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デイリー杯2歳S 2021 穴馬さがし

1 はじめに

今週末はデイリー杯2歳Sです。2歳のマイルチャンピオンを決めるG1を来月に控え、いよいよもっとも格の高いステップレースが開催されます。この2年はレッドファンタジアの仔が連覇しましたが、今年の産駒・レッドベルアームは中距離路線の東スポ杯2歳Sに向かうため、ここには出てきません。デイリー杯2歳Sの登録頭数は8頭と少数ですが、新潟2歳Sを完勝したセリフォス、牝馬ながら高い素質を見込まれるソネットフレーズ、新潟芝1600でレコード勝利のプルパレイと、役者が揃いました。ここで名前を挙げなかった中にも重賞やOPで好走を見せた馬たちがいて、見ごたえのある一戦となりそうです。

2 過去10戦のラップ分析

今年のデイリー杯2歳Sは阪神で開催されますが、阪神芝1600の条件だと昨年1戦しかデータがありませんので、同じ舞台で開催された朝日杯FS、阪神JFの直近9戦分のデータも足して、合計10戦としました。

(グラフの見方)
赤:過去10戦のうち、ラスト3Fの時計が遅い3戦の平均
紫:過去10戦すべての平均ラップ
青:過去10戦のうち、ラスト3Fの時計が速い3戦の平均

デイリー杯2歳S2021

赤 タイム1:32.7 ラップ33.7-35.5 RPCI46.7
紫 タイム1:33.5 ラップ34.7-34.8 RPCI51.2
青 タイム1:32.9 ラップ35.0-34.2 RPCI53.0

阪神芝1600の2歳戦は、基本的にはミドルペース想定で、いわゆる追走に脚を使う展開となりそうです。それを示すように、ラスト3Fで仕掛けは入りますが、レースラップでラスト3Fが33秒台となったことは、過去を見渡してもありません(個別ラップで33秒台を出した馬はたくさんいます)。

そのためか、前から押し切って勝つ馬が多い傾向にあり、後方待機で末脚に賭ける騎乗では、力のある馬でも届かず2着や3着となります。ちょうど昨年の朝日杯FSと阪神JFがそういう感じで、それぞれの1着・2着は、朝日杯FSは先行のグレナディアガーズ・差しのステラヴェローチェ、阪神JFは先行のソダシ・差しのサトノレイナスでした。

3 狙いどころ

強い先行馬です。よどみない展開が想定されますので、そこでしぶとく粘りこめそうな馬を狙います。ミドルペースやハイペースを経験していると、より頼もしいです。

4 本命◎ プルパレイ

アスター賞での予想と同じ考えですので、その時のノートを転載します。

「プルパレイについては、2戦目の『自ら作ったペースで上り2位のレコード勝利』というところを評価しています。つまり、切れる脚はありませんが、ペースが速くなっても相対的に上りの速さを維持できる力があり、勝負根性に優れた消耗戦が得意な馬です。その意味では、相手が強ければ強いほど力を発揮する大舞台向きだと思います。」

ちなみに、今回のデイリー杯2歳Sのラップ分析のグラフに、プルパレイの2戦目のラップ(緑)を乗せたものが次のグラフです。

デイリー杯2歳S2021-1

かなり近似した形ではありますが、阪神と新潟という競馬場の違いがあるため、このまま参考にすることはできません。ただし、今年新潟芝1600を走った2歳馬の中で、こうした道中に12秒台がないワンペースに近い流れを、前から押し切って勝った馬は、プルパレイしかいません。このことから、個人的には相当強い馬と評価していますし、阪神芝1600はベストに近い条件だと思います。

アスター賞では逃げて、RPCI61.3という超スローペースに落とし込みました。そこまでスローだと切れ負けすると予想しましたが、結果は上り最速で楽勝でした。しかし、アスター賞の反省会で書いたように、「重賞以上では上り勝負に弱く、持続力勝負に強いタイプだとみています。今後は逃げて速い流れを作り、そのまま粘りこむスタイルで真価を発揮することでしょう」という評価は変わっていません。

デムーロ騎手が調教で乗ってそのあたりの特徴を掴んでくれたようですので、今回の相手は一気に強化されますが、積極的に前に行く騎乗で、結果を出してほしいと切に願います。フジキセキのラインを繋いでほしい馬ですので!

5 対抗〇 ウナギノボリ

セリフォス、スタニングローズが乗り替わり、ソネットフレーズが輸送と、他の上位人気馬はそれなりに不安要素があります。

面白そうなのがウナギノボリで、菅原騎手から乗り替わりとはいえ、和田騎手は新馬戦で手綱を取って1着でしたので、手が戻っただけといえます。サウジアラビアRCでは切れ負けして4着でしたが、スローの瞬発力勝負では分が悪いだけで、アメリカのダート短距離のG1馬ドレフォン産駒ですから、ワンペースの方が適性が高い可能性があります(ついでに前走は出遅れもあり)。

プルパレイがよどみない流れを意識して作ることで、素質馬が追走で脚を消耗して上りを出せず、相対的にウナギノボリが速い脚でスルスルと浮上するというシナリオで穴を取りたいと思います。

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