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アスター賞 2021 分析と予想

1 概要

アスター賞が、9/11、中山の開幕週に開催されます。新馬戦あるいは未勝利戦を勝ち上がってきた2歳1勝クラスのレースですが、実際には未勝利でも出走自体はできます。開幕週ということで芝が荒れておらず、タイムが出やすい高速馬場となることが予想されます。過去には、ノームコア(VMと香港C優勝)やメジャーエンブレム(阪神JFとNHKマイルC優勝)といったG1馬を輩出していますので、今年も未来のG1馬が走るかもしれません。

2 過去の傾向

「アスター賞」と銘打たれ、この時期の中山で開催されるようになって7年目。過去6年の時計の平均は以下のとおりです。
タイム1:35.6 ペース36.4-34.6 RPCI55.8 勝ち馬の上り34.3

まだ2歳馬らしいスローペースとなることがほとんどで、上りの速さが求められます。少なくとも前走で上り1位を記録していないと、頭は難しい印象です。スローペースの高速馬場ということで、前の馬が有利のように見えますが、2020年だけはRPCI51.4と平坦なペースで流れた結果、先行勢が潰れ、差し馬が上位を独占しました。

ルメール騎手が過去4戦して連対率100%(うち1着3回)と、能力上位の馬に乗っているにしても驚異的な数字をあげています。

出走頭数は過去多くて12頭。平均は9頭と少頭数になりやすく、枠や脚質の紛れが少ないため、上位人気でそのまま決まるイメージです。しかし、人気が実力を反映しているとは限らないため、しっかりと能力を見極めたいです。

上位に入った父と母父の名前をさらっとチェックしたところ、ダイワメジャーとキングカメハメハが印象に残りました。ただし優位性があるかは不明です。

3 展開予想

例年であればスローペースになりやすいですが、今回は新潟1600の未勝利戦をRPCI51.8のミドルペースで引っ張り、そのまま後続をねじ伏せてレコードで快勝してきたプルパレイが出走するため、この馬が回避しない以上は平均より速いRPCI54.0のややスローペースを想定します。全馬が実力を発揮しやすいペースで、能力通りの決着となると予想します。

4 本命◎ ガトーフレーズ

新潟1400の新馬戦を10番人気の低評価を覆して勝利。RPCI49.4というミドルペースを、中団から上り1位で差し切りました。逃げた馬が3着に入っていることから、前潰れの展開というわけではなく、能力を見せたものと評価しています。

ステッキが入るとグンと加速するさまは好印象ですが、よれるくせがあり、直線で2回ほど他馬の後ろに突っ込んでいって、つど修正されるという不器用なレースぶりでした。それでも上り1位ですし、ラスト200mを切ったところで、ようやく真っ直ぐ走ったときの伸びには目をみはりましたので、潜在能力にはかなり期待しています。

出走馬の中に、これだけ瞬発力を見せた馬は他にいない上に、前日時点で3~4番人気という妙味もあります。

5 対抗〇 プルパレイ

新馬戦は東京1600稍重でRPCI60.3の超スローを上り34.5の2着。続く未勝利戦は新潟1600良でRPCI51.8のミドルペースを上り34.6の1着でした。

馬場や競馬場の違いによる上りに与える影響を調べたところ、スペースの都合上データの羅列は省略しますが、ひとつの仮説として、東京1600稍→東京1600良で平均-0.4。また、東京1600→新潟1600で平均-0.2とみます。つまり、東京1600稍重における新馬戦の上り34.5を、未勝利戦と同様の新潟1600良に換算すると、上り34.5 -0.4(馬場補正)-0.2(競馬場補正)の上り33.9となります。つまり、プルパレイは新潟1600良の条件で、RPCI60.3で上り33.9、RPCI51.8で上り34.6を出す馬という意味になります。

新馬戦で負けたアライバルで同様の計算すると、アライバルは新潟1600良の条件で、RPCI60.3で上り33.1(新馬戦)、RPCI57.9で上り33.0(新潟2歳S)となり、新潟2歳Sは新馬戦よりも強く追ったことを考慮すれば、それなりに信頼できそうな数字となります。

新潟1600良をRPCI60.0前後で走った2歳馬の上りは、オタルエバーがRPCI59.4で上り33.5、フォラブリューテがRPCI59.1で上り33.0となっており、新潟2歳Sで3着だったオタルエバーを基準にすれば、プルパレイのRPCI60.3で上り33.9というのは明らかに遅く、重賞で通用する上りは持っていないということになります。

ただ、プルパレイについては、2戦目の「自ら作ったペースで上り2位のレコード勝利」というところを評価しています。つまり、切れる脚はありませんが、ペースが速くなっても相対的に上りの速さを維持できる力があり、勝負根性に優れた消耗戦が得意な馬です。その意味では、相手が強ければ強いほど力を発揮する大舞台向きだと思いますので、重賞ではないここは、しっかり勝ち切って本賞金を積み上げ、朝日杯に繋げてほしいところです。が、以下、不安要素です。

懸念としては、前走のように道中で競り合って、一緒にペースを上げてくれる馬がいた方が好ましいのですが、出走予定馬を見ると同型がいない(スローの逃げ馬はいますが)ため、かえってペースを緩めてしまい、想定RPCI54.0より遅い上り勝負に持ち込まれる可能性があります。理想のペースを作るなら、プルパレイが自ら逃げるしかないわけですが、これまで純粋な単騎逃げは経験しておらず、それはそれでリスクがあると思っています。

ここで本命にはしませんでしたが、今年デビューした2歳馬の中では、かなり好きな馬なので、かえってしっかり考察しました。

6 単穴▲ ハイアムズビーチ

ルメールが騎乗、新馬戦で負かしたベルウッドブラボーがOP勝利、ということで怖い存在です。しかし、過去の1着馬は前走上り1位がほとんどですが、ハイアムズビーチは上り上位の中では前目につけていたとはいえ、上り4位というのは、ステージが上がったここで勝負するには物足りなく感じます。レース映像を見ても、追ってからなかなかギアが上がってきませんから、どちらかというと前目につけて粘りこむ競馬の方が向いている印象です。さらに、1400でいっぱいいっぱいの印象で、距離延長はマイナスだとみます。上り勝負だとガトーフレーズ、持続力勝負だとプルパレイに分があるとの評価です。

7 買い目

少頭数で上位人気の決着だと思いますので、買い目を絞ってしっかり当てたいレースです。馬券的には本命のガトーフレーズと心中する方針で行きます。

単勝 ガトーフレーズ
複勝 ガトーフレーズ
馬連 ガトーフレーズ ー プルパレイ
   ガトーフレーズ - ハイアムズビーチ
三連単 フォーメーション
  1着 ガトーフレーズ
  2着 プルパレイ、ハイアムズビーチ
  3着 プルパレイ、ハイアムズビーチ

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