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ネットの底辺で語録を叫んだ野獣

お久しぶりです。久々の動画投稿をキメてきました。どうも、淫テリ原動機付自転車(インテリゲンチャと呼びます)です。今回は秋のミステリー淫ク☆リレー企画に参加させてもらいました。ちょっと前にホラーリレーをやっていましたが、要はアレのミステリー版です。

ダイレクトマーケティング

私の投稿した動画はこ↑こ↓です。自分でいうのもなんですが、ぶっちゃけ今のところ、一番面白いと思います。是非とも、観て、コメントして、いいねして、フォローして、マイリスして、あとついでに広告して、どうぞ(傲慢&強欲)。

というのは半ば冗談です。でも、前回と比較しても、結構、動画投稿者として成長したのではないかと思います。この記事では、この動画を作るに至ったプロセスや見所さんなどを解説、もとい自己批判していきたいと思います。これを読んだ後は私の動画がもっと面白く感じられるはずなので是非!観よう!(ダイレクトマーケティング)。ここから先はネタバレが含まれますので、ネタバレは嫌いなんだゾ!って人は、とりあえず先に動画をみましょう!

さて、前回のリレー動画では、太宰治の駆け込み訴えをモチーフにして動画を作りましたが、今回はもう少し複雑です。ざっくりと参考にした元ネタを挙げると、名探偵コナン、1984年、serial experiments lainと、この辺りでしょうか?今回は、前回以上に色んなネタをあちらこちらにちりばめているので、というより入れすぎて、私も把握しきれていません。ただ重要なことはタイトルに入れてあります。タイトルは『BB探偵野獣先輩 第1919話『卑劣なる聾作曲の罠!世界的音楽家殺人事件!!あるいは我々はいかにして憎しみ合うことをやめ、ネットミームを愛するようになったか』です。バカみたいなタイトルですが、本当にこのタイトル通りの内容になっています。

動画作成の経緯

リレーに参加する経緯としては、鳥人木村兄貴が、𝕏で去年の年末位になぞなぞを出していて、それに解答していったらリレー参加を打診されたので参加を(ノリで)決めました。ホラーリレーよりもこっちの方がいいゾ!と天邪鬼な気質が後押ししてきた感もあります。ちなみにリレーの動画投稿者の中では私が一番最初に謎を解きました。ま、インテリなんでね!(イキり)(動画出さなかった人を入れたら実は2番)

鳥人木村兄貴からの制約としては、実質的にはミステリーで頼む、ぐらいしかなかったので、どういう動画を作ろうかをそこから考えました。ノリで参加するとは言いましたが、当然全くのノーアイデアでした。ただ、漠然として方向性は大きく分けて3つでした。

  1. 素直に適当な感じのミステリを作る。

  2. 専門知識を要求してくるような高難易度の謎解き動画を作る。

  3. レギュレーションをガン無視してクソ動画を作る。

最も素直な選択に見えて、実はこの中でおそらく一番難しいのは1です。以前𝕏で呟いたこともあるのですが、ホラーや恋バナは作るのが非常に楽です。というのも、専門知識がなくても一応、観れるものを作ることはできます(あるとより深みがでるのであるに越したことはない)。ミステリはこれに加えて謎を混ぜる必要があります。そして謎は単に混ざっているだけでなくシナリオと連動する必要があります。(これがSFになると、作中の世界観や科学設定と齟齬を起こさないような仕掛けを導入する必要が出てくるのでさらに難易度は上がります)。なので、すごく面白い!ってレベルのミステリを作るのはシンプルにめちゃくちゃ難しいです。更に、それをBB劇場でやろうとすると、どうしても説明過多によるTMPの悪化は不可避です。あとそもそもの謎作りも難しいです。簡単すぎても駄目です。例えば、簡単すぎる謎では、その世界の住人はバカなの?という話になってしまいます。逆に、難しすぎだと、そもそも作るのが至難の上におそらく視聴者が置いてきぼりになります。謎が解ける爽快感、納得感を視聴者に与えることができるちょうどよい難易度の謎を作るのは本当に難しいと思います。なので早々にこの選択肢は避けました。あと、この界隈の投稿者、基本的にすごくまじめなのでおそらくほとんどは素直にこの路線で頑張ってくるだろうから、まぁ、私はやんなくていいかな、という想定もありました。なので当初は2も選択肢でした。ですがミステリリレーのDiscordでネアンデルターレンシス兄貴がマジのガチの難題を作成しているのを観て、これに勝ちに行くのはちょっと骨が折れるな・・・と思いました(というか無理)。やってもいいけど、二人もガチ謎枠要らないだろ・・・とも思いました。あと、ミステリというジャンルでは「ミステリがもし本質的に謎ときであるならば物語はいらないんじゃね?それもうクイズブックで良くね?」という問題提起が繰り返されているようです(東浩紀『セカイからもっと近くに (現実から切り離された文学の諸問題)』)。ガチ謎枠でやるなら、この問いに対する解答を何かしら出したい、と思ったのですが、思いつけませんでした・・・(当たり前だろJK)。なので、この選択肢も実はあんまりノれませんでした。ただ、このガチ枠がないならやろうとは思っていました。が、その必要もありませんでしたね。(ネアンデルターレンシス兄貴はよくあんな謎つくれるよなぁ・・・マジですごいと思う。)

