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野路菊ステークス 2021 分析・予想

1 概要

9月25日に中京競馬場で2歳限定のOP戦、野路菊Sが開催されます。過去にはワグネリアン(ダービー)、ラブリーデイ(宝塚、秋天)、メイショウサムソン(皐月、ダービー、春天、秋天)といったG1馬を輩出し、直近3年に限ってもホウオウアマゾン、マイラプソディ、カテドラルといった重賞ウィナーが生まれている出世レースです。今年も新馬戦・未勝利戦を強い勝ち方をしてきた馬が出走予定ですし、2歳の若駒のOP戦で2000mという距離は貴重なので楽しみです。

2 過去の傾向

例年は阪神1800で開催されてきましたが、昨年は中京1600、今年は中京2000で開催ということで、過去のデータが役に立ちません。そのため、今年9月と去年9月に中京2000で開催された新馬戦・未勝利戦が9月20日時点でちょうど10戦だったので、その時計とラップの平均を出してみました。

タイム2:02.6 ペース37.4-35.0 RPCI57.3 1着馬の上り34.8

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全体としてはRPCI57.3のスローペースですが、2F目のラップが最速というところがポイントです。小回りコースで前の馬が有利なことから、第1コーナーに入るまでのポジション争いが激しいことが見て取れます。位置取りが決まったら、角度のきついカーブを生かして減速し、3F~4F目でいったん息を入れます。そこから徐々にペースアップし、第4コーナー手前の7F目から仕掛け開始。9F目の登り坂で力を出し尽くし、あとは粘りこみという感じになっています。

上位に入る馬は先行勢が多く、中団より後ろから差そうとするなら、前の馬が序盤に脚を使ってミドルペースになるような展開の利がほしいところです。

種牡馬としてはディープ産駒の活躍が目立ちますが、中京2000は先日のローズS、あるいは例年の愛知杯と同じ舞台ですので、キンカメ産駒も適性があると思います。

3 展開予想

まだ経験の少ない2歳のレースですので、スローペースは間違いないところでしょう。想定としては勝ちタイム2:01.5 ペース36.8-34.8 RPCI56.8 とします。狙いどころは、①スタートの速さ と ②テンの速さ がある先行力の高い馬ということになります。ただし、ポジショニングを終えたらペースを落としますので、そこで言うことを聞いて息を入れられるような、③操縦性の高さ もほしいところです。その上で、スローペースの ④上り勝負を決める切れ味 が必要と分析します。

4 本命◎ マテンロウスカイ

中京2000で開催されたミドルペースの新馬戦を勝利して2戦目です。スタートの出は良かったものの、むりに前に行かず、馬群の中で我慢を教えられました。それでも嫌気を差すことなく進み、直線では狭いところを促されただけで抜けて、ラスト1Fでトップギアに転じて後続を突き放して勝ちました。それを示すように、ラスト3Fは12.1-12.2 -11.2と最後の1Fだけ極端に速くなっています。これは抜け出したあとなので、マテンロウスカイ自身の脚色ということになり、まだまだ奥を感じます。総合的に、①スタートの速さ、③操縦性の高さ、④上り勝負を決める切れ味と、今回必要と考える4つの要素のうち、3つを備えていると評価します。ここでは力が抜けているかもしれません。

5 対抗〇 ロードリライアブル

新馬戦では逃げてグーデンドラークに敗北。続く未勝利戦では一転して後方待機策を取り、上り34.8の末脚(上り2位に1.0差)で、鮮やかに差し切りました。新馬戦では道中で変にペースアップしてしまい、最後まで脚を残せませんでしたが、きちんとタメれば切れる脚を持っていることを示しました。逃げと差しという2つの脚質を経験したことで、どんな展開でも戦えそうなところも好印象です。③操縦性の高さ、④上り勝負を決める切れ味の2つを備えていると評価します。

6 連穴△ アールチャレンジ

気性が激しくて馬群に入れられなさそうですが、その闘争心は刮目すべきものがあります。未勝利戦では最後方ポツンからぐんぐんと追い上げ、他馬がでこぼこしたインを避けて直線で外に回すところ、自分だけ荒れ馬場に突っ込んで差し切りました。その姿はまさしくゴールドシップの皐月賞の再現です。とにかく左に寄れまくるので、最後は騎手が手で馬の顔を押さえて正面に向けようとしていました。能力そのものは半信半疑ですが、何をやってくるかわからない危ない魅力があり、ここでスルーして馬券に絡まれたら後悔しそうなので穴で押さえます。前向きな点を取り上げると、左に寄れるので左回りならラチを頼って真っ直ぐ走るんじゃないかと思います。イスラボニータ産駒として、アスター賞を制したプルパレイに続いてほしい存在です。

7 その他短評

ロン
新馬戦はスタートで左によれ、少し遅れました。ただまわりが速くならず、押し出されるようにして逃げます。道中のラップで13秒台が3つあるように、巧みにペースを落としこんで逃げた結果、ラスト3Fで上り34.6と鋭い末脚を発揮して勝利しました。いい切れ味をもった馬だと思いますが、今年は新馬戦でスローで逃げた馬が、何頭も次で跳ね返されているのを見ているので、今回は様子見とします。

グーデンドラーク
こちらも新馬戦はスタートで左によれ、少し遅れました。行きたがる馬のままに番手につけて落ち着きましたが、それまでは首を上げて走るあたり、まだ子供っぽいさを感じました。勝ちはしましたが、逃げた馬というのがロードリライアブルなので、先に紹介したとおり変なペースアップで自滅した感もあり、本馬の評価は新馬戦だけでは判断がつきませんでした。

クラウンドマジック
いい末脚を持っていますが、ゲートがとにかく苦手で、新馬戦でも新潟2歳Sでも出遅れてしまっています。新潟2歳Sで見どころなく惨敗だったせいか、6番人気想定というのは妙味があります。1発がありえる馬なので、オッズ次第ではこっそり抑えるつもりですが、穴にアールチャレンジを取り上げたので、この予想では印を打たないこととします。

8 買い目

少頭数ですので、2頭+1できっちり獲りたいと思います。
単勝
 マテンロウスカイ
複勝
 マテンロウスカイ
馬連 BOX
 マテンロウスカイ、ロードリライアブル、アールチャレンジ
3連複
 マテンロウスカイーロードリライアブルーアールチャレンジ

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