【INOSHIRU 記事紹介第1弾】
一問一答コーナー
名前:呉 方舟(Go Houshu )
所属大学・学年:滋賀医科大学・5年
留学先の国:マレーシア
留学先の大学(機関):マレーシア国民大学
留学の期間:4年 二週間(2017/8/21~9/2)
留学の目的:臨床
留学の費用(概算):十万円以内
-学費:無料(交換留学の為)
-家賃:20,000円程度
-生活費:30,000円程度
-渡航準備(保険、航空券、Apartmentのdepositなど):ビザ取得費用 1500円, 航空券(片道)15,000円程度
プログラム(仲介してくれた機関/人):滋賀医科大学
利用した奨学金:学部生向け奨学金
VISA:シングルビザ(観光)
保険:学生教育研究災害保険付帯海外留学保険(学生課の斡旋)
留学中の住まい:IYC(International Youth Centre)
プロフィール
滋賀出身。両親は中国出身。海外の文化に触れたり、海外の方と会話することが好きです。趣味は球技、SUP、海外旅行。特技は誰よりもはやくLCCのセール情報を仕入れること。よろしくお願いします。
サマリー
<渡航前>
・SIMフリーの携帯を手配する
・簡単な日常会話(おはよう、ありがとう、トイレはどこですかなど)を習得する
・現地での交通方法を想定しておく
<滞在中>
・食べ物は安くておいしい(食費1000円/day程度)
・衛生環境に気をつける
・多文化社会の中で勉強し、生活することができる。
Q1. 留学中にカリキュラムで学んだことについて
マレーシア国民大学は、とても自由度の高い臨床実習を提供してくれます。日本とほぼ同程度に細分化された診療科の中から救急科と内科を選び、二週間の実習期間中、一週間ずつ見学しました。
救急(一週目)
後述しますが、ビザトラブルの為4日目から参加しました。初日は、空港まで、むこうの学部生が迎えに来てくれて、ホテルまで案内してもらえるみたいです。その後、救急部の部長から一週間の予定、注意事項などについてブリーフィングがあり、さっそく実習スタート!と思いきや、外に連れ出され、車で首都を案内してもらったようです。
実習内容は、救急外来の見学+ミニレクチャー(交通外傷、心停止への対応)でした。午前で実習が終了して、午後は部長がおいしいレストランにつれていってくれたり、観光案内してくれたり、忙しい救急外来とは対照的な実習内容でした。もちろん、希望すればより過密なスケジュールを組んでもらえますが。外来では、交通外傷の患者が多い印象でした。車よりバイクが主役という東南アジアの交通事情を反映しているのかもしれません。また、他に特徴的なこととしては、日本では珍しい感染症の症例について勉強できることだと思います。例えば、デング出血熱や、鞭毛虫・寄生虫症、マラリアなど多岐にわたります。日本においては、公衆衛生の発達から、これらの感染症を勉強するには、教科書からしか知識を得ることができませんが、現地で、実際の患者を問診したり、診断の過程に身を置いたりして学ぶことがができるのは強みだと思います。
Q2. カリキュラム以外の、留学先ならではの現地での生活について
マレーシアの人口の約7割がマレー系、残り2割が中国系、一割がインド系と言われています。また、東南アジアで最も経済が発達している為、欧米系のビジネスマンも多い印象でした。従って、マレーシアでの滞在では、日本と異なった、多民族・多文化国家について学ぶことができます。
<食事>
提供しているオーナーのバックグラウンドによって味付けが全くことなります。マレーシアの国民的飯といえば、プレートにチャーハンと副菜を盛りつけたナシゴレンが有名です。ピリッと辛く、暑い日中でも食欲がそそられます。東南アジア料理といえば、苦手な人も多いパクチーですが、インド系の店ではほとんど使用されていないので、パクチーを避けるために気づけばカレーをローテーションしていた、、ということもありえます。
マレーシアでは、しっとり熟れたマンゴーがとても安く手に入るので、ぜひ毎日たべることをお勧めします。もち米にマンゴーをのせたデザートは、カルチャーショックながらも相当美味しかったです。
<観光>
首都クアラルンプールは非常に発達していて、郊外に一歩でると、歴史的な街並みときれいなビーチをもつペナン島、マレーシアで唯一存在するカジノリゾートのゲンティンハイランドなどなどに行くことができます。他にも、無人島ツアーやトレッキングなど、二週間の滞在ではとても周りきれないほど、たくさん観光することができます。
Q3. なぜその場所(国・大学)、その期間を選んだか
-場所について
4年生ということもあり、初めて病院実習に参加するので、どちらかといえば、ゆるく勉強させてもらえるところがいいなと思って選びました。また、予算の都合で、航空券や滞在費を安く抑えられるマレーシアを選びました。
-期間について
救急二週間/内科二週間
Q4. 留学に至るまでの準備について
