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重ね言葉あるいは重複表現ーnote 『「頭痛が痛い」について思ったことー あんだぁ』を読んで

重ね言葉という言い方で進めます)
 テレビ、ラジオ、YouTubeなどで耳にした、あれ、なんだかおかしい、と頭に引っかかった言葉を My雑記帖(なんでもノート)にメモするようにしているのですが、重ね言葉がいくつかありました。

  • 尽力を 尽くす
    一緒に 同行する
    実感を 感じる
    炎天下の 下
    今の 現状

 どのような時にこの重ね言葉を聞いたかまではメモしていなかったのですが、一つ記憶しているのは「尽力を 尽くす」で、これは家族のスキャンダルについて、多くの関係者に囲まれ、質問攻めにあった芸能人の口から出たもので、その話者は強い緊張を強いられていたと思われます。
 一つの例だけでは決められませんが、重ね言葉になってしまう環境を想像し、以下のように分類してみました。

⚫️すごく緊張したり、力を込めすぎて、通常の理性を超えてしまい、その結果重ね言葉が口から出てしまう。
⚫️何か他のものに気を取られたりして緊張が弱くなったり、途切れてしまい、うっかり重ね言葉になってしまう。
⚫️言葉使いに対して特別関心がなくて、周りの人が使っているからと、重ね言葉という知識もなく、疑問に思うことなく使ってしまう。


重ね言葉について思い出すのは、母がよく口にしていた、

🎵〜×××女の婦人が××× 馬に乗って乗馬して××× 馬から落ちて落馬して×××〜🎵

という文句。歌ではありません。口伝えとでもいうのでしょうか、全部しっかり聞いておかなかったことを今では残念に思います(後から 後悔しています)。  ちなみに母は今生きていれば112才、45日間明治の風に当たったとよく言っていましたので、おおよそ大正から戦前戦後数十年の間、世の中で広まっていたと思われます。
 「あなたの言葉の使い方おかしいですよ、それは間違っています。」と声高に戒めるのではなく、重ね言葉をわざといくつか並べて、このように、歌のような、口伝えでもってやんわりとユーモアで包み注意する、これはなかなかいい方法、仕組みですね。
 そういえば、私の小さい頃、周りには自宅で商いをしている家庭が結構多く、さまざまな職種、年代の人との交流(今で言うダイバーシティでしょうか)がありました。人が行き交い、言葉を交わす、そんな日々の暮らしの中に、おかしな言葉使いをやさしく正してくれるいろいろな仕組みが、自然とでき上がっていたのではないでしょうか。

 今は重ね言葉がおかしいと思う人の方が多いとしても、社会のあり方、情報の伝え方が変わっていき、段々重ね言葉が平気な人が増えていくかもしれません。これからも私の言葉センサーに引っかかったものを My雑記帖に書き残して、重ね言葉、言葉全体に関心を持ち続けたいと思っています。

 あんだぁさんのように専門的な考察はできませんが、以上が私の重ね言葉について考えたことです。


note“頭痛が痛い"だけじゃない、気をつけたい「重言」リスト【文章術024】
いのうえ あきら
ここには100の重言のがリストになっています。

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