エトポシドの安定性

今日はエトポシドの安定性について勉強します。

エトポシドは小細胞肺癌のPE療法やCBDCA+ETP療法、精巣腫瘍のBEP療法やEP療法、悪性リンパ腫のESHAP療法やDA-EPOCH療法、ICE療法などで用いられる抗がん剤で、ETPやVP-16とも表記されることがあります。

作用機序はトポイソメラーゼⅡを阻害し、2本鎖切断DNAの蓄積により細胞死を誘導することで抗腫瘍効果が現れます。

エトポシドはどうやら他の抗がん剤と比較して溶解後の安定性がよくないらしいので調べてみました。

添付文書では「溶解時の濃度により、結晶が析出することがあるので、0.4mg/mL濃度以下になるように生食等の輸液に溶解して投与すること。溶解後はできるだけ速やかに使用すること。」と記載があり、インタビューフォームでは以下の記載があります。

エトポシド 安定性

また、包装品の場合、

エトポシド 安定性②

となってます。

構造式は、

エトポシド 構造式

こんな感じです。学生の時に化学をもっと真剣に勉強していれば構造式から安定性について何かわかったのかなぁと思ったり。

エトポシドの安定性を気にしなきゃいけないのは24時間持続点滴静注のDA-EPOCH療法くらいなのかなと個人的には思っています。

また、エトポシドは、代謝は肝(グルクロン酸抱合、CYP3A4)、排泄は尿・胆汁・糞中なのでT-BilやCcrによって減量しなければならないので注意しましょう。

ちなみに、エトポシドはメギ科が産生するポドフィロトキシンに糖を結合させた半合成誘導体らしいです。

他の抗がん剤の安定性については一切調べていないので、エトポシドが安定性が悪いのかわからないですが、気を付けましょう。