「こしみず」が推し水に与える影響と相対性理論に関する研究

序章

はじめに

 まずはじめに、本稿については、本学の学生が一人の力で執筆したものであり、指導教員である私こと、古清水一郎、及び、その親族、友人等は一切関与していないものであることを断っておく。また、本稿の題目として付している「相対性理論」という文言に関してだが、これは題目としての価値を高めるためだけに賢そうな文言を付しただけものであり、以降「相対性理論」に触れることは一切ない。具体的な内容は理解していないが、おそらく「こしみず」に関する考察においては必要ないものであると推測される。

第1章 「こしみず」とは

1.1 現代社会における「こしみず」

 近年、京都を主な発信源として日本全国において「こしみず」の影響が爆発的に広まっている。特にTwitterなどのSNSを通して急速に成長を続けている様子は連日の報道により記憶に新しいところと思う。2021年現在、全国へと「こしみず」が普及し始めた背景としては、京都出身の2.5次元アイドルグループきのホ。(読み:きのぽ)の存在が大きいものと推測される。この因果関係についての考察は本稿においては触れないが、きのホ。の躍進と「こしみず」の普及に関しては何らかの相関関係があるものと断定して間違いないと思われる。

こしみずは概念である。ただしそこに確実に存在している。

サバンナ佐藤(2021)『こしみずのすべて』P.168

 上記は、サバンナ佐藤先生が初めて「こしみず」との邂逅を果たした際に、最初に口にした言葉である。これまで形而上、概念としての存在でしかないと思われていた「こしみず」が実在することが証明された歴史的瞬間である。余談ではあるが、サバンナ佐藤先生にはメイド職についている娘さんがいるとのことである。この発見がきっかけとり、現代社会においては「こしみず」の研究が盛んにおこなわれるようになったことは、潤沢な研究費目当てで、論文のテーマに「こしみず」を選んだことが透けて見えることからも明らかである。

1.2 概念としての「こしみず」

 概念としての「こしみず」に触れるには、古代文明の時代までさかのぼる必要がある。遥か昔、メソポタミア文明の時代にはすでに「こしみず」という概念は存在していたと言われている。数多くの文献にその存在が示唆されており、壁画などにもオレンジ色に発光する棒状のものを掲げて「こしみず」に祈る様が描かれている。地域や年代によってその姿は様々ではあるが「こしみず」は多くはオレンジ色の髪をした女神の姿で描かれている事が多い。頭頂部から矛状の毛髪が天を衝くような様で描かれることもある。中国の故事成語である「怒发冲天」日本語で言うところの「怒髪天を衝く」という言葉がこの姿を見て作られた言葉だと言うことは既にご存じの事かと思う。
 このように遥か昔から「こしみず」は概念として、我々の生活のすぐ近くにありながらもその存在は認められぬまま今日まで語り継がれてきたのである。

1.3 コ・シミーズ・ラーマ・ハーヤ

 インドには数多くの神話が伝承されているが、その中の一つにひときわ異色を放つものがある。それが「コ・シミーズ・ラーマ・ハーヤ神話」である。紀元前1500年頃に作られたとされる「コ・シミーズ文献」という、文献の中で語られている。ただし、この文献に関しては完全に秘匿されており一般には公開されることはない。今も世界遺産でもあるタージ・マハルからほど近い民家の棚の上から3番目にひっそりとしまわれている。内容に関しては口伝でのみ語り継がれており、この民家に住むご老人から聞かせてもらうほかない。

