見出し画像

後期流産:産声のない出産

赤ちゃんの心拍が確認できないと診断された夕方から
翌日の出産に向けて、子宮口を開く処置がされました。

ラミナリアという細い棒を子宮頸管に入れるということで
夕方に7本、夜中に13本入れられました。
ものすごく痛いと聞いていたので怖かったのですが
入れる時も抜く時も耐えられる痛さで
入れている間は、お腹に違和感がある?というくらいでした。

夜中に13本のラミナリアを入れた後、お手洗いにいくと
黒っぽい細長い何かが出ているのが見えて、
看護師さんに確認いただいたところ
臍の緒が出ちゃっている、とのことでした。
なるべく引っ張らないように、
優しく拭くように言われたのですが、
これもちょっと怖かったです。

翌朝、朝ごはんを食べたのちに
11時頃に分娩室に移動となり
入れていたラミナリアを抜かれた後
陣痛促進剤を膣から入れられました。

その1時間半後、お昼ご飯を食べていると
お腹の痛みが激しくなり、陣痛が始まりました。
最初は10分間隔と聞いていたのですが
2〜3分おきに痛みが強くなり、寝転がるにも起き上がるにも辛い状況でした。

出血もしてきたので看護師さんに洋服を着替えようかと言われ、着替えようとしていたところ

「また出血したかも、何かでそう」

となり、看護師さんに見てもらったところ
ハッとした表情になり、ナプキンを抑え始めました。もう赤ちゃんが出てきていると…

先生に電話して、急いで来てくださいと連絡し
数分後には3人の医師と、5人くらい助産師さんが分娩室に入ってきました。

その後、医師の方に
「ちょっとお腹を強めに押すね」と言われて押されたところ
何かが一気に飛び出してくるのを感じました。 

助産師さんに「赤ちゃん出てきたよ」と言われ
一瞬の出来事でした。
その2分後にもう一度お腹を押されたところ
綺麗に胎盤も出てきました。
痛い思いもほんの15分くらいで、
いきむこともなく出産が終わりました。
最後に子宮に残っている卵膜を取るために器具を入れた時が一番痛かったのですが、
呼吸をしながら、助産師さんにも「上手だね」と言われながらだったので
痛みも一瞬でした。

前日から痛みが怖いと思っていて
とにかく出産が不安だったのですが、
最後の最後まで心優しい赤ちゃんが
わたしが痛くないようにスムーズに出てきてくれたんだなと思うと
また涙が出てきました。

逆子と聞いていたので、途中で引っかかったり
出産が難航するかもと聞いていたのですが、
横向きになりながら、子宮筋腫も避けて
お尻から綺麗に出てきてくれたようです。

旦那さんが立ち会い予定の1時間前に出産が終わってしまい、
分娩室から電話をかけたところ
「え!!もう!?!?!?」と分娩室に大きな声が響きました。その後15分くらいで駆けつけてくれました。


旦那さんがきたタイミングで
産まれた赤ちゃんを助産師さんが見せてくれました。
皮膚がまだ出来上がっていないので
真っ赤な姿でしたが
目鼻口などのパーツ、手足の指や爪など
こんなにも小さいのにしっかりした人間の姿をしていて
涙が止まりませんでした。

本当に本当に可愛い。
目と鼻は旦那さんに似て、
手足の長さは私に似たかな。可愛いねと旦那さんと泣きながら話しました。
握手や抱っこもさせてもらいました。

性別は、確実ではないけど、おそらく女の子だろうと言われました。
女の子を育てる夢を見たので、女の子かなと私が思っていた想像は当たりました。

産声のない出産だったので
赤ちゃんをみて、どんな悲しい思いをすることになるんだろうと、不安に思っていたのですが
赤ちゃんに会えた時は悲しい気持ちは一切なく
我が子に会えた喜びで、温かい涙がこぼれてきました。

「私たちのもとに産まれてきてくれてありがとう」
「会えることをずっとずっと楽しみにしてたよ」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?