【2021年1月10日の浸水被害についての現状報告と今後について】

いつも大変お世話になっております。

1月7日からの記録的な大雪の影響により、弊社製造場は浸水の被害に遭いました。1月10日(日)のお昼頃に発生した被害の様子はテレビ、新聞での報道、SNS等で、ご存じの方も多いと思います。多方面の方々に多大なご心配をおかけしております。

また、多くの励ましのお言葉、温かいご支援を頂いております。社員一同、心より御礼申し上げます。

発生当日、地元消防団の方々をはじめ数多くの方々の賢明な活動により水の氾濫を抑えることが出来ました。感謝申し上げます。

そして幸いな事に人的な被害も一切ありませんでした。胸を撫で下ろす気持ちです。

様々な問題が発生しておりますが、ひとつひとつの問題を解決し、今まで支えて頂いたお客様へ美味しいお酒を届けるために社員一同全力をあげて一日でも早い製造再開を目指します。


【現在の状態】


蔵内の瓶詰めされた商品、タンク貯蔵のお酒、瓶詰め設備等にもほとんど影響はありませんでした。

通常の瓶詰めや出荷業務も変わらず行うことができる状態です。

※1/14現在。物流は大雪の影響で停止しております。

既に仕込みを終え、搾りを待つ状態の醪や倉庫の未使用の酒米も無事です。しかし・・・

・三段仕込みの添をした状態で止まってしまった醪
・使用することが出来なくなってしまった酒母
・既に洗ってしまった酒米
・製麹済みの麹
・釜周辺の水没により、バーナー設備の故障
・水没した炉が使用できるのか
・浸水による場内の汚染
 瓶詰め場、出荷場、米洗い場、釜周辺、炉、バーナーが設置されている地下室、仕込み蔵への浸水を確認しました。


等の問題、課題が発生してしまいました。
特に釜周辺設備の被害によりお米をふかすことが出来なくなってしまったので、お酒造りを続けることが出来ません。製造の中断を余儀なくされております。

最短での再開を目指して既に修理の準備に入りましたが、大雪の影響で広範囲に通行止めなどが発生しております。
修繕がスムーズには行えない状況ではありますが力を合わせて最善を尽くしたいと思います。

醪、酒母、酒米等の問題は新潟県醸造試験場の先生のご指導の下、スタッフ総出で経験と知恵を出し合ってどうにか一番良い形に出来ないかを模索している所です。

場内の消毒につきましてはコンパクトな酒蔵ですので、浸水被害の翌日より社員総出での場内の清掃・消毒を開始し、大部分は既に完了致しました。



【浸水被害当日】

2021/1/10 
早朝より広範囲の地域で大小の用水路、流雪溝、側溝に雪が流れ込みました。水路の中が雪で満たされ事で処理能力をオーバーし、行き場の無くなった水が地上へ氾濫してしまいました。

12時頃。各地域で氾濫した水が道路上を水路代わりに川のように流れることで、立地的に土地が低い酒蔵に水が集まるような形になりました。

酒蔵内の排水溝も一瞬にして処理能力を超え、場内の排水溝は逆流し、酒蔵の入り口からは次々に大量の水が入り込んできました。酒蔵の中に一本の川が出来てしまったような状態でした。

水は瞬く間に場内に広がり、お米をふかす釜が設置されている場所へも流れていきました。

釜は床より少し高い位置に設置してありますが、釜の下には火を燃やす「炉」があります。
炉は必然的に地面よりも低い地下の立地となりますので水が次々に流れ込み、火を燃やすバーナー等もあっという間に水没してしまいました。

急遽集まった社員と一緒になんとか水中からバーナーを脱出させましたが、壊れてしまいました。

16時頃には浸水も止まり、場内の水を外に追い出し、軽く清掃し解散しました。

【今後について】

今後の進捗につきましては、逐一ご報告をさせて頂きます。
多くの方々のご協力により、当初の見込みより幾分早い製造の再開が出来るのでは無いかと考えております。

コロナ禍による影響の中、正に追い打ちを受けた形となり、一時はあらゆる不安と焦燥に悩まされることになりましたが今は社員一同前を向いて笑顔で頑張っております。

猪又酒造のこれからを温かく応援、見守っていただけたら幸いです。

誠に恐縮ですが、この場をお借りして皆様に心より御礼申し上げます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?