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バンディットブリンガーという技の異常性

はじめに

こちらを見て頂きたい。

ご存知、バンディットブリンガーである。
今回はこの技の持つ異常性と、それにより社会や地球環境にもたらされる悪影響について記していきたい。

義憤に駆られ筆を取った私いぬのたまごとは、発売日からちびちびやっているGGSTが初めての格闘ゲームであり、ランクタワー6〜8階をうろつく「動画勢」とは名ばかりの「自称理論派エアプ民」である。
下記の内容は冗談半分に捉えて頂きたい。

※いぬのたまごはソル嫌いではありません。


突進技の特性

バンディットブリンガー(以下、ブリンガー)という技を語るためには、「突進技」と呼ばれる技の持つ特性について認識を共有しておきたい。

突進技とは、接近と攻撃という2つの役割を同時にこなせる強力な技である。
GGSTの一般的な突進技は、接近と攻撃の仕方について次の2パターンに分類できる。

①「攻撃しながら接近するタイプ」

②「接近してから攻撃するタイプ」

攻撃の発生前を潰されづらい①タイプは攻撃判定の外側に食らい判定が大きく出ており、攻撃中の相手に突っ込んで行くと負けてしまう。
逆に、攻撃の発生までが無防備な②タイプは食らい判定の露出が小さく、攻撃同士のぶつかり合いで一方負けしづらい。

メイのイルカさん・横は①タイプ
イノの大木をさする手は②タイプ

更に、必殺技は基本的に次の2パターンのどちらかに当てはまる。

A「遅くてガードに強いタイプ」

B「速くてガードに弱いタイプ」

ラムレザルのシルドデトルオはAタイプ
ラムレザルのダウロはBタイプ

上記の要素を組み合わせて、突進する必殺技は次のような4タイプに分類できる。

主な突進技の分類。発生・判定・当たる前後のタイミングにそれぞれ強みと弱みを持つ。


突進技への対処

接近と攻撃を1つの動作で行う強力な突進技。
しかし、一般的な突進技は上記の特性から明確な対処法が考えられる。

速くて当て易いタイプの突進技は、攻撃速度の代償としてガード硬直差が弱く設定されている。
したがって、ガードに成功してしまえば反撃を確定させることができる。

スタンディッパーをガード成功!反撃が確定!

逆にガード硬直差が優秀なタイプの突進技は、技の成立から攻撃までの時間が長い。
よって、突進技の開始を見てから発生の早い小技を入力することで発生や判定で勝つことができる。

フードゥルを警戒!技を目視してから5Pで発生勝ち!

それぞれに明確な対処法が設けられていることで、対戦ゲームにおける読み合いのパーツとして成り立っている。

しかし!である……


ブリンガーの特性

一般的な突進技の枠に収まらないブリンガーは一体どこが異常なのか?
先ほど挙げた突進技への対処法をブリンガーに実践した際に起きることを見てみよう。

ブリンガーのフレーム表。発生が遅いということは……😎

フレーム表を見るに、どうやらこの技は移動と攻撃の時間が分かれているタイプのようだ。
更に、発生が遅くガード硬直差が優秀なタイプであることが分かる。
先に述べたタイプ分けに当てはめると、典型的なA2タイプだ。
となれば弱点は明白。発生前を小技で止めれば落とせるのだ。

ブリンガーが一般的な突進技であれば。

このブリンガーという技は攻撃判定が発生する前に、なんと5Pなどの小技が届かない高度まで上昇する。これにより、遅い突進技の発生前を潰す筈の小技は負けてしまう。

攻撃が届かない位置から攻撃判定を纏って突っ込んで来るならば、攻撃判定が弱いかと思いきや……

バンディットブリンガー!

このブリンガーという技、通常技なんかと比べても遜色ない攻撃判定を持っている。

ブリンガーは小技の届かない高度に跳び上がり、小技に負けない攻撃判定を纏って突っ込んで来るという技なのだ。
発生前を潰す・露出した食らい判定を叩くといった、小技の発生スピードを生かした対策はブリンガーに通用しない。

優秀な硬直差の突進技は、判定の弱さや発生の遅さを突かれて負ける相性が有るから存在していい。
移動中に攻撃判定を持つ突進技は、判定が弱いから許されている。
こういったルールを超越したところにブリンガーは存在している。


ブリンガーの対処法は?

一般的でない突進技のブリンガーに対し、「小技で止める」という通常の手段を用いて勝つことは不可能であった。
次はブリンガーに理論上勝てる手段を見てみよう。

6P

全キャラ共通の特殊技である6P(➡️+P)は、上半身の食らい判定を消して攻撃できる。

小技の攻撃発生よりも早い上半身無敵

この6Pは、ジオヴァーナの必殺技である攻撃判定を纏って突っ込んで来るトロヴァオンや、飛び上がって中段攻撃を繰り出すソウ・ポエンチといった必殺技を落とす手段として使用される。
これらの必殺技はブリンガーとよく似た要素を持っているが、上半身無敵で避けつつ攻撃できる6Pはそれらに勝つことができるのだ。
飛び上がって突っ込んで来るブリンガーも、理論上この6Pで落とすことができる。

しかし、6Pを選択したのにブリンガーをカウンターヒットで食らってしまった経験がある人もいるだろう。
何が起きているのか?

