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AQ NO HEATBEAT Vol.2

ニューアルバム「AQ」先行配信されました!こんにちは夏の強い日差しで目がはにわモードのmiuです。お盆はいかがお過ごしでしたでしょうか?

さて今回は先行配信シングルでもあった「Miss Flashback」です。この曲は当初私が高校生くらいの頃によく見ていました、いわゆる「白昼夢」といわれるものに基づいています。ここでは書くのもはばかられるような残酷な光景やイメージを夢か現か、思春期特有のふわふわした精神状態がそうさせたかわかりませんが、そんなことをエッセイ風にして前Pに渡したのが始まりです。そうしましたら豊川悦司風に「君はミスフラッシュバックやな」といわれたのが着想の始まりです。そこに子供の頃に聴いた三上寛さんの「夢は夜ひらく」のイメージが重なっていき、「ライ!ライ!ライ!」でチャレンジした群生心理みたいなものをうまく描写したいという欲求が加わり、なんとも不思議な歌詞が出来上がったのでございます。

この歌詞は二つの大きなパートに分かれています。一つが前半の昼の都会と静寂感のある自然の川の景色です。この二つの全く異なる寂寥の景色を一つにまとめてみたかったというのがあります。もう一つのシークエンスは夜のパートです。いわゆるレム睡眠とでも言うのでしょうか、人が最も人の形を成していない、まさに夢と現の間に半身浴してるようなシークエンスを描きたかったのであります。
この歌詞を前Pに渡しまして、ギターのアレンジの希望と、このロジックの音源を使って欲しいとイントロから通底音として流れるあのシンセのフレーズ、それにメロディのスケッチを渡したのがたしか昨年の今頃だったのではないでしょうか。それからしばらくしてほぼ完成系に近いデモが送られてきました。私はそこにさらに歌詞を書き直し、そして加えました。書き直した箇所はサビです。もともとは「2時に潜むマーダー(殺人鬼)まだめざめないの」という箇所を2時は早いなという前Pのコメントから「朝がくるまだ まだめざめないの」に変更したのを中心にことばを整理しました。ただ「ゆらゆらすいみん」という「睡眠」と「Swiming」のダブルミーニングにはスタジオでドヤ顔してたくらい気に入っています。いわずもがな大好きなWinkへのトリビュートも兼ねておるのであります。
あとは2セクション目の歌詞を一気に書き、付け加えました。「逆らうタナトスへの流れ」というのはうまく言えたな、とこれも個人的ドヤ顔の一節であります。なかなか人間とは意識的に生きてないな、というのが実感であります。

さてそんなこんなでこの曲は真冬の東京でレコーディングされたわけでありますが、デモがかなり完成されていたのでスーッとレコーディングできました。2セクション目のアレンジがその日仕上がりだったのにはフェアリーのキーボードプレイに舌を巻いたものです。そして藤井寿光の叩き出すラストのサビにつながる印象的なドラムソロ的フィルがオッケーが出る頃事件は起こりました。前Pが「。。。。これ格好良すぎない?」と言い出したのであります。印象派にしては直球すぎる、いやこれくらいでいいと侃々諤々のミーティングが行われ、最後のサビ前の私の「1,2,3,4!」というかけ声をなんとなしに「わんちゅ、すりふぉー」と言ってみたところ、この問題は解決したのでした。

そしてこのまま「MFB A-gain」につながっているのですが、このあとも実際はジャムは延々続きまして、皆さんには「このあとがいいのに!」とちゃぶ台ひっくり返したようなことを言ってしまいます。このパートはキーボードとギターなしでベースとドラムのみでレコーディングされたものにあとから加えていく方式を採用しました。ギターの掛け合いは実際に私と前Pに掛け合いで収録されています。拙いオクターブを引くのが私で、もう一つが前Pです。これは一発オッケーで終わり、とてもほーっとしたのを覚えています。人間死ぬ気になればなんとかなるものです。その後東京でレコーディングし損ねたキーボードとファイナルのスキャットコーラスを大阪の前P自宅と、フェアリーの自宅でレコーディングされたものをたまちゃんの絶妙のミックスでうまく一つにまとめてあります。
この最後の最後に出てくるキーボードのパート、最狂にスリリングで最響の響だと思うのですがいかがでしょうか?これは最初もっと早くに登場するシークエンスなのですが、これはフェイドアウト直前に、という前Pの意向に私なんかはずいぶんヘソを曲げて反論したものですが、出来上がって時間がたってみるとあら不思議!サイコーのまだまだ聴きたい!感が半端ない楽曲に仕上がりました。つづく。


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