強化人士は何者だ?

水星の魔女に出てくる強化人士、この名前が出てきた頃はまだ他の人の考察を見て「はえ~そうなんだ」と言っているだけだった

ので「人士」が中国語で「地位や教養がある人」と知って、本物のエラン様の替え玉として教養を身に着けている、だからエラン4号も難しい哲学書とか読んでたし冷静なんだ、と勝手に印象付けていた

ところが、5号も登場してから