’23日本ダービー ふりかえり
ラップグラフ
1着 タスティエーラ
90回目の節目となる記念すべき日本ダービー馬は、久しぶりにサンデーサイレンスの血を持たない種牡馬の仔でした!ポストディープの種牡馬戦国時代を象徴するような結果で、これから多様な種牡馬の産駒が活躍し、どんどん競馬が楽しくなっていく予感がします!
レースそのものは、ひとことで言えば「みんなソールオリエンス気にしすぎ」というもので、そのなかで自在性に優れたタスティエーラが、相手の良さを殺す競馬に徹し、勝利に繋げました。
共同通信杯でかかって4着に破れたタスティエーラでしたが、今回はドスローをきっちりと折り合っての競馬。その意味では、弥生賞を使わざるを得なかった、想定より1戦多いローテーションが、むしろ貴重な経験となったと評価しています。
2着 ソールオリエンス
皐月賞で負けて強しだったのがタスティエーラだとすれば、日本ダービーで負けて強しだったのがソールオリエンスです。
先に書いた通り、レースの大半を前後左右にフタをされたままで、馬群で我慢し続ける経験も、まったく動けないままドスローに落とし込まれる経験も初めて。それがストレスだったか、道中の走りは少し固いように見えました。
自分で動いて競馬ができたのは残り300mから。やっとステッキが入ったのもわずか残り200mから。不自由な道中で消耗していたか、反応は皐月賞ほどではありませんでした。
それでも、G1馬らしい末脚で食らいつきます。しかし、鞍上の横山武史ジョッキーからすれば、喉から手が出るほどほしい日本ダービーの勝利は、またもや目の前で他の馬に奪われてしまいました。
今日の人馬を見て、昨年のドウデュースと武豊を思い出します。前が有利とされる皐月賞で後ろから競馬して敗れたのち、日本ダービーではイクイノックスとのマッチレースを見事に制してみせました。武豊ジョッキーには、皐月賞すらも叩き台にしてダービーを狙う老獪さがありました。
対してソールオリエンスと横山武史ジョッキーは、1戦1戦を勝ちにこだわりすぎました。それに応えられるほどの素質がソールオリエンスにあったことは幸運ですが、皐月賞で派手な勝ち方をしたことは、今日のマークがきつくなったことに当然繋がっています。
また、能力ある馬ほど遅く走らされることを嫌がります。ソールオリエンスもその例外ではなく、京成杯でも馬群に入っているときはかかり気味で、途中から外を走る馬がいなくなって落ち着いていました。もし、京成杯で最後まで馬群で我慢させる経験をさせていたら、今日の最後の末脚はもっと鋭かったかもしれません。
レースはレースでベストを尽くしつつ、大きな目標のためにはどこかで教育は必要なのだと思います。
横山武史ジョッキーの試練は続きますが、彼のような若い天才が経験の壁にぶつかるというのは、本人にとってもファンにとっても良いことです。来年の日本ダービーでは、新しいパートナーと一緒に、今日以上の素晴らしいレースをしてくれることでしょう。
おすすめ馬の結果
タスティエーラ 1着 キタ━(゚∀゚)━!!!!!!!
予想は完璧でした。
3連単は場外ホームランを狙いすぎてますが(3着シーズンリッチ)、単勝・馬連・ワイドと本線が完全に的中し、昨年に続いて日本ダービー2年連続的中となりました。
普段はせんえんとかしか賭けていないのに、ダービーで気が大きくなっていちまんえんも賭けてしまったので、払戻金が多くて嬉しいというより、損しなくて良かったとホッとしています。
追悼スキルヴィング
2番人気に推されていたスキルヴィングは、レース中、心不全を発症して予後不良となりました。馬券が的中した喜びはつかの間で、なんとか彼の無事をと祈っていましたが残念です。
予想のときは「面白みのない走りできっちり勝ち切る」などと、ちょっと揶揄する書き方をしましたが、中長距離での大物感ということならソールオリエンスよりも上で、父キタサンブラックや母父シンボリクリスエスのように、古馬になったら手が付けられなくなるかもな、と思っていました。
鞍上に怪我をさせることなく、日本競馬の頂点たるダービーを完走。偉大な馬です。ありがとう。
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