国岡日記 9/4
阪元さんの助手カメラマン、大坂さんから突然メールが来た。
まだ言ってるのかあの人。本当に”本当にトロールいると思ってる側の人”のようだ。頭を抱える。
ただ、ちゃんとギャラは支払われるようで、危険な目に遭わず小遣い稼ぎができるのならまあいいかと思い考えてみることにした。
そこで組んでみたのがこの
自分で言っておいてなんだが、対トロールとは何なんだ。こっちまでアホになってしまう気がして安請け合いしたのを少し後悔したが、我慢我慢。
まず、体の大きなトロールに対して効果が見込める威力を持つ弾の使用は前提だろう。
トロールの体長なんか知らないが、大坂さんが「トロールはでかいんです」と言い張るので大きいと仮定する。
しかし50口径弾を使うデザートイーグルなど用意した日にはあまりの反動の大きさに大坂さんの肩は外れ即トロールの餌食になってしまう。いや、そもそもトロールなんかいないから問題無いはずだが。本当は。
そこで俺が提案するのは45口径弾。人間相手なら1発撃ち込めば十分な威力を持ち、訓練すれば非力そうな大坂さんでも扱える程度の反動で済む。
そこで、13発の45口径弾が入るグロック21を選んだ。ガバメント系の装弾数(マガジンに7発)ではトロールは倒せないだろうし。
倒せないだろうし、じゃないんだよ。何を真面目に考えてるのか。馬鹿馬鹿しくなってきた。
しかし“扱える”とは言っても素人がいきなり射撃の腕を上げる、しかも動くものに当てるのは容易ではないのでコンペンセイターを装着。
コンペンセイターとは、発砲時に発生するガスを上や左右に逃がすことで銃身が跳ねるのを軽減してくれるもの。
銃そのものは重くなるが、当たらないよりいいだろう。
グリップを快適にするためにビーバーテールグリップも追加しておいた。
これがまたいいのだ、あるのと無いのとでは握り心地が違う。
次に、コッキングハンドルも付けておいた。
当たる当たらない以前の問題として、ろくに銃を扱ったことが無い大坂さんが使うのなら操作のしやすさは気にするべきポイントかなと思い、多少大型化してしまうことに目を瞑ってでも付けた方がいいと判断した。
マガジンバンパーも一応付けておいた。大坂さんが素早くリロードする姿は想像がつかないが、本当に一応。予算が余り過ぎてもな、というのが一番の理由ではある。見た目も強そうになるしそれだけで納得してくれるような気もする。トロールを信じているくらいの人だから。
最後に、なぜグロックなのかという点。
大阪に行ったときに、大坂さんはセーフティを外さず撃とうとしていた。多分だが、あの人はここ一番というときに同じことをやる気がする。
だからトリガーセーフティのみのグロックを選んだというわけだ。何で稼いでるのか知らないが予算に余裕があったので、最新のgen5にしておいた。マグウェルが標準装備だったりと色々と使いやすくなっているし彼にはベストだろう。
かなり大きくなってしまったな。俺のグロック19と比べてみよう。
これは大き過ぎるな…。多分、重く大きなライフルを扱う自信が無かったから拳銃を、ということだったんだと思うがこれでは拳銃の意味が…。
ボツだろうなと思いつつ一応大坂さんに送ってみた。すると
満足してもらえたなら何よりだ。携行性さえ拘らなければトロール関係無しにいい拳銃なので、大事にしてくれると嬉しい。さすがの僕も、とは?
するとメールがもう1通。
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