ウィープディライト 3歳1勝クラス 観戦記
過去のノート
はじめに
2024年4月6日、バヌーシー所属馬ウィープディライトの4戦目、3歳1勝クラスが行われました。条件は阪神ダ1800、4戦目にして初めてのダートになります。管理する池添学調教師から「ダートはかなり走るのでは」という高い評価を受けており、前走芝の2200mで大敗したこともあって、心機一転、このタイミングでダートを走らせてみることになりました。
ウィープディライトの調子は、2週前に不良馬場の栗東CWで好時計をマーク。当週の追切前には歯を整えたことで、以前よりも集中力ある走りができるようになっており、仕上がりは文句なしです。
父はダートを苦にしないドゥラメンテ。母は米国三冠馬2頭のクロスを持つアメリカG1馬ウィープノーモア。出資者の中には、芝よりダートを早く使ってほしい!という声が上がるくらいの血統構成です。
芝かダートか、ほんとうの適性は走ってみないとわからないので、陣営の言葉としては「馬の可能性を広げるため」ということでしたが、調教師さんや助手さんの自信のある表情には「ダートで一変してくれるのではないか」という期待感が漂っており、出資者としてもいやがうえにも高まります。
そんなわけで、今回もはりきって阪神競馬場まで遠征してきました!ウィープディライトのパドックの様子は落ち着いていて、返し馬でもリラックスした素軽いフットワーク。これなら初ダートだろうと力を出し切ってくれれば勝てる!そう信じられるほどに。
結果は・・・
12頭立ての10着。またもや下位に沈みました・・・。自分なりにレースを分析した限りでは、能力を発揮することができず、敗因は明確のように思えたので、ダービーへの夢が立ち消えた前走ほどは落ち込みませんでしたが、それでもガッカリとした気持ちは強く、ボクのアイドル・アフリカンゴールド(この日誘導馬デビュー!)に慰めてもらってから関東へ帰りました。
レース回顧
ラップグラフ
これは、過去3月と4月に阪神ダ1800良で開催された3歳1勝クラスのレースをグラフにしたものです。こう見ると、ペースが早くても遅くても、それほど形が変わることはなく、おおむねワンペースな持続力勝負になりがちということがわかります。
しかし、今回は1頭、怪物がいました。逃げて8馬身差の圧勝ムルソーは、上がり36.4と際立った末脚で、1:51.8という破格の時計を叩き出しました。同時期に同条件で走った過去のG1馬と比べると、ノットゥルノ1:53.3、オメガパフューム1:52.7、ホッコータルマエ1:53.2です。時計だけなら、これらの馬を超えるパフォーマンスということです。ムルソー、名前をよく覚えておくことにします。
ちなみに生産は、バヌーシーの繁殖牝馬を預託されていることでおなじみの辻牧場さん!自分もオブシディアーナに出資しているので、この巡り合わせは嬉しいです。
さて、2着馬の時計が1:53.1でしたから、怪物くんを無視すれば、おおむね平均的なレベルかつやや遅めのペースで流れたと思われます。そのため、2着馬に食らいついていれば、ウィープディライトのダートのメドは立ったと言えたでしょう。
序盤
ゲートはだいぶ慣れてくれたみたいで、遅れることなくスタートを切ります。松山騎手はそのまま前のポジションを取りたかったとのことですが、ダートは芝よりもダッシュが効きません。ウィープディライトが懸命に脚を回しても前に行けず、後方に包まれる形になってしまいました。
ダートは芝よりも加速しづらく差しに向かないだけでなく、芝コースの内側にダートコースが作られる都合上、直線が短い小回りばかりであるため、行った行ったの前残りの展開になることが多いです。初ダートということで仕方なかったとはいえ、ウィープディライトのポジショニングは、最悪に近いものでした。
1週目のスタンド前、カメラをかまえる自分の前をウィープディライトが通過していきます。現地で観戦しているかぎりでは、特に変なところがないように思いましたが、あとでレースリプレイを見直して驚きました。
このように、キックバックを嫌って、大跳びの馬がさらに上に跳ねるものだから、障害レースのような走行姿勢になっていました。出資者のみんなが恐れていた事態がまさに的中。包まれて砂をかぶった時点で、この日のウィープディライトの勝負は終わってしまいました。
中盤
現地では、砂をかぶってウィープディライトが嫌気を出していることは知らないまま、レース中盤に差し掛かりました。相変わらず後方で包まれていて、いったいどうやって抜け出してこれるのか不安になる位置取りです。
ただ、松山騎手によれば、向正面のこのあたりではキックバックに慣れてガマンするようになっていたとのことで、「いい勉強がたくさんできた」と言ってくれました。この経験を、なんとか次に繋げてほしいです。
