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第1夜  五分目立つだけ。それで事務所所属も不可能じゃないのヨ

「声業界の女帝」と呼ばれるマネージャー、極細木スガ子。酸いも甘いも噛み分けたその経験で、これまで誰も言えなかったことを、きっぱりと斬ってゆく!

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きっぱり言うわヨ

「なんなのヨもう~。マネージャーは忙しいのヨ?わかってるわヨ、メルマガの件ね」

「たとえば…付属の養成所から事務所にはいる審査での、マネージャーから見た時のポイントなどを教えていただければ…」

「それは難しいわヨ…プレイヤーもマネージャーも人それぞれだもの。会社の方針だってそれぞれだろうしね。なんとも言えないわネ…」

ふーっ、と煙草の煙を私の顔にふきかけるようにしたあと、極細木は窓の外をぼんやりと見ている。  

「ああ、忘れるところでした、ちょっとしたお土産です。極細木先生このブランドの香水を好きでしたよね」

「なにコレ?ありがと~~!よくわかってんじゃないアンタ。わかったわヨ、きっぱり言うわヨ」

と、極細木はマニキュアの指で煙草をもみ消すと、勢いをつけて語りはじめた。

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声の事務所所属について

「新人プレイヤーが最初にマネージャーと関わる時といえば、やっぱり養成所から事務所に所属するための最終審査の場が多いわヨね。今日は所属審査について話しまショ」

「そうね…アタクシが所属審査でかつて選んでたのは服装だけでも目立ってる子。 すごくファンキーだったりするタイプね。アタクシの場合、『あ、他の子と違うな』って最初はこれだけでまずはオーケーなのね」

「とにかくアタクシが言いたいのはネ、与えられた時間の中で、後で思い出せるようなわかりやすいパーソナリティを出しなさいヨってことヨ。あ、もちろんマネージャーの中には地味な服装のプレイヤーが好きな人だっているから、注意が必要よ。 それと・・・所属審査は5分くらいで決めてるわね」

なんと!

早くも、みなさんが最も知りたい部分に踏み込む事に成功したのだ。

私は額をぬぐった。

呑まれるな、ここで聴き損じがあれば、私は私の過去10年と読者のみなさまに申し訳がたたない。

「生徒達の一生を左右するかもしれないのに、なぜそんな短時間で・・・」

次回、極細木の「5分間」。そのほんとうの訳とは!

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