バンド紹介 MUSE

はじめに

 皆さまはMUSEというバンドをご存じだろうか。
 MUSEとはイングランド出身の三人組オルタナティブロックバンドだ。
 日本での知名度はそこそこではあるが、全世界で3000万枚の売り上げを誇っており、グラミー賞も2度受賞している。
 今回はそんなMUSEについて、稚拙ながら紹介していきたいと思う。

メンバー

Matthew Bellamy (マシュー・ベラミー)

 MUSEの核となるサウンドを作り出しているのが彼、マシュー・ベラミーである。担当パートはヴォーカル、ギター、ピアノ、etc…である。
 彼のヴォーカルスタイルの特徴は何といってもそのファルセットであろう。圧倒的な迫力を備えた彼のファルセットは非常に伸びがあり、MUSEの多くの曲で重要な役割を果たしていると言える。また、繊細な表現にも優れており、MUSEの特徴である静と動の切り替えにも多大な貢献をしている。
 また、ギタープレイも非常に特徴的で、ファズまみれの音から繰り出す印象的なリフや、ワーミーを用いたトリッキーなギターソロ(トム・モレロに影響を受けているそう)は一度聴いたら忘れられないような衝撃を与える。
 さらに、最近ではあまり披露していない印象があるが、彼のピアノプレイはとんでもない。クラシックの素養があるようで複雑な曲でも難なく弾いてしまい、しまいには複雑な曲を余裕で弾きながら歌うといった芸当もしている。
 彼はライブパフォーマンスも一級品で、リフを刻みながら走り、飛び跳ね、スライディングまでしてしまう。また、CDと遜色ないクオリティのヴォーカルパフォーマンスを繰り出し、観客へのサービスも忘れないといった完璧なライブパフォーマンスを行い、MUSEが人気だけでなく実力も備えたバンドであるという象徴となっている。

Dominic  Howard (ドミニク・ハワード)

 MUSEのドラマーをしてバンドサウンドを支えているのが彼である。
 複雑なプレイはあまり見られないが、実直なドラムサウンドを聞かせてくれる。また、通常のドラムセットだけではなく、ティンパニーやサンプリングパッドを用いたサウンドは、MUSEの世界観を維持するうえで重要な役割を果たしていると思う。
 また、ライブではマシュー・ベラミーとともに盛り上げ担当としてMUSEのライブパフォーマンスに貢献している。
 実は珍しい左利きのドラマーでもある。

Christopher  Wolstenholme (クリス・ウォルステンホルム)

 MUSEのある意味での最重要人物であると言えるのが彼である。
 彼のベースプレイ、特に音が非常に特徴的で、2枚目以降のアルバムから聞かれるようになったファズとベースシンセの組み合わさった非常に重厚な(多分素の音もかなり強い音を出していると思われる)音はMUSEの最大の特徴なのかもしれない。
 ライブでは激しいヘドバン(最近は負傷したため控えているらしい)をしながらひたすらに印象的なベースラインを刻んでおり、MUSEのライブにおける「迫力」といった面での貢献は非常に高いのではないかと思われる。
 また、最近の曲ではおしゃれなベースプレイや控えめな音でのベースプレイも見られ、MUSEの進化と共に彼のプレイの幅も広がっているような印象を受ける。

音楽性

 MUSEの音楽性の一番の特徴は何といってもその壮大な世界観だろう。ライブでのセット・パフォーマンスにしても、アルバムで表現されている世界観にしても、とんでもなく壮大である。マシュー・ベラミーの思い描く世界観がこれでもかと投影され、聴き手をもその世界に取り込んでいる。
 また、MUSEの音楽性の特徴として「静」と「動」の切り替えが激しいことがあげられる。これは、曲の中にしろアルバムの中にしろとても効果的に用いられており、投稿者がMUSEを愛してやまない理由の一番大きいものかもしれない。「静」において緊張を張り巡らせながらも沸々と感情をため込んでおき、「動」でこれでもかと激しく爆発させる。このカタルシスがMUSEを聴くものの心を大きく揺さぶっているのではないかと思う。

おすすめの曲

 ここからは、筆者が選ぶMUSEのおすすめの曲を僭越ながら紹介させていただく。

「Muscle Museum」

 デビューアルバムである「Shouwbiz」に収録されている一曲。印象的なベースラインと、何とも言えない不安感が魅力の一曲だ。

「Plug in Baby」

 2ndアルバム「Origin of SYMMETRY」に収録されている言わずと知れた一曲。激しいノイズからはじまり、2000年代最高のリフともいわれる印象的なギターが続く。終盤での叫ぶようなボーカルが感情を揺さぶる一曲。

「Resistance」

 5thアルバム「The Resistance」からは表題曲の一曲。このアルバムを通してMUSEが伝えたいメッセージが詰め込まれている。個人的にはBメロのベースラインが大好きな一曲。

「Reapers」

 7thアルバムからは激しいイントロが特徴的なこの一曲。「Reaper」とは死神を意味する言葉だが、ここではイラク戦争で米軍が用いたドローン兵器を指すようだ。個人的にはギターソロでのワーミーが癖になる一曲。

おわりに

 今回の紹介はどうだっただろうか。いろいろと書いては来たが、とりとめのない文章になってしまっているかもしれない。筆者としては、MUSEの魅力が少しでも伝わっていればと思う。
 初期のオルタナティブな音楽性に、クラシック、メタル、ダンスミュージックといったたくさんのジャンルを吸収して進化を続けているMUSE。今年の8月にはニューアルバム「Will of the people」も控えているとのことで、今後も大注目していきたいと思う。

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