終盤
3コーナーから追い出しにかかりましたが、ウィープディライトの反応は良くありません。松山騎手は4コーナーで最内を突き、少しでもロスを少なくしようと工夫します。
しかし、直線を向いてステッキを振るわれても、ウィープディライトは伸びません。スタミナが切れて自然に下がってきた2頭を交わすのみで、自分から前を捉えようという覇気を見せることは最後までありませんでした。
感想
同厩・同父のドゥラエレーデが、芝からダートに転向してすぐ結果を出したので、ウィープディライトも同じルートを歩めると信じていたのですが、異常なほどキックバックから逃げていたところを見ると、ダート路線に進むなら、それなりに時間がかかりそうだと思いました。
ただ、芝に戻れば今後ダートに慣れさせる機会を失ってしまいます。学先生の「ダートはかなり走る」という直感を信じたくもあり、このようなレース後の感想となっています。
写真館
パドック
返し馬
おわりに
バヌのメンテ明け後、松山騎手から「ダートの走りは悪くなかった」との進言があったことから、学先生は馬装具を工夫して5月に再びダートにチャレンジすると発表しました。
幸い、1勝して色々と試行錯誤する時間があるので、やきもきはしていますが、悲観はしていません。ウィープディライトは、その走りでいつか必ず感動と栄冠を勝ち取ってくれます!
使用機材
カメラ CANON EOS R10
レンズ RF100-400mm F5.6-8 IS USM
注意事項
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余談
注意!
この先は思ってることをツイッターXや本文以上に率直に書きました。馬、騎手、調教師など関係者への批判をするつもりはまったくありませんが、そう受け取られる表現があるかもしれませんので、ド素人のなにもわかってない偉そうなトークが苦手な方はここまででお帰りください!
以下はあくまで個人的な見解のまとめで、関係者に伝えることはもとより、「その通り」とか「いや違う」とか、他のSNSで意見交換することすら目的としていません。この余談についてのご意見・ご感想は、このノートのコメント欄にこっそり書くだけにしてください。よろしくお願いします。
芝かダートか
ウィープくんの適性は、芝とダートどっちなのかという点についてですが、条件つきで芝を推します。確かに、今回ダートでの返し馬の感じや、向こう正面で置かれずに着いて行けたところを見ると、ダートという馬場そのものに問題はなさそうですし、なにより彼の天性のパワーとスタミナを活かすには、ダート中距離がベターというのは理解できます。
しかし一方で、日本のダートコースは本文でも触れたように小回りばかりで、大跳びの彼には馬場というよりもコースの形状が合わないのではないかと懸念しています。つまり、直線の長いコースが日本にはたまたま芝しかないという意味で、条件つきで芝がいいと思うわけです。
実際、勝ち上がりは京都外回りという直線の長い芝のコースで、もう届かないとみんなが思ったところから力強く伸びる、奇跡のような勝ち方でした。負けた3戦は(直近2戦はまともに競馬になっていないので、これだけで判断することはできないとしても)、京都内回り・阪神内回り・阪神ダートと、すべて直線の短いコースです。
学先生の見立てでは「現状の緩さでは芝の瞬発力勝負だと分が悪い」ということで、ほぼ真逆な期待ではありますが、コーナーの加速性能を要求される小回りよりも、4コーナーまで大雑把に回れる大箱コースなら、直線でウィープくんが気持ちよく弾ける競馬が見られるのではないでしょうか。
そもそも、すみれSが瞬発力勝負だった、というのは疑問に思っていて、前回のふりかえりで「テン3Fが異常に速く、中盤で一息つけたと思いきや、サンライズアースの早仕掛けでラスト5Fのロングスパート戦となる、かなりの激流」と分析しました。ウィープくんを含む先行集団にとっては、瞬発力よりも持久力を問われるレースでした。
まあ、現状、瞬発力とかそういう話の前に、課題は「競走馬としてのメンタルが育っていない」ことにあるのは間違いないので、陣営にはあれこれと試してもらって、少しずつでも前に進んで行ってもらえれば!
いろいろ書きましたが、大前提として学先生にウィープディライトのすべてを信じて任せており、馬の次に先生のことも応援しています。この余談も、陣営への不満の表明ではなく、自分の見解をまとめたかっただけです。繰り返しますが、この余談についてのご意見・ご感想は、このノートのコメント欄にこっそり書くだけにしてください。よろしくお願いします!!
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