本動画のテーマ

というわけで、心置きなく最後の選択肢、クソ動画作成に踏み切ることにしました。テーマはざっくりと、「BB先輩劇場とは何か?」です。クソ動画とは言いましたが、作成にはかなり頭を使いました。少なくとも去年の冬リレーよりも考え込んで作っています。

BB先輩劇場は衰退しました。

昨今、素晴らしいことに、真夏の夜の淫夢やクッキー☆は衰退の一途をたどっています。みんなのインターネットがどんどん綺麗になりますね!喜ばしいことです。ですが私はネットという大河にすむアメリカザリガニみてぇな奴です。一言でいうと、汚ねぇ水のが居心地がいいわけです。私ぁクソみてぇなインターネットが好きなんだよ。どうにかして真夏の夜の淫夢を再興したい、と考えました。BB先輩劇場はどうしたら再興するのか、さらに「そもそもBB先輩劇場とは何なのか?」そう考えるようになりました。とりあえず、こういう時は近くで成功してるとこをのぞいてみましょう。今のところ淫夢の持つ一筋の希望は拓也です。特にAI拓也の人気はいまだに健在です。なので、まず、何故拓也なのか、を考えました。その結果、一つの答えを見出しました。それは「声」です。

野獣先輩には「声」がない

拓也には「声」あります。野獣先輩には「語録」はありますが「声」はありません。BB先輩劇場が本質的に抱える困難の一つがこれです。野獣先輩に「語録」以外をしゃべらせようとすると、字幕を使わざるを得なくなります。これは動画のTMPを制御することをきわめて難しくします。また、字幕に頼るということは、音による表現を効果音とBGMに頼るしかなくなります。これはとても厳しい制約条件です。視聴者の集中力を保つことを考えた時、音声というのは非常に低コストです。例を挙げてみましょう。

どうでしょうか?リンク先の動画は新世紀エヴァンゲリオンの最終回、主人公のシンジが彼の内面でいかにして自己を肯定するかについて葛藤するシーンです。ちなみにアニメーションの語源はラテン語のanima、つまり動かないものに命を与えて動かすこと、から来ています。どうですか?動いてますか?ヤバいぐらい動いてないですよね?でも多分、観れるんじゃないでしょうか?私はこのシーンがすごく好きです。でも、もしここに音声が無くて字幕だったら厳しいと思いません?つまり、音声が、動画の動きに代わって、命を吹き込んでいると言えます。全く動かない静止画の連続でもそこに音声があることで、そこにないはずのキャラクターの心の躍動を見出すことができるわけです。AI拓也もこれに近いものがあります。ですが、野獣先輩には同じことはできません。「声」がないので。じゃあ、もうダメじゃん、BB劇場はオワリじゃん・・・。とはならないんですね。問題さえ発見できれば対策できる。対策できるなら克服できる。

「声」無き野獣に「声」を

「声」がないなら取ってこればよいだけの話です。拓也はshowくんから声を奪いました。では野獣先輩はどこから声を取ってくるべきでしょうか?最近、イキってる黴の生えたおはぎの出来損ないみたいなのが人気ですよね。彼は何でもしゃべってくれるみたいじゃないっすか。そう、ずんだもんです。しかも彼、野獣先輩の動きをトレースしたようなBBをしこたま持っています。お前、本当は野獣先輩になりたいんじゃないのか??というわけで、野獣先輩のセリフにずんだもんで声を充てることを考えました。

