない、ビル二階の店に続く、狭い無機質な階段をどきどきしながら上がったのを覚えている。

つづく

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