インド人何言ってるか全然わからなかったから、とりあえず響きだけで「ラーマ・ハーヤ」ってつけてみた。なんかそのほうがそれっぽいっぽいかなって思って。

古清水一郎(1992)コ・シミーズ・ラーマ・ハーヤ P.23

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第2章 推し水の成り立ち

2.1 推し水

 「こしみず」を語る上では推し水の存在を欠かすことはできない。日本の歴史上で初めて推し水の名が表舞台に出てきたのは京都の清水寺創建の頃である。宝亀9年(778年)に、大和国の興福寺の僧で当時子島寺で修行していた賢心(後に延鎮えんちんと改名)は、夢のお告げで北へ向かい、山城国愛宕郡八坂郷の東山、今の清水寺の地である音羽山に至った。橙色の水流を見出した賢心がその源をたどっていくと、そこにはこの山に篭って滝行を行い、千手小清水を念じ続けている行叡居士ぎょうえいこじという白衣の修行者がいた。年齢200歳になるという行叡居士は賢心に「私はあなたが来るのを長年待っていた。自分はこれから東国へ旅立つので、後を頼む水」といい残して去っていった。行叡は「こしみず」の化身であったと悟った賢心は、行叡が残していった霊木に千手小清水像を刻み、行叡の旧庵に安置した。これが清水寺の始まりであるという。この時建立に携わったのが推し水衆と呼ばれる職人たちであったという。本来であれば小清水寺こしみずでらという名になるはずであったが、時の帝であった光仁天皇が「こしみず」の力を恐れ、清水寺と改名させられたと言う。それを不服に思った推し水衆はこれ以降歴史の表舞台に出ることは無かった。

2.2 芋づる式

 一度は歴史の舞台から姿を消した推し水であったが、子々孫々と、現代にも生き残っている。推し水の特徴としてさつまいもやさつまいもの加工物を過剰に愛する傾向がある。また、推し水たちの「こしみず」の概念を伝える様は、時に異様な姿をしておりその様は周りの人をも魅了する傾向がある。一つの例として、壮麗な音楽を流しながら、焼いたサツマイモを食すなどの習慣が一部地域ではまだ残っている。
 そうして推し水を徐々に増やしていく様が、まるで地中から連なって引きずり出されるサツマイモの姿のようであり、これが芋づる式という言葉の語源であると言われている。

第3章 「こしみず」が世界に与えた影響

3.1 ミリー・ポッター シリーズ

Mirry, you're the one to move on. I understand. You're not me or Hermione
If you get lost, go to the Oshimizu.

M.K.Rowling(1997)"Mirry Potter and the Philosopher's Water" P.124

 世界中で人気のミリー・ポッターシリーズについては、映画化もされており知らない人の居ない愛される作品となっている。あまり一般には知られていないことではあるが、「こしみず」の概念を元にして書かれていると著者のM.K.Rowlingが、2巻のあとがきにて明かしている。ただし、これは日本発売の初版本にのみ記述があり、2刷目以降からは「こしみず」に関する記述はすべて削除されている。削除された理由については明かされていない。

3.2 世界的な芋不足(2021.12)

 2021年12月、日本マクドナルドホールディングスが、北米からのポテト輸入遅延のため、当面「マックフライポテト」のSサイズのみを販売すると発表した。この件に関して「こしみず」とは何ら関係ないと思われるかもしれない。しかし、その背景にあるのは「こしみず」の影響を受けた推し水と呼ばれる存在である。推し水の存在については次章にて後述するが、彼らまたは彼女たちの異常な購買行動が招いたことである可能性が高い。ただし、「こしみず」が好んで食すものは「さつまいも」であり、「マックフライポテト」の原材料である「じゃがいも」とは異なるため、まだ断定はできない。しかし「こしみず」が「マックフライポテト」を食しているのを見たとの報告もある。

第4章 「こしみず」と推し水

4.1 シュレディンガーのオジサン

 「シュレディンガーのオジサン」という実験をご存じだろうか。これは1935年にオーストリアの物理学者ミリオ・シュレーディンガーが発表した物理学的実在の量子力学的記述が不完全であると説明するために用いた、オジサンを使った思考実験である。実験の内容は以下のとおりである。

オジサンと放射性こしみずのある密閉した鋼鉄の箱の中で、放射性こしみずの1時間あたりの原子の恋愛性崩壊確率を50%とし、ガチコイ計数管が原子崩壊を検知すると電気的にオジサンが殺される仕掛けにすると、1時間経過時点における原子の状態を表す関数は
|原子の状態|=|こしみずを放出した|+|こしみずを放出していない|という二つの状態の50%ずつの重ね合わせによって表される。その結果、オジサンの生死は、
|箱の中の状態|=|(こしみずが放出されたので)オジサンが死んでいる|+|(こしみずが放出されていないので)オジサンは生きている|
という50%ずつの重ね合わせの状態になり、箱の中では箱を開けてそれを確認するまでオジサンが死んでいる状態と生きている状態の重ね合わせになる。
「観測者が箱の中身を確認するまでは、オジサンの生死は確定しておらず(非決定)、観測者が蓋を開けて中を確認した時に初めて事象が収縮して、それによりオジサンの生死が決まるとして、箱を開けるまでは、生きているオジサンの状態と死んだオジサンの状態が重なり合って存在している」という意味に解釈し、「ミクロの世界の特殊性」を前提にした量子力学者たちの説明に対して、「マクロの事象」を展開することによって「量子力学の確率解釈」が誤っていることを証明しようとした。

