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スカーレットテイル23血統診断(テシオ理論)
はじめに
2023年1月9日、父タニノフランケル、母スカーレットテイルの仔馬が生まれました。ライブカメラを通じて、一万人ものファンに見守られながら誕生したその仔は、ウォッカとダイワスカーレットの血を引いています!
関係者の皆さま、ほんとうにおめでとうございます!!
牝馬なので、1勝もできなくとも繁殖には上がれるでしょうが、ファンとしては「まさしくウオッカとダイワスカーレットの血を引いているなあ」と言えるほどの活躍を期待せざるをえません。
今回は、スカーレットテイル23の誕生のお祝いを兼ねて、競走馬としてのポテンシャルがどこまでのものかを、テシオ理論を使って診断します!
ヨロシクデス(。・ω・。)ノ"
ウオッカダスカ現役時代
ウオッカとダイワスカーレットは、牡馬優勢だった当時の中央競馬にあって、それぞれが牡馬混合G1を制した稀代の名牝です。
それだけでなく、同い年ということもあって、しのぎを削りあったライバル同士でもありました。
2008年の天皇賞秋は、この2頭がまったく同時にレコードで駆け抜ける名勝負となり、長い判定ののち、確定した着差はわずか2センチ。
今でも語り継がれる伝説の秋天を見たことがない方は、はたしてウオッカとダイワスカーレットのどちらが勝ったのか、動画でご覧になってください。
繁殖時代
引退し、繁殖に上がった2頭は、現役時代の活躍とは裏腹に、ファンが望むようなG1級の仔を産むことはできていません。
ウオッカは、世界的良血を求めてアイルランドで繁殖生活に入りました。しかし、残念ながらわずか6頭の産駒を世に残しただけで、ウオッカは2019年に亡くなりました。
ダイワスカーレットは健在ですが、繁殖牝馬としては高齢で、2021年に生まれたロードカナロアとの仔が、もしかするとラストクロップかもしれません。
ウオッカの血を継ぐ者
ウオッカの仔の1頭が、タニノフランケルです。馬主さんの思いに、「ウオッカの血を引く牡馬でG1を勝って、種牡馬にして日本にその血を広めたい」という希望があったのでしょう。欧州最強馬フランケル×日本ダービー馬ウオッカという、字面的にインパクトある名血です。
タニノフランケルは、母ウオッカと同じく日本ダービーを目指すも、トライアルで大敗。その後オープンまで上がり、古馬重賞にも挑戦しましたが、2着が最高で、G1には出走することすら叶いませんでした。
米国化が進む日本競馬において、タニノフランケルは欧州要素が強い血統ですから、流行から外れていたといえます。それでも、能力だけでオープンまで上がったのですから、もしかすると、欧州の芝であればもっと結果を出せたかもしれません。
種牡馬入りしても人気はとても望めない競争成績でしたが、ウオッカの血を日本に広めたいという馬主さんの熱意が実り、紆余曲折を経て、2021年に種牡馬として登録されました。
売れない種牡馬と思われたタニノフランケルでしたが、最終的に57頭もの花嫁を集め、スカーレットテイル23を筆頭に、今年生まれる産駒たちがファーストクロップになります!
ダイワスカーレットの血を継ぐ者
スカーレットテイルは、ダイワスカーレットの孫になります。
母ダイワレジェンド(ダイワスカーレットの仔)は、芝の中距離で準オープンまで上がった実力馬でしたが、スカーレットテイル自身は、中央で勝ち星をあげることはできませんでした。
地方競馬に回りましたが、2021年に引退し、繁殖入りしました。最初の配合相手がタニノフランケルで、スカーレットテイル23は初仔となります。
ダイワスカーレットの血を引く牝馬に、ウオッカの血を引くタニノフランケルを配合したのは、馬主さんの粋なはからいがあったかもしれません。
スカーレットテイル23血統診断
5代血統表
![](https://assets.st-note.com/img/1673247351206-mHNZhZIsfN.png?width=800)
天馬トウショウボーイの名前が、時を超えて5代血統表に載っています。ウオッカ、ダイワスカーレットを抜きにしても、ものすごいロマンを感じます。
2代父フランケルは気性難でマイルを走っていましたが、タフネスあふれるサドラーズウェルズ直系ですので、クラシックディスタンスを走れる能力があってもおかしくなかったと思っています。
母父ハービンジャーも、日本においてマイラーから中長距離馬を出していますので、スカーレットテイル23は洋芝の1600~2400に適性がありそうです。
面白いのが短距離馬デインヒルのクロスを持つことで、タニノフランケルにちょっと足りなかったスピードの強化が期待できます。デインヒルの代表産駒ファインモーションくらい走る可能性だってあります!
①形
ここからテシオ理論を使っていきます。テシオ理論の細かい説明はしません。
まずは、スカーレットテイル23の「形」が、5代血統表の誰に似たかを判定します。
ここでいう「形」とは、スピードやスタミナといった競争能力そのものではなく、骨格・肉づき・容姿・性格といった、いわばその馬のアウトラインのことです。
結論としては、スカーレットテイル23は、2代父フランケルの「形」を受け継いでいます!シンプルにじいちゃん似ということですね。
先にも書いた通り、フランケルは中距離でも通用するはずの馬だと思っていますので、芝の中距離で力を発揮しやすい「形」だと言えます。なにより欧州最強馬の「形」ですので、これは楽しみです!!
