見出し画像

特別展/法然と極楽浄土へ行った

5月19日(日)の日曜美術館で放映された。
平日含めてメディア(特にTV)で流れると突然観覧者が押し寄せる現象が起こる。
私が観覧したのは一週間前の12日(日)だ。
既に翌週に日曜美術館での放映が予告されていたので、この休みに行かねばと思っていたが、たまたま友人との予定も合致したので二人でワクワクと上野へ向かった。

個人的な話で恐縮だけれど、地元が芝公園である。
菩提寺は芝増上寺の参内寺院だ。
幼稚園は増上寺運営で、12月にクリスマスは存在せず成道会のお参りに増上寺本堂へ行っていた。
堂内には大きな「釈迦成道図」が掛けられていた覚えがある。
今回の特別展には増上寺から五百羅漢図が出ていると聞いた。
それも含めて様々に観たい資料が公開されている。
非常に期待感に溢れつつの観覧になった。

見始める前の私の推しは以下だった。
・増上寺蔵 五百羅漢図(一幅か二幅しか見たことなかった)
・京都知恩院蔵 阿弥陀如来/脇侍立像(善光寺式)(最近善光寺式に惹かれがち)
・奈良当麻寺 菩薩面(一度は拝観したい当麻寺の来迎会)
・京都知恩院蔵 早来迎図(直前に新幹線並みの速さで来迎していると聞いた)
・京都金威明光寺 地獄極楽図(地獄が推し)
以上は当然ながらガン見に次ぐガン見だった。
会場内がゆったりと見られるほどの参加者数だったので、一度遠目から見て、一気に近づきさらにはまた距離を空けて鑑賞することも楽々である。
(やはりTVは良い文明かもしれないがこの場合は悪い文明と思えてならないw)

ところがである。
展覧会などで全く気にも留めていなかった資料や作品に出合い、ときめきが止められなくなら事は誰しもあるだろう。(無い時の方が多い)
今回、一目惚れした仏がおわしたのだ。
現在は滋賀県大津市新知恩院蔵の『釈迦涅槃像』がそれだった。
もとから涅槃図や涅槃像は大好きだ。あそこのアレが見たい、これも実際に見てみたいと資料を眺めて様々に想う事が多い。
しかし今回は違った。
「今、自分がキャッツアイ(或いは怪盗キッドでも可)なら速攻盗むね!」と宣言したくらいに目を奪われ物欲(きっとコレは仏欲と書いた方が良いだろうw)を高まらせる惚れっぷりだ。
全長12.8cmの掌に乗る何とも可愛らしい涅槃像なのだ。
こちらは撮影禁止だったので以下に大津歴史博物館の解説を貼るので一読をお願いする。

大きさも然ることながら、小さい持ち運び可能な個人所有を目的としたであろう仏の多くは鋳造だ。源頼朝の守り本尊が有名だけれど、あの聖観音も鋳造(全長8cmほど)だった。
それがこちらの涅槃像は木彫なのだ。しかも衣のはだけた胸の部分には水晶がはめ込まれている。
小さなお顔は穏やかで、よく見かける腕枕で横臥されている姿とは異なり、まっすぐに仰臥されいる。
「〇洋堂さん!!ガチャにしてください!!ガチャに!!」と何度も小声で叫ぶほども欲しくなった。

敢えて言おう!!!
特別展/法然と極楽浄土のいちばんの推しは、
滋賀県新知恩院 釈迦涅槃像(金ぴか愛らしいプティ涅槃)であると!!!

最後に撮影許可エリアにて拝観できた香川・法然寺の仏涅槃群像の画像をご紹介する。
6月9日(日)までの期間なので涅槃像好きの方は直ぐにいかれるが吉とお勧めする。


涅槃像
群像の一部
法然寺さんに参りたくなる
動物の緻密さが凄い
立体涅槃像の迫力に感嘆