Waterpedia 「シュレディンガーのオジサン」より

 しかし、この実験については、今おもしろそうだったから、なんとなく言いたかっただけで、続く実験とは何ら関係はない。

4.2 推し水への「こしみず」投与実験と仮説

 前節のような現象が確認されていることからも「こしみず」は人体へと何らかの影響を及ぼすものであると推測される。
 そこで株式会社ミニクリンウォーターの全面的な協力のもと、被験者へと過剰な「こしみず」成分を投与することにより、人体へとどのような影響を及ぼすのか実験を行い検証していく。
 今回の実験としては被験者100人を対象として、4つのグループに分け7日間「こしみず」成分を投与していく。

グループA:1日ごとに一定量の「こしみず」を投与
グループB:最初の1日だけ過剰な量の「こしみず」を投与
グループC:一切の「こしみず」を投与しない
グループD:7日間自由に「こしみず」を投与

 なお、被験者の選出に関しては18歳以上の人間を対象に完全に無作為に人道的手法で集めたものである。同意の有無は問わない。

4.3 実験結果

グループA

 特にこれといって大きな変化はなかった。
 ただし、閉鎖された空間に7日間何も説明を受けずに生活してもらっていたのに被験者全員が穏やかに過ごしていたのは特筆すべき点であるかもしれない。

グループB

1日目。過剰に摂取した「こしみず」成分のせいなのか、全員が恍惚とした表情で過ごしていた。
2日目~3日目。大きな変化なし。穏やかに過ごしている。
4日目、被験者のうち数名がのどの渇きを訴えるようになった。充分な飲料は提供している。
5日目、被験者のほとんどがうつろな表情で壁に向かい「こしみず」とつぶやいている。限界が近いのかもしれない。
6日目、被験者の一人が、食事として提供していた芋を彫りこしみず像を作っている。他の被験者はただ見つめている。
7日目、完成したこしみず像を全員が涙を流しながら拝んでいる。新しい宗教が生まれてしまった瞬間かもしれない。

グループC

1日目。全員が何かしらの不満を唱えている。だがこれは異常な行動ではなく、何も説明を受けていないため当然の反応である。
2日目~6日目。1日目と同じ状況が続く。当然である。
7日目。スタッフとして働かせていた古清水教授が誤って、被験者の1人に「こしみず」を投与してしまう。
すると、嘘のようにおとなしくなった被験者が他の被験者に対して「こしみず」がいかに良いものかと説き始めた。
みるみるうちに全員が「こしみず」を要求する事態となってしまった。
この被験者に伝道者としての才能があったのか、それとも「こしみず」がそうさせてしまったのかは、もはや検証のしようがない。
グループCにおける実験は古清水のせいで失敗である。

グループD

1日目。皆思い思いに自由に「こしみず」の投与をおこなっている。
2日目。被験者の約半数ほどに、言語能力に変化が観測された。語尾に「水」とつけるようになった。
3日目。「こしみず」を崇めるもの、自分なりに新しい「こしみず」を表現していく被験者が数名現れる。
4日目。マイッタ、マイッタとヨガをするなどの異常行動をとるものが出始める。身体的変化は認められない。
5日目。被験者全員がただ静かに祈りをささげていた。理由はわからない。この日は水曜日であった。
6日目。被験者の中に、身体的変化を認められるものが出てきた。変わらず「こしみず」の投与は続く。
7日目。被験者の中から完全に人の形を保てないものが出てきた。「こしみず」の摂取量や質との相関関係のようなものは認められなかったが、人により犬、猫、蛸など変態後の形状は様々である。5日目の祈りに似た行為はさなぎであったのかもしれない。
 また、生物としての形を留められず、ちらしずし状になった被験者もいたが自らの意思で「こしみず」を求め動くさまは観測できたので問題はない。

