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[special] 印象派に問いかける  mica 編

ーではまずはアルバム、出来てみてどうですか?今までの作品と比べると、随分言葉が鋭角に入ってくる、というか直接的な言葉が多いと感じますが?


mica[以下m] の前にまず一言このアルバムを世に出せて嬉しい!今まではジャンルレスに遊び心満載なアルバムだったと思うのですが、今作は一番miuのパーソナルな部分が歌詞に反映されている作品だと思います。だから言葉が刺ささってくるというか。



ーmiuのパーソナルな部分が出た理由、てミカさんからみて何か要因があるとおもいますか?


m 今まで以上に死を感じたんじゃないでしょうか。



ーミカさんにとって、死 とは?


m この世界で唯一の絶対です。



ーまさに僕らは永遠じゃない て感じでしょうか?


m そうですね、「僕らは永遠じゃない」を初めて聞かされたとき、鳥肌が立ちました。そうだな、そうなんだよなって。決して悲観的ではなく。



ー歌詞の特にどのヴァースに感じましたか?また歌うときにそれを表現するために特に意識したことはありますか?

 ミウさんはどういったことで死を感じたのでしょうね?隣にいて気がつくこととかありましたか?


m miuは宇宙人なので、わたしが理解出来ていることは少ないと思いますが、前作から二年の間、印象派としても私生活においても目まぐるしい二年間だったので、以前よりも自分という存在を感じて、生きてることを実感したせいではないでしょうか。タイトルの「僕らは永遠じゃない」はもちろんなんですけど、

  「2度と明けない夜が来る わからないよ僕は 二人の時は流れてる 漕げない舟のように」ここは何回歌ってもグッと込み上げるものがあります。この曲を歌う時は、声にすべての意識を集中させて遺書を書くようなつもりで歌っています。




ーなるほど、この漕げない舟、というのは薬師丸ひろ子さんのカバー「Woman Wの悲劇より」にも出てくるワードでもあります。

 本作のレコーディングの序盤にこのカバーをレコーディングして、最終段階で「僕らは、、、」を録音したのはただの偶然なのでしょうか?


m そうなんです!そこにも鳥肌!偶然のようで必然なのかな?それともmiuの策略なのか、、

  でも、Womanにインスパイアされた所は大いにあると思いますインスパイアというか、激しい共感というか



ーもともとWomanをレコーディングしようとしたのは誰のアイデアなのでしょうか?


m ディレクターの前田さんです。Kiss FMで番組をやらせて頂いてた時に、私が一曲生演奏でカバーをするミカヨウショーというダサすぎる名前のコーナーがあって、そこで。絶対に私に合うからと言われて歌ったのですが、その時は「本当に歌詞の意味理解して歌ってるの?」とmiuに駄目出しされました。

「眠り顔を見ていたいの」が最後の歌詞なんですけど、誰かの眠り顔見てたいって思ったこと思ってないでしょ!って言われたんですよー?

   失礼でしょ。



ーあはは。miuさんはあるんでしょうかね?


m miuは眠り顔見る前に自分が寝てしまうタイプでしょうね(笑)。


ーmicaさん的なこのアルバムの聴きどころを何箇所か教えてください。あと今作より戸渡ジョニーさんがドラマーで参加されてますが、ドラマーが変わっていかがでしたか?。前任の藤井さんとの違いなど、教えていただきたいです。


m 藤井さんは素晴らしいドラマーで、正確なリズムでありながらも個性的で華やかなドラムを叩く方でした。聞いていてとても気持ちくて、ドラムだけでも音楽が成り立つというか。なので印象派を離れることになった時は本当に残念で、これからどうしようと不安にもなりました。miuもわたしも前田さんも腑抜けになったようで、しばらく活動も止まってしまってたのですが、そこで現れた救世主ですよ。わたしが昔から大好きなバンドでもあり、前田さんがディレクターをしていたバンドでもあるアシガルユースの元ドラマーのジョニーさんが印象派で叩いてくれることになりまして。ジョニーさんは、楽曲やボーカルにかなり寄り添ってドラムを叩いてくれる方です。 

    それでいてちゃんと自身の熱量もある。さらに私達の精神的なサポートもしてくれる方で、ボーカルとしてはとても安心して気持ちよく歌えるので、私達のライブパフォーマンスの成長にも繋がったと思います。



ーなるほど。ジョニーさんが本作に最も貢献したのはどこだと思いますか?


m 印象派の音楽を表現しようと楽しんで取り組んでくれた事と、それを表現してくれた事、かな。


ー音源でいうと、どの曲にそう言った感じが現れてると思いますか?