ᕙ( 'ω')ᕗムキッ
②基礎体力
テシオ理論では、その馬の「基礎体力」(「料」とも呼ばれる)も判定します。
「基礎体力」は100点を満点とし、60点以上で高い、40点以下で低いと判定します。「基礎体力」が高いと、連戦や遠征に強くなりますし、厳しい調教からすぐに回復するため、もともとの才能以上に鍛えられる可能性が上がります。
例えば、ハードトレーニングで強くなった馬、ミホノブルボンは81点で、これは極めて優秀な値です。また、1年間でG1を6戦走ったキタサンブラックは71点です。ミホノブルボンほどではないとはいえ、こちらもずば抜けて優秀な値です。
スカーレットテイル23の「基礎体力」は71点と、キタサンブラック級でした!これならハードトレーニングにも耐えられますし、間隔を詰めてレースに使ってもへこたれないので、勝つ可能性が上がります!
目指せ1勝ですね!
イケル!! (๑•̀ - •́)و✧
③インブリードの悪影響
5代血統表で見たように、スカーレットテイル23にはデインヒルのクロスがあります。
テシオ理論は、原則的にインブリードを否定しています。インブリードは、産駒の肉体や精神に悪影響を及ぼすためです。
しかし、血統表ではインブリードになっていても、一定の条件を満たすことで、インブリードの悪影響を回避する配合があるというのが、テシオ理論の独特な考え方です。
結論ですが、スカーレットテイル23は、インブリードの悪影響はありません!
健康さは折り紙つきです!
スヤ(っ˘꒳˘c)スヤ
④スピードの遺伝力
競走馬にもっとも必要なのがスピードです。
テシオ理論のもっとも独創的な考え方に、「形」は父系から継ぎ、「スピード」(「質」とも呼ばれる)は母系から継ぐというものがあります。
賛否両論あるでしょうが、テシオ理論はそういう考え方でいますので、ここではそれに従って診断を進めます。
結論ですが、スカーレットテイル23の「スピードの遺伝力」は、残念ながら高くないと思われます。
チョットダケ(´・ω・`)ザンネン
総評
スカーレットテイル23の血統診断の総評です。
①「形」は父タニノフランケルを通じ、欧州最強馬フランケルを受け継いでいます!
②「基礎体力」は100点満点中71点と、ずば抜けて優秀です!
③「インブリードの悪影響」は、ありません!
④「スピードの遺伝力」は、低いと思われます。
スカーレットテイル23は、競走馬に一番重要と思われる「スピードの遺伝力」が高くないですのは残念ですが、それ以外のポイントは総じてかなり優秀で、健康的にすくすくと育ってくれそうな仔馬です!
競走馬としては、日本の高速馬場にはやや苦しむかもしれません。
札幌・函館といった洋芝の競馬場や、冬や雨でパワーのいる馬場になれば、他の馬よりも高い適性を示す可能性があります。
連戦に強く、タフなトレーニングを苦にしないため、レースに使えば使うほど強くなるタイプです。叩き2戦目、3戦目で本領発揮です。
ダートは向かなそうなので、芝2000m前後で勝ち切れない場合は、芝の長距離を目指すことになると思います。
デインヒルのクロスによってスピードが底上げされれば、父タニノフランケルを超える大物を期待できます!!
o(-`д´- o)ガンバッテ!!!!
おまけ
ダイワスカーレットの隔世遺伝
ちなみに、タニノフランケル×スカーレットテイルという配合で、テシオ理論的にもっとも楽しみが多いのは、残念ながらスカーレットテイル23ではありません。
けっこう未来の話になりますが、2026年に生まれてくる仔が有望です。
スカーレットテイル26(父タニノフランケル)の場合、その「形」は隔世遺伝を経て、なんと3代母ダイワスカーレットから来ることになります!
日本の芝の中距離で強さを見せたダイワスカーレットですから、フランケルの「形」よりは軽さが出て、高速馬場への適応が期待できます!!
また、スカーレットテイル26(父タニノフランケル)の「基礎体力」はなんとミホノブルボン級の81点!!
坂路でハードトレーニングを積んで、ダスカブルボンのような強烈な逃げ馬になる予感がします!!
このノートを読んだ関係者がいらっしゃいましたら、スカーレットテイル
の2025年の種付けはぜひタニノフランケルを!
(* ᴗ ᴗ)⁾⁾オネガイシマス
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
この記事を楽しんでいただけましたら、ぜひ「スキ」を押していってください!次回のモチベーションになります。
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メジロマックイーン対トウカイテイオーの天皇賞・春が、競馬に関する最初の記憶。母がテレビ観戦しているところを、興味なく横目で見ていた。レース後、母は嘆いていたから、トウカイテイオーを応援して馬券を外したらしい。
数年後、ウイニングポストやダビスタに触れ、本格的に競馬に目覚める。ナリタブライアンからディープインパクトまでの時期に熱中。一番好きな馬はヒシミラクル。2022年には牧場まで出向き、十数年越しに初めての対面を果たした。
ディープインパクトの引退と時期を同じくしてプライベートが忙しくなり、しばらく競馬から離れる。それでもオルフェーヴルの凱旋門賞チャレンジは、リアルタイムでテレビ観戦した。
ウマ娘ブームをきっかけに本格的に競馬に帰還。以後、予想記事を書いたり、血統を調べたり、牧場見学に行ったり、一口馬主になろうとしたりと、競馬が趣味の中心となりつつある。
犬と馬が好き。
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