高円寺バタイユ@院生

首都圏の大学院で西洋史専攻。推しの画家はマティスとミロ✧٩(๑˃̵ᴗ˂̵)۶研究の息抜きで映画レビュー、美術展レポート、読書感想を投稿します。千葉県出身ですが、好きな酒は奄美の黒糖焼酎!

高円寺バタイユ@院生

首都圏の大学院で西洋史専攻。推しの画家はマティスとミロ✧٩(๑˃̵ᴗ˂̵)۶研究の息抜きで映画レビュー、美術展レポート、読書感想を投稿します。千葉県出身ですが、好きな酒は奄美の黒糖焼酎!

最近の記事

【美術】「空の発見」展で渋谷から古今東西の空を眺めた

渋谷の松濤美術館に行ってきました! 「空」をテーマにした絵画の企画展です。日本と西洋、過去から現代に至るまでの絵画が並んでおり、空の描かれ方が地域や時代によってまったく異なることがわかります。巡回はないのでお早めに。 空の発見 2024年9月14日-2024年11月10日 渋谷区立松濤美術館 古今東西の空上を見上げればそこに空がありますが、その描かれ方は地域や時代によって異なります。例えば、日本美術の伝統的な屏風絵などでは、単なる余白で済まされたり、パターン化された雲が

    • 【日常】男の人ってなんでシャワー中におしっこするんですか?→なぜか自分も加わる

      映画や美術展のレビューなどお行儀のいい記事が続きましたので、今回はパターンから逸脱します。 やはり「この人はこのジャンルで記事を書く人!」とイメージが固定化するのは避けたいです。noteの利用が窮屈になってしまいます。 あくまで自分本位で発信して楽しむポリシーを保つために、今回は個人的な日常の記事を混入させます。女がコソコソ猥談する時代は私が終わらせる。それくらいの勢いで書きます。苦手な人は注意。 男は堂々と立ちションする元カレにも何人かいたんですが、男の人はシャワー中

      ¥300
      • 【美術】落合陽一が江戸情緒をアートに実装したらヌルヌルだった!

        東京・京橋で落合陽一さんの個展に行ってきました! メディア露出の多い筑波大学の先生なので名前は存じ上げていたのですが、実はアート作品の展示に足を運ぶのは今回が初です。 昼夜の相代も神仏:鮨ヌル∴鰻ドラゴン(ひるよるの あいかわるわきも かみほとけ:すしぬる∴うなぎどらごん) 2024年9月7日-2024年10月27日 BAG-Brillia Art Gallery- 外観とロケーション会場は同じ建物の中に、二つの会場があります。片方は『鰻龍』(うなぎドラゴン)、もう片方

        • 【読書】貴族は暇人?執事って何やる仕事?:小林章夫『イギリス貴族』第二章

          英国貴族のリアルを描き出した講談社学術文庫『イギリス貴族』の読書ノート。今回は第2章「貴族の豊かな生活」のまとめです。 黄金期にはありあまる財産をもって雑事を全て使用人に任せて、ありあまる時間を手に入れた英国貴族は、世界史上に類を見ない恐るべき暇人でした。 そんな彼らは一体どんな暮らしをしていたのでしょうか。今回は貴族の生活パートに焦点を当てます。私は子供の頃に『黒執事』や『ハヤテのごとく!』を読んでいたので、「執事」の登場するこのパートは特に興味深く読みました。 小林

          【映画】『きみの色』女同士の共犯関係と暗示された恋愛要素

          映画『きみの色』を見てきました。今までにない青春映画でした。 内容に言及しているので、ネタバレ注意。 監督の作品履歴『きみの色』はオリジナルのアニメ映画で、監督は山田尚子さん。 私は見たことがありませんが、よくアニメを見る人には『けいおん!』の監督と言えば通じる著名な方だそうです。 私の見たことのある作品だと、『映画 聲の形』、『リズと青い鳥』でしょうか。『聲の形』は原作の漫画が有名なのと、金曜ロードショーで放送されたこともあって、知っている方が多いと思います。『リズ

          【映画】『きみの色』女同士の共犯関係と暗示された恋愛要素

          【日常】男の人っておしっこ見たがる人多くないですか?→何故か見せることに

          アカウント作成から映画の感想や美術展のレビューなどお行儀のいい記事が続きましたが、イメージが固定化しそうなので今回はパターンから逸脱してみます。 このまま「この人はこのジャンルで記事を書くからこういう人!」と見られるようになると、誰かのその期待に応えようとする意識が働いてしまう。そうすると、あくまで自分本位で発信して楽しむポリシーに反するかなぁと考えてしまいました。 というわけで、今回は思いっきり個人的な日常の記事を。 私はバタイユを名乗っていますが、これは『エロティシ