m TYPHOON!ですかね



ー確かに藤井さんではあんなにストレートなビートにはなってなかったてしょうね。


m 今までの印象派で、ありそうでなかったかなり疾走感のある曲になりました。イントロのギターリフとドラムのおかげですね、個人的にかなり好きです。

  あとは聴きどころ、、、そうだなあ、まず歌詞。じっくり読んで欲しい。先に歌詞だけ読んでから、CDを聴くのも面白いかも。    あと、今まで人力にこだわってきたけ 

    どリード曲の檸檬で初めて打ち込みを使ったこと。今回も印象派らしく幅広い音楽性を出せたと思います。

    今までの作品は良くも悪くも、リスナーの皆さんの気持ちは無視しているというか、自分達の思考はこうだ!という主張が強かった様に思うんですけど、今回は主張しつつリスナーの皆さんにも色々考えてもらえる余白がある様に思います。印象派からの沢山の問いかけや仕掛けをあちらこちらに散りばめたので、

     聴き終わった後に、色んな感情が動いて、物思いにふけってくれたら嬉しいなあ。アルバム聞いてくれた人達集めて、座談会したいくらい。あと、どの曲もシングルの名曲。いつもだけど。一番好きな曲はmiuにメインボーカルとられましたけど笑



ー 一番好きな曲は球状だったのですね?でもCDショップ特典でmicaさんの全くムードの違う「球状」も聴くことができますよね。ある意味シングルカットされたのmicaさんのバージョンということになりますね笑


m ほんとだ!!球状やばいでしょ。レコーディングの時ほんとに泣きそうになった。直前にmiuと初めて喧嘩したせいもあるけど笑



ーどんな喧嘩だったんですか?


m miuの歌入れがうまくいかなくて、、いつもはディレクターの前田さんの罵声が飛んで、わたしが慰めるって流れなのですが、わたしの虫の居所が悪かったのか、

   もっとちゃんと練習してきてよ!!って大きな声で怒鳴りつけてしまいました笑

   それでmiuがギャン泣きした後、歌った球状のテイクが、アルバムに使われています笑。



ーmicaさんは103caとして、ソロ活動も行ってますが、同じ作曲家としての側面から見て、miuさんの世界観や楽曲をどう思いますか? また印象派と103caとしての活動で「歌う」という意味ではどちらも同じですが、なにか線引きのようなものはあるのでしょうか?



m わたしにはどう頑張っても出せないし生まれない世界観と楽曲です。そこに絶対の信頼を置いてるので、一緒に出来るんだと思う。

    線引きは昔よりは薄くなりましたけど、ありますね。印象派を初めた当初は、自分のバンド活動で表現していた音楽、ファッションやスタンスも含め全く異なるものだったので、micaという人物を演じるという線引きをしないと、バランスが保てませんでした。

    歌い方も全く違っていて、身近な人達にも同一人物だと気付かれなかったくらい。けど印象派を続けていく中でmicaも自分なんだという意識に変わってきたのと同時に、バンドを解散して103CA名義で活動することになってから、音楽性も印象派とは違うけど、それほど遠くはなくなり、境界線は薄れてmicaを演じるという感覚はほぼ無くなりました。103CAでは作詞作曲も演奏も自分一人でやっているので、歌うことを一番に重きを置いてないかも。歌詞や曲のアレンジ、ファッションも含めて全体で自分を表現するというか。着たい服を着て、好きな曲を好きな様に歌う。自分自身をどこまでさらけ出せるかに重きを置いて歌っていますが、

    印象派ではボーカリストというポジションなので、

    いかに歌で表現出来るか、印象派の世界観や歌詞の意味をどんな声でどんな風に歌えば伝える事が出来るか、どれだけ多くの人に届けれるかに重きを置きつつ、印象派の   

     ボーカリストとして絶対的な存在でありたいと思って歌っています。



ー最後になるけど、とうとうフルアルバムの登場ですね、こうなってくると、自作あたりmicaさんも作曲するので、miuさんと共作の楽曲なんかも聴いて見たい人はいると思うのですか、如何でしょうか?



m 印象派の音楽はmiuにしか作れないと思ってやっているので、そこを守る為に印象派では作詞も作曲もしないって決めてるんです。

     印象派の世界観を壊したくないというか、不純物が混ざってしまう気がして。


     でも聴きたいって言ってくれる人が東京ドームぱんぱんに集まってくれるならやりますよ笑

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