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【もう塩味は勘弁して】ローマ戦に見る守備問題-インテルミニトラムVol.1

こんにちは!TORAです🐯

はい。ローマ戦負けちゃいましたね。

8戦4敗はガスペリーニ政権の2011-12シーズン以来となるとんでも記録です。このシーズンはなんとか6位で欧州にしがみつきましたが、翌シーズンは9位に墜ち、いわゆる「暗黒期」と呼ばれる時代へと突入します。

ちなみに09-10は1位(というか3冠)、10-11は2位でしたよね。

1位→2位→序盤8試合4負、あれ?なんだか同じ軌跡を辿っている?
このままだと6位、そして翌年は…

なことにならないように画面越しで全力応援しますし、お布施もします。そしてこんな時だからこそ戦術やそれに伴うスカッドもあーだこーだ妄想するのがファンの醍醐味です。

えぇ、要はこれが言いたいだけです。

というわけで、続くか分からない企画を始動させました。

TORAのミニコラムこと『ミニトラム』です。
現在中々レビューを執筆しづらい環境にあるので、量やタイミングを問わないライトな企画ならできるかなと思った次第です。

がしかし。

ぶっちゃけ今のインテルの戦術考察ってめちゃくちゃ難しいんですよ。

もちろんロジカルに考察説明できる点もあるんですが、最大問題点は3CBのパフォーマンスの悪さ。具体的には非保持における個人戦術、シンプルに言えば守備力です。

現代サッカーではCBもボールを回す、前につける、運ぶ能力が求められるのは言わずもがなですが、それは守備力あってこそ。

読まなくてもいい蛇足@超弩級の妄想
と、言いつつも今後はディマルコのような選手がもっと増えると思っています。CBだけど、それはあくまで初期配置だけっていう選手。
それに伴って、トナーリのような選手ももっと増えてきそう。
ポジションの概念はすでに崩れているけど、今後もっと崩れるでしょうね。

ただ、今の3CBは全員ニセモノなんじゃないか?と疑うレベルでパフォーマンスがよろしくありません。

直近のローマ戦ではバストーニこそやや復調が垣間見えましたが、デフライは今や最もパフォーマンスの良いアチェルビに取って代わられ、シュクリニアルはガゼッタ紙の採点でワーストを喰らうなど絶不調そのままを走っています。

では具体的に守備のどこが問題なのか?一目瞭然なセットプレー以外で僕が気になっている点を3つ取り上げます。

①クロスに対して内に意識が向きすぎ=大外のケアが出来ていない

ディバラの同点弾。まずロストに関してはバレッラの縦の意識を逆手に取られた感がありますが、それ以上にあそこにボールが来るようにハメられたと思うのでバレッラ単体は責められません。

その上で取られた後の対応なんですが、スピナッツォーラにシュクリニアルがカバーに入りました。これは至極当然、正解です。問題はその後。

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✔︎チャルハノールがプレスパックでペッレグリーニの前に陣取る。@ポジティブ
✔︎なのにバストーニはペッレグリーニのサポートに全力、ディバラを完全に離す。@ネガティブ
✔︎アスラーニ中途半端だった。全力でザニオーロ追っかけて欲しかったし、ダメならもっとスピナッツォーラの射線に入るべきだが、真横でフリーズ。@ネガティブ
✔︎結果、ザニオーロとペッレグリーニのところでリソースを贅沢に使い、ディバラをどフリーに。@超ネガティブ

5対4なので中央を2対1で見てあとはマンツーだったり、大外はマンツーマンにしないまでも中央と両睨みにするのがセオリーかと思いますが、バストーニがあまりにもディバラを放置した為、見事に時間も空間もプレゼントフォーユー。

端的に言えば、絞り過ぎかな、と。絞るのは基本にして奥義というか、守備対応の必須アクションなんですが、やり過ぎで大外を離してしまっているのが今季のインテル。

ガゼッタかどこかはバストーニに矛先が向いていました。僕も上記で取り上げといてなんですが、これはまぁしょうがない失点かなと思います。

ショートカウンターで判断が難しかったし、何よりスピナッツォーラのクロスが上手すぎましたね。バストーニがペッレグリーニをディバラを両監視してもあのクロスじゃ対応するのは難しかったかな。

それでも尚、取り上げた理由は直前のウディネーゼ戦でも似たような失点をしており、報道によるとシモーネ監督は「ウディネーゼ戦の失点は分析した」とのことだったので「おいコラ」と思ったからです!ねぇ、シモーネ監督!

②被1対1

ここから深刻度が増します。
理由は原因がタクティクスやスキルに由来するところではないから。

さて本題ですが、1対1を仕掛けられると後手に回るシーンが悪目立ちますね。

特にシュクリニアルは「元々そこが最大ストロングポイントでしょ!」だったのに今季はPSMからまるで別人です。

多くのインテリスタが指摘していたように、88:15〜カウンターでボールを持ったエイブラハムのドリブルに対しディレイできずズルズル下がるだけ、挙句エリア内で180度クルッと回された時には怒りではなく悲しみが襲いました。決められても全くおかしくないシーンでしたね。

この点、僕の考察は以下の通りです。

まず相手の目線として、「どうせヤツら(=インテル)は来ない!」って思われている。

シーズン序盤にインテルの記事を執筆したのですが(唐突なアピール)…

PSMからルカクを負傷で失うまではインテルはプレスが積極的でした。画像等で控えておりませんが、FBrefによると3節時点でのプレス回数はリーグ10位。昨季がリーグワーストだったことを考えると差は歴然。

もちろん3節時点=分母が少ないのですぐに数字はブレるのですが、PSMからの流れは汲んでおり個人的には必然に感じました。が、ルカク離脱からは明らかにサッカーを昨季に戻しています。これは皆さんも感じているのではないでしょうか。

そしてお察しの通り、8節終了時点ではワースト2位に下方推移しました。もちろんプレスの多い少ないが良い悪いではありません。むしろインテルは少ないことが守備構築におけるウリでした。

ですが、相手も「来ない」と分かり切っていれば手前で敵味方の配置変化を待ったり、そのアイディアを練ったりできます。要は心理的な優位と余裕が生まれる

・読んで欲しい蛇足
要は昨季の「深さ出せない問題」と通じています。
人間はタスクが少ない方がパフォーマンスを発揮できるし、思い切りよく遂行できる。
昨季は「剛良く柔を制せる!」と思われてたから(蓄積疲労していた)ジェコは対面CBに思い切り張り付かれました。

サッカーは攻守が表裏一体のように「攻撃と守備そのもの」も表裏一体です。

インテルとしては自陣深くに強固な守備ブロックを構築したいのですが、事象としてはただただ逃げ越しな守備と化している。それが透けて見えているから相手に自信や思い切りを与えてしまう

これをチームで誰よりも分かっているのはバレッラでしょう。ローマ戦の周りへの叱咤激励はやり方こそ青過ぎますが、今チームに必要な熱さだと感じました。

③前に出ても何も制限できない

相手に自信や思い切りを与えている一方で、自分たち目線ではソレを失っているでしょう。

「前に出て相手を捕まえてもなにも制限できずに、ただただ裏のスペースを与えてしまう」

これもPSMから一貫しており、ローマ戦でも見事に顔を覗かせました。いや、全開でした。

例えば開始早々の3:50〜、ザニオーロに付いていったシュクリニアルがボールをカットするもその後の縦パスをミス。イバニェスにカットされると彼はそのまま運ぶドリブルを開始。

シュクリニアルはそのまま対面しますが、なんとなす術なく抜かれてしまいます。

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この後、バレッラがフルスプリントでカバーに入るだけでなくボールを外に出してゲームを切りました。直後バレッラは憤慨。

これに対して「そんなに怒らないでも」という声も見かけましたが、僕は自信を持って反論します。

これは怒られて当然のプレー。

じゃあどうしたらいいの?

ここまで読んで「これだけこきおろしたんだから、何か改善策あるんだろうなぁ?」と僕なら思いますが、ぶっちゃけ戦術的なところで細々なにかをしてもあまり効果は見られないんじゃないかなと考えています。

個人のメンタルやそのネガティブシナジーにチームがやられているのが一番だと思うので、それを払拭できるような起爆剤が不可欠かなと。

それは何か意義のある勝利かもしれないし、冬の補強かもしれないし、バレッラのような熱すぎる気持ちかもしれないし、契約延長かもしれないし、GKの世代交代かもしれないし、(非現実的だけど)監督交代かもしれないし、冬の補強かもしれない。

いずれにせよシーズン序盤ですが、早くも僕たちにはターニングポイントが必要であることは間違いありません。

なる早で迎えて欲しいものですね笑

最後までご覧頂きましてありがとうございました🐯


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