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芙蓉ステークス 2021 分析・予想

1 概要

芙蓉Sは以前は中山1600で開催され、ドリームジャーニー(朝日杯、宝塚、有馬)やホエールキャプチャ(VM)といった後のG1馬を生んだレースです。2015年からは2000mに変更され、中距離路線を目指す実力馬たちが集まるようになりました。距離が延長されてからは、まだG1馬を輩出していませんから、今年の出走馬から出世する馬が現れてほしいものです。

2 過去10戦のラップ分析

中山2000の芙蓉Sは、先に書いた通り2015年からの6戦分しかデータがありません。また、同時期に開催される中山2000の2歳1勝クラスのレースもないことから、12月開催の葉牡丹賞の直近4戦分のデータをつけ足すことにしました。同時期の中山2000の新馬・未勝利戦の4戦分と悩みましたが、時期よりもクラスを重視した方が有意なデータになりそうと思ったためです。

(グラフの見方)
:過去10戦のうち、前傾ラップの上位3戦の平均
:過去10戦すべての平均ラップ
:過去10戦のうち、後傾ラップの上位3戦の平均
※前傾ラップ=前半3F-後半3Fの差が小さい
 後傾ラップ=前半3F-後半3Fの差が大きい

芙蓉S2021ラップ

前傾ラップ(赤) タイム1:59.9 ラップ35.8-35.6 RPCI51.5
平均ラップ(紫) タイム2:01.7 ラップ36.8-35.1 RPCI55.7
後傾ラップ(青) タイム2:02.9 ラップ38.0-34.5 RPCI59.8

平均ラップを見ていきます。5Fまではゆったりと進み、そこからペースが上がります。前半でのんびりした分、そこからのペースアップは勢いがあります。7F(ラスト4F)からの長くいい脚を求められる「ロングスパート戦」の要素があります。

前傾ラップ(赤)では、6F(ラスト5F)から速い脚を使い続ける「超ロングスパート戦」となっています。反対に後傾ラップ(青)になると、平均ラップのような「ロングスパート戦」の中に、8F(ラスト3F)からのトップスピードが求められる「瞬発力戦」の要素も含まれるようになります。

RPCIを見ても、51.5から59.8と幅が広く、レースごとで展開が大きく異なることを示唆しています。ただし、50.0を切るようなペースは稀ですので、先行勢が総崩れになるようなことは少なく、基本的には前有利という認識でいいと思います。

ひとまず平均ラップ(紫)をもとに、求められる能力を考えると、スタートやテンの脚が速い①先行力。後半4Fのロングスパートに耐えられる②スピード持続力。その上で、抜きんでた③瞬発力(ラスト3Fのトップスピード)を備えていると万全だと思います。

3 本命◎ ミッキーブンブン

福島1800の新馬戦はRPCI52.6で、ラスト4Fからスピード持続力を問われる「ロングスパート戦」を、後方からまくって上り1位で勝利しました。距離ロスのある外を回りながら、ラスト3Fが12.1-12.3-11.9と最後まで伸びていますので、スピード持続力とスタミナは高いものがありそうです。課題は先行力ですが、新馬戦を見る限り、特にスタートが悪いということはなく、テンを馬の気のままに進めたら、結果的に後ろのポジションについてしまった、という感じでしたので、前に行こうと思えばできると思います。

4 対抗〇 トーセンクレセント

福島2000の新馬戦はRPCI55.2とスローペースで、ラスト4Fからスピード持続力を問われる「ロングスパート戦」を、好位から抜け出して危なげなく勝利しました。道中行きたがりましたが、我慢できたことは2戦目の今回に繋がると思います。一完歩が広く大跳びの馬で、スピードに乗るまでに時間を要することから、勝負どころで置いて行かれる可能性もありますが、独特の首使いで走る姿に個性があって、なんか応援したくなる馬です。

5 その他有力馬

コナブラック
阪神1600の新馬戦は、RPCI62.2と超スローで、ラスト3Fのトップスピードが問われる「瞬発力戦」でした。ここでは離された3着となり、瞬発力戦には向いていなさそうです。一方、小倉1800の未勝利戦では、RPCI52.4とミドルペースで、前傾ラップ(赤)に似たラスト5Fから長くいい脚を使う「超ロングスパート戦」となり、先行して勝っています。スタートが良く先行力があり、スピード持続力もあることから、ペースが流れてくれれば大崩れはしなさそうです。

ドグマ
小倉1800の新馬戦は、RPCI60.5と超スローで、ラスト3Fのトップスピードが問われる「瞬発力戦」でした。これを中団から大外を回って差し切りましたので、瞬発力は評価できます。ただし、新馬戦ではスタートが悪く、先行力に欠けるところを見せましたので、どこまで変わり身があるかというところです。展開がスローペースに寄ればこの馬向きですが、今回はスピード持続力に長けた馬が多数いることから、ペースが流れると踏んでいますので、慣れない展開に対応できるかも課題となります。

6 狙いどころ

少頭数ですし、飛び抜けた印象を受けた馬もいませんでしたので、想定4番人気(ミッキーブンブンは勝ち方が派手だったので1番人気あるかも)と7番人気という穴っぽいところを狙いとしました。1着を予想するのは難しいですが、ただ馬券を当てるだけなら、コナブラックの複勝が一番固いかな、という感じがします。

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