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最後の小児科

ムスメの2ヶ月健診のときからお世話になっている小児科へ行った。

健診の他にもときどきムスメの肌にプツプツが出来るので、毎月1回 診察と塗り薬を処方してもらっていたのだが
とても柔らかな雰囲気の先生と、感じのいい看護師さん達、そして新しくて可愛らしい内装である点も気に気に入っていたし、何より自宅から近く通いやすい位置にあるのが本当に有難かった。


診察室に呼ばれ くるくる回るタイプのイスに腰かけムスメを抱っこしながら
(ここに来るのも今日が最後か......)と考えていた。

ムスメが生後2ヶ月のときはまだ首も座っていなかったので、赤ちゃん専用のルームに通してもらい、そこで問診票を記入したり、育児に関して悩みが無いかヒアリングしてくれたりしていたが、もう1歳を過ぎたムスメは靴を履き待合室をウロウロ出来るようになったし、度重なる予防接種のお陰様で「病院=怖い」という印象を持ったのか、診察室に入るなり泣き始めていた。

ギャン泣きするムスメををなだめながら引き続き過去を振り返り、今日で最後か.....と感傷に浸っていた。
なだめたり思い出したり浸ったり、先生を待つあいだこちら色々忙しかった。




診察の最後に、相変わらずギャン泣きするムスメを抱きながら少し大きな声で「遠くの方へ引越すことになったのでいつもより少し多めに塗り薬を処方して欲しい」と伝えた。

先生は了承して下さり、いつもの2倍量の処方箋を出してくれた。
そしてありがたいことに「新しい病気はこうやって探すと良いですよ」という説明をして下さった。

ただ気になったのは
「東京のー・・・」とか
「東京ではー・・・」とか
「東京ならー・・・」
というワードがちょくちょく使われており、どうやらわたしはムスメを連れて東京へ引っ越すと思われていた。

内心(・・・?)と思ったが、
先程、泣き叫ぶムスメを抱きながら
「遠くの方へー・・・」と伝えたことをすぐに思い出し、納得した。



特に訂正することもせず、
「本当にお世話になりました」と告げ、診察室を後にした。

いやいや!車で約20分のところへ引っ越すんです
とはもはや言いづらかった。




次もまた優しい先生のいる小児科が見つかりますように。欲を言えば看護師さんも優しくて家から近くの。


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