          ¥300

          【日常】男の人っておしっこ見たがる人多くないですか?→何故か見せることに

          ¥300

          【美術】村上隆展で知る、「フラット」な日本文化

          京セラ美術館の村上隆展に行ってきました! 存命の日本人の現代アーティストのうち、グローバルな美術市場で通用するのは草間彌生と奈良美智、そしてこの村上隆くらいです。恥ずかしながら村上隆の個展に来場するのは本展が初となります。 村上隆 もののけ 京都 2024年2月3日-2024年9月1日 江戸時代の伝統を受け継ぐ村上隆現代アートで世界的に名の知られる村上隆ですが、意外なことに大学で専攻していたのは伝統的な日本画。確かに、江戸時代の絵師たちから多大な影響を受け、換骨奪胎して

          【美術】村上隆展で知る、「フラット」な日本文化

          【読書】英国貴族の大半は成り上がり?:小林章夫『イギリス貴族』第一章

          2年前に講談社学術文庫で文庫化されたのを機に購入し、2年間塩漬けしていた『イギリス貴族』を、この夏休みにようやく読み終えることができました。今回はその読書ノートです。とても一本の記事で書き切れそうにありませんから分割といたします。 戦前の日本の議会には衆議院に対して貴族院がありましたが、イギリスには現在も庶民院に対して貴族院があります。貴族の世界が今なお残る「英国貴族」の実態とは、どういったものなのでしょうか。貴族というと、豪華なお屋敷に住んで富と権力を握っている人たちのイ

          【読書】英国貴族の大半は成り上がり?:小林章夫『イギリス貴族』第一章

          【映画】なぜ評価が高い?『ホールドオーバーズ』による他人と傷を癒やし合う方法

          遅ればせながら、映画『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』(原題: The Holdovers)(2023)を劇場で見てきました。とっても私好みの青春映画でした。 内容に言及しているので、念のためネタバレ注意です。 なぜ評価が高い?第96回アカデミー賞では作品賞を含む5部門で候補に挙がり、米国ではヒットした本作ですが、日本ではそこまで話題になっているようには見えません。 とはいえ、Xでフォローしている映画関係のアカウントの何人かが絶賛していて、中には今年暫定ベス

          【映画】なぜ評価が高い?『ホールドオーバーズ』による他人と傷を癒やし合う方法

          【美術】ロートレック展で世紀末の「色気」に当てられた

          SOMPO美術館のロートレック展に行ってきました! フィロス・コレクション ロートレック展 時をつかむ線 会期:2024.06.22(土)- 09.23(月) ロートレックのポスターアート19世紀末フランスを代表する画家、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(1864年〜1901年)はポスターアートが有名です。 ポスターは宣伝や広告の目的を持っています。つまり、なるべく不特定多数の目に触れるための工夫が標準装備となるジャンルです。ロートレックもその例に漏れず、カラフル

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          【映画】ていうか『オペラ座の怪人』って何?→劇場版を見てきた

          小さい頃からCMやポスターでよく見かけるので、気になっていた作品があります。『オペラ座の怪人』です。実際、どういう物語なんでしょうか? 怖い仮面の男がやたらと印象的です。ホラーなのかミステリーなのか、それすらもわかりません。 今回、ミュージカルを映画化した『オペラ座の怪人』(2004年)を見てきました。公開20周年で4Kデジタルリマスター版が上映されています。 フランス五輪とオペラ座の怪人Xで知りましたが、そのミュージカルの音楽が今回のパリ五輪の開会式でも流れたといいます

          【映画】ていうか『オペラ座の怪人』って何?→劇場版を見てきた

          【美術】デ・キリコ展に行ったら「めまい」で倒れかけた

          ずっと行きたかった東京都美術館の「デ・キリコ展」へ。 日本には所蔵作品が「ほぼ無い」といっていいキリコの作品が世界中から上野に集結。この機会は絶対に逃したくなかった。次のキリコ展は10年後になってもおかしくないから。 (追記)東京の次は神戸に巡回するので、関西の人は無理に新幹線に乗る必要はなさそうです。 【東京会場】2024年4月27日[土]~8月29日[木] 東京都美術館 【神戸会場】2024年9月14日[土]~12月8日[日] 神戸市立博物館 足場の揺らぐ「めまい

          【美術】デ・キリコ展に行ったら「めまい」で倒れかけた