航空券をいかに安く手に入れるか、学生にとっての永遠のテーマだと思いますが、私は特にこだわりのない場合、LCCで行くことをお勧めします。最近は、競合する会社が増えたことで、路線が充実し、価格もかなり安くなったと思います。特に、いろんなタイミングでセールをやっているので、”LCC まとめ”などで検索して、日頃から価格推移を見守ることが大事かと思います。時々、宝物のような航空券にであうことがあります。私が最近度肝を抜かれたのは、ハワイ往復15,000円でした。航空券を安くおさえると、滞在先での観光やごはんを充実させることができるので、私はLCCセールを活用することをお勧めします。
Q5. 準備、留学中の両方について、「こうしておけばよかった」と思う反省点と、自分なりに工夫してよかった点
今回の留学で、一つ大きな失敗をしました。それは、私は国籍の関係でビザを取得する必要があったにも関わらず(日本国籍で90日以内の滞在は不要)、出国時にビザを申請していなかった為に、予定通りにマレーシアに行けなかったことです。原因は、マレーシア大使館や向こうの大学事務とのメールのやりとりをしている最中、おそらく大丈夫、という返事をもらった為、空港でトラブルになった場合は、最悪メールのやりとりと、大学からの招聘状を提示すれば大丈夫だろうとたかをくくった所にあります。余談ですが、キューバに旅行に行ったときは、粘り強く交渉したら発券できたので、その過信もありました。結局、その日は予約していた航空券はフイになり、関空で一人寂しくベンチで寝ました。これもまた余談ですが、関空には500円程度でシャワーとドリンクバーがついている待合所と、無料で毛布がもらえる場所があります。関空のホテルは高いので、この二つを組みあわせて乗り越えました。
翌日、東京の大使館に向かい、翌々日にビザを取得してそのままマレーシアに向かいました。
一連のコストはちょうど5万円。手痛い学びとなりました…。
Q6. 留学していた場所について
熱心に教えてくれる先生が多かったです。
Q7. 留学中どのような人とかかわったか
実習中:各科の先生、臨床実習中の学生(一緒にミニレクチャーを受ける機会もありました)
オフ:住んでいた場所の隣に、大学の体育館があり、地元のお兄ちゃんからおじちゃんまでスポーツを通して交流しました。
Q8. 英語の能力はどう変化したか
私は高校からESS部で活動していたので、日常会話は問題ないレベルでした。臨床研修を通して、医学英語で先生や学生と交流することができるようになりました。どんなことを質問しても熱心に答えてくださるので、積極的に疑問は聞くことで、知識の整理と専門英語について触れることができると思います。
Q9. 留学のメリット/デメリットについて
-得たもの
・友達、マレーシア国民大学の先生とのつながり
・英語を使って患者に問診する/カンファに参加するスキル
-失ったもの
・渡航+滞在費用
・日本の価値観(清潔感?):多少時間のたった食べ物や、そもそも食べ物の見た目を気にしなくなりました。個人差あります。
-得られなかったもの
・カンファで症例について、スタッフとディスカッションするスキル。質問はできても、議論になったときに、語彙力の不足であっぷあっぷすることも多かったです…。渡航前に、十分に医学英語を勉強しておくことは大事だと思いました。
Q10. 現地で苦労した話について
・暑すぎず寒すぎない服装:熱帯地域なので外はもちろん暑いですが、建物はエアコン全開で、半そででは寒い場合も多々ありました。着脱できるシャツは常に携帯する方がいいと思います。
・現地に住む人との会話:小さいレストランでは英語が通じず、マレー語or中国語しか使えないことがありました。どこの国でも共通することだと思いますが、英語を過信せず、簡単な現地の母国語を話せるようにしておくことは大事だと思います。グッと距離も縮まります!
Q11. 留学について意識し始めた時期とそのきっかけ
4年次の夏に必ず1ヵ月 研究所or外病院で実習することになっているので、基礎研究よりは臨床をみたいなと考えて応募しました。
Q12. 留学後の展望について
マレーシアの病院見学を通して、海外の医療に触れることができ、いい勉強と刺激になりました。6年生の夏に沖縄の海軍病院で一週間、externshipに参加するつもりです。前回の実習では、医学英語の語彙不足など反省点も多いので、リベンジするつもりで、楽しく勉強できたらと思っています。
Q13. 留学へ行く前の自分へのメッセージ
ビザ、しっかりとってください。お金と時間だいぶもったいない・・・
Q14. 後輩へのメッセージ
留学体験談を読んでいるということは、国際医療や海外留学に興味があるということだと思います!ぜひその気持ちを大事に、行きたいorやりたいことは果敢にチャレンジしてください!人間いるところに医療あり、です。実質、世界中どこでも医学生が活躍するチャンスはあるということに最近気づきました。よかったら下のサイトも参考にしてください。世界各国で臨床実習を受け入れている病院・地域について詳しく書いています。よき留学ライフを!