このブリンガーという技、一般的な突進技と違って斜め下に向かって突っ込ん来る。
このブリンガーの軌道により、6Pの無敵部分を通過して脛を殴られてしまうのだ。

下に強いぞバンディットブリンガー!

無敵のタイミングが早いことで判定勝ちを狙い易い筈の6Pだが、他の突進技のように上半身無敵のタイミングを合わせるだけではブリンガーには勝てない
上半身無敵技である6Pを選んだ上で、ブリンガーが脛に到達するまでに6Pの攻撃判定を当てなければならないのだ。

更に、6Pは全キャラ共通の特殊技ではあるがその性能には差が存在する。
上半身無敵となるタイミングこそ共通だが、攻撃判定が発生するタイミングはキャラクター毎に異なる。

6Pの発生が遅いキャラは当然、ブリンガーに対して更に早く入力しなければ6Pで勝つことができない。

ブリンガーを落とす手段として正解なのに、発生9〜12fを後出しで発生勝ちのような当て方をする必要があるというのが6Pだ。


空投げ

飛んでいる相手を落とす超速発生の手段として挙げられる空投げ。
空中の相手に対して自ら距離を詰め、相手の行動前を潰すことができるのが空投げの強みだ。
小技が届かない高度に逃げたソルを小技のような攻撃速度で迎撃できるのだ。

空投げであればブリンガーの弱点である発生前を潰せる

しかし、空投げを選択したのにブリンガーをカウンターヒットで食らってしまった経験がある人もいるだろう。
何が起きているのか?

このブリンガーという技、当然だが必殺技である。
このため、通常技を散々刻んだ後に打つことができる。(近距離S > 遠距離S > 5HS > ブリンガーなど)
ブリンガーを打つまでに通常技をガードすると、ガードバックによってソルとの距離が離れる。
ソルとの距離が離れた状態でブリンガーを打たれると、ソルが飛び上がった場所が空投げの有効範囲外となる場合がある。
そして、有効範囲外で空投げしているところへ攻撃判定を纏ったソルが自動的に突っ込んで来てしまうのだ。
主な空投げの狙いどころとして挙げられるジャンプ逃げや空中ダッシュと違い、ブリンガーが攻撃しながら移動していることから起こる悲劇である。

横にも強いぞバンディットブリンガー!

飛んだ相手を落とせる筈の選択をしたにも関わらず、距離感の見極めに失敗したら逆にカウンターを貰ってしまうというのが空投げだ。


無敵技

令和の時代に難解なコマンドを急かす上、全てのキャラクターが持っているとは限らないというのが無敵技だ。

誰にでもあると思うな昇竜拳
この数字は何かのパスワードですか?

623入力(➡️⬇️↘️)で無敵技出せるキャラクターは練習したらいンじゃね?知らんけど


ブリンガーという技の対処が如何に難しいか分かって頂けただろうか。


ブリンガーの設計意図とは?

「ソルを強キャラにしたい」という旨の発言をした開発・調整班は、ブリンガーに対してどういった対処法を想定しているのか?
GGSTの初心者に強キャラのソルを使わせて、やはり初心者であるその対戦相手に何を感じ取って欲しいのか?

フレーム表やトレーニングモードを利用しても、その“答え”を推し量ることはついに叶わなかった。
“答え”を求めてここへ辿り着いた人には申し訳なく思う。

しかし、簡単に挫けたり弱体化を願うことなく、探究心を燃やし続けて欲しい。
私がそうしているように。


おわりに

調べものについて

私はいわゆるスマブラ出身者のトレモコンプレックス(スマブラのトレーニングモードには1P-2P位置入れ替えすら無い)なので、上に記したような理屈や対策を考えたり試したりするのをとても楽しんでいる。
結果としてパッとしたブリンガー対策は出なかったが、
①仮定する
②トレーニングモードや技情報で確かめる
③レコーディング機能で実践可能か確かめる
という流れはどのレベルまで上達しても役立つ筈だ。
嫌いな技があっても「何が嫌いか」を理解する楽しさなんかを見つけて欲しい。

今回使用した技情報は「ダストループ」と通称される、大変ありがたい大規模な攻略サイトからの引用だ。
まだブックマークしていない人は必ずしておくように。
サイト内では英語が使用されているが、フレーム表が雰囲気で分かれば英語が分からずとも問題ない。


ソル使いへ

ファイナルラストになるが、ソルを使っているプレイヤーに覚えておいて欲しいことがある。
就職活動を経験した人は新社会人セミナーで耳にタコができる程聞かされたことがあるだろうとおり、
「新社会人とソルは元気であればある程良い」
とされている。

元気に明るくハキハキと、胸を張ってブリンガーやヴォルカを振り回そう!

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