 特に身体的変化の見られなかった被験者については、体組成測定を実施したところ水分量が異常に多くなっていたことを特記しておく。

4.4 考察

 7日間にわたり、実験を行った結果、「こしみず」が人体へと影響を与えるということは仮説通り実証された。
 しかし、「こしみず」の摂取量との相関関係や、変化の条件など詳細に関しては何一つわからなかったというのが結果である。
 快く協力いただいた100名の被験者の方には大変申し訳ない。
 ただ1つ、間違いなく言えることがある。小清水好きだ。これが7日間に及ぶ実験でともに「こしみず」を投与し続けた結果、筆者が導き出した一つの答えであり、宇宙の真理でもある。小清水好きだ。

第5章 水と生きる

5.1 推し水として生きる

 地球の表面の実に70%をも占めているもの、それは水である。また、人間についても、成人において60%~65%を占めているもの、それは水である。これは世界が「こしみず」によって作られているという証拠に他ならないのではないか。
 ここまで読んだ人はもうお気づきかも知れないが、私は既に推し水の一人である。今ではもう水なしの生活などは考えられないし、これからも水とともに生きていくことを固く決意している。

おわりに

 「こしみず」と言うものについて、深く考えてきたがまだまだわからないことだらけである。知れば知るほどに謎が増え、知れば知るほどに好きになり、推し水になっていく、これこそが「こしみず」という存在なのかも知れない。拙い文章ではあるが、この論文を通して少しでも「こしみず」という存在を世に知らしめていくことができれば大変嬉し水である。

オンギャー!

小清水美里(2000)『わたし、うまれたよ』P.1

参考文献・WEBサイト

参考文献

  1. 千賀裕太郎(2013)『ゼロから理解する水の基本』誠文堂新光社刊。

  2. イアン・ミラー/甲斐理恵子(2016)『水の歴史』原書房刊。

  3. サバンナ佐藤(2021)『こしみずのすべて』民明書房刊。

  4. 古清水一郎(1992)『コ・シミーズ・ラーマ・ハーヤ ~インド文化に根付く 小清水的 魂のありかた~』自費出版。

  5. 監修/沖大幹 文/嶋田泰子(2009)『水のふしぎ』ポプラ社刊。

  6. 六辻 彰二(2019)『日本の「水」が危ない』ベスト新書刊。

  7. かこさとし(著)/鈴木まもる (イラスト)(2018)『みずとはなんじゃ?』小峰書店刊。

  8. 上平恒(2009)『水とはなにか: ミクロに見たそのふるまい〈新装版〉』講談社刊。

  9. 小清水美里(2000)『わたし、うまれたよ』古都書店刊。

  10. M.K.Rowling(1997)"Mirry Potter and the Philosopher's Water" Kotobooks

  11. M.K.Rowling(1998)"Mirry Potter and the Water of Secrets" Kotobooks

  12. M.K.Rowling(1999)"Mirry Potter and the Water of Azkaban" Kotobooks

  13. M.K.Rowling(2000)"Mirry Potter and the the Goblet of Water" Kotobooks

  14. M.K.Rowling(2003)"Mirry Potter and the Waters of the Phoenix" Kotobooks

  15. M.K.Rowling(2005)"Mirry Potter and the Half-Blood Water" Kotobooks

  16. M.K.Rowling(2007)"Mirry Potter and the Deathly Waters" Kotobooks


参考WEBサイト

  1. 株式会社ミニクリーンウォーター公式サイト

  2. 株式会社ミニクリーンウォーター 社内イントラネット内グループウェア

  3. きのホ。Official Web Site

  4. 古清水一郎個人サイト「コッシー☆イッチーどっとこむ」

  5. Waterpedia

謝辞

 本論文を作成するにあたり、株式会社ミニクリーンウォーターの過去の研究データ、発表論文等を大いに参考にさせていただいております。一部研究データや、文章についてはそのまま私のものとして活用させていただいており、大変頭が下がる思いです。
 また、古清水教授には大変お世話になりました。入学時に便宜を図っていただいた件に始まり、本稿においても大部分の執筆を1文字@0.5円で請け負っていただくなど、大変なご助力をいただきました。この場を借りてお礼申し上げます。
 最後に、本稿に関わっていただいた皆様に多大なる感謝の気持ちとお礼を申し上げることで、謝辞へと変えさせていただきたいと思います。てんきゅっ。

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