お前が野獣先輩になるんだよ

ただ、よくよく調べてみると、ずんだもんにはイイカンジのBBがたくさんありました。あとPSDファイルの使い勝手も良く、声だけ使うのはもったいないような気もしてきました。そこで、ずんだもんを野獣先輩にしようと思いました。ここまでくると、野獣先輩を新一、ずんだもんをコナンくんにする、という設定を閃くことができます。こうすることでミステリーの体裁を装うこともできます(重要)。

コナンくんの体裁をとると決めたらあとは名前の響きから蘭=卵=NYN姉貴がキャストに決まります。NYN姉貴の父親は拓也と相場が決まっているので拓也が小五郎役になります。拓也をつかって謎を作るとなると佐村河内を使わない手はありません。ついでにKBTITファミリーを引っ張ってきて殺人事件と謎と推理をやって前半のミステリーの体裁を整える編は無事完了です。後は先ほど述べたように字幕を使わないで声を使うこと、可能な限り画面に動きを入れることを意識しました。また、話している人間を目立たせることで、画面の中に疑似的な動きを入れつつわかりやすさを向上させることも試みました。ただ一つ問題が発生しました。

このままではずんだもん動画になってしまう。誰がそこまでしろと言った!

そう、ビジュアルとしての野獣先輩がほとんど出てこないのです。それはちょっとまずいな、ということで野獣先輩は最終的に元の体に戻ってもらうことにしました。ですが、今度は物語の都合上、ずんだもんの声を使いづらくなってしまいます。

逆に考えるんだ。語録だけでいいやと考えるんだ

また語録だけの世界に戻るのか・・・と思いましたが、ここで内なるジョージ・ジョースターが囁きました。「逆に考えるんだ。『語録だからいい』と考えるんだ」。考えてみれば確かにそうです。野獣先輩の本質はむしろ語録にあると考えるわけです。つまり、見かけが何であれ、語録を喋ってればそれは野獣先輩であり、そしてその作品は「真夏の夜の淫夢」と言えるわけです!!さて、ここまでくれば、野獣先輩=語録=ネットミームと連想が数珠つなぎに湧き出てきます。後は、すべての人が語録を喋る世界を正当化するための設定を閃くだけです。その過程で、1984年とserial experiments lainを参考にすることにしました。後は野獣先輩にネットミームの概念になってもろて・・・ん、概念ということは・・・よし、まどマギだな!となります。というわけで、まどマギMADを挿入してすべての人が野獣先輩の語録を喋る世界を表現します。となると伏線としてまどマギCMを流すことを思いつきます。都合よく、新作映画のCMが出ましたのでありがたく使わせてもらいます。ぷはーっコラできる場所があったのでコラっておくことを忘れずに。しかし本当に映画楽しみですね!!私はねぇ!一番好きなのはほむらちゃんなんですが、ガチ恋するなら杏子ちゃんなんですよね!(大声早口オタク)

まとめ

以上のような紆余曲折を得て、無事に、テーマに沿った作品が仕上がりました。(テーマを追求しながら作ったらこうなった、という感じも強いですが・・・)「如何にして真夏の夜の淫夢を、BB先輩劇場を再興するか?」という問題意識から、「そもそもBB先輩劇場とは何か?」というさらなる深淵な問いが生まれました。

この問題意識への私なりの回答は、淫夢の本質である「語録」を最大限活かしつつ、可能な限りフルボイス化へと舵を切る、ということです。「そもそもBB先輩劇場とは何か?」への回答は「語録」さえあれば、そこに野獣先輩はいるし、それはBB先輩劇場である、です。

この物語でも野獣先輩は自由に喋れる声と引き換えにずんだもんになってしまい、そして最終的には世界から消えてしまいます。ですが、語録として人々に同化することで、すべてが野獣先輩に、すべてがBB先輩劇場となりました。たとえそれがまどマギMADであったとしても、それは真夏の夜の淫夢となるのです。

今後の改善点

今回、一部を字幕にせざるを得ませんでした。シナリオ上難しい部分もあったのですが、NEL姉貴の説明パートが全部字幕なのは完全に技量不足でした。RVCでNEL姉貴のモデルを作成したのですが、ちょっとクオリティがいまいちだったんですね。淫夢キャラは強引にボイロかボイボを割り当てをしてしまってもよいと思いますが、クッキー☆キャラクタは元の音声データが豊富なこともあるため、AIで粘ったほうが、違和感を最小できると考えます。次回はこの辺りの新テクを開発して更なる高み(低み?)を目指していこうと思います。今回、私の中でずんだもん=野獣先輩の等式が完全に成立したので次回からは躊躇なく野獣先輩の普段の音声にずんだもんを割り当てていこうと思います。

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