キンモクセイの香りをかぐと、幼稚園の頃のことを思い出す。

キンモクセイの香りをかぐと、幼稚園の頃のことを思い出す。大きなポプラの葉をお面代わりにして、ギンナンを踏みつけて帰った思い出を。動物の図鑑を1字1句見落とさまいと熟読していた日のこと。
動物が好きだった。でも、残念なことに縁がなく、いや、毛の生えた動物に縁がなく、私が飼えたのはカメとメダカ、拾ったダンゴムシ、1日で逃がされた外来種のカブトムシ。ハムスターを飼うお許しがでたのは、私が不登校になったからのような気がする。かわいかったのでかわいがった。特別な名前にしてやろうと雷夢という名前にした。
DQNネームをつける親と、やることは同じだ。
でも、彼女は死んで、私は英語検定に合格し、母はおかしくなり、父は1人変わらなかった。
砂糖水みたいな甘ったるさの中で脳が浸ってしまう感じが、高校の帰り道いつもあって
これは通過点に過ぎないのだと思う程
今に焦点が合わなかった。焦点がずれ続けたまま大学生になって、決定的にズレた。それで見るキャンパスは広く感じられた。結局思い出すのは、サークルとか友人との談話とかではなく、1人であの広いキャンパスを何かを目指して歩いているあの感覚。電車で運ばれるのと同じ、それ。今も私のたましいが地元の駅の周りをフラフラしている。錨を落としてくれ。この世への未練とかそれって、他の人は何て呼ぶんだろう。
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部屋の掃除をしていたら、書きなぐりの文章が出てきた。個人的にくるしかったあの時のことを、ここに残して供養する。

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