失われたガジェット:ミニディスク

ここには掲載されていないんだけど、ミニディスクこそ、平成年間に、次世代デバイスだと思わせておいて、不運にもヒットしなくて消滅した最大のテクノロジーです。

ミニディスク - Wikipedia

前史として、再生専用光ディスクであるCDのヒットがあり、書き換え可能な光ディスクが期待されていました。

CDは、1回追記型CD-R, 書き換え可能型CD-RWと順調に進歩していたんですが、それとは別系統の光ディスクがありました。

光磁気ディスクです。

昔から、磁性体にレーザーをあてると、わずかに偏光面が傾く現象が知られていたのです。カー効果。
磁気光学カー効果 - Wikipedia

外部から磁場を加えつつ、レーザーで磁性体を加熱すると、磁性体が外部磁場で磁化されて、冷えると外部磁場を記憶します。

この方式で、最初はコンピュータ用の外部記憶装置として、MOが発売されました。昔のパソコンマニアはこぞって買っていた。私は買わなかったが。

光磁気ディスク - Wikipedia

CDと同じ大きさ、3.5インチの大きさがあったMOをより小型化(2.5インチ)し、ポータブル音楽プレイヤーのメディアとして利用しようとして、ミニディスクMDは開発されました。

ソニーからは、据え置きのMDレコーダーが、3万円くらいの価格で発売されました。

初期のCDプレイヤーが、10万円くらいで発売されていたのを思い出すと、全く夢のようです。

私は据え置きレコーダーも買ったし、携帯型プレイヤーも買いました。すばらしい製品だと思っていた。

ところが、終わりは突然来たのです。

Appleから、iPodが発売されたのです。

iPod - Wikipedia

小型HDと電池を組み合わせただけの製品で、ミニディスクと比較したら、技術的には、何ら、新しいところはないんだが、こちらが市場で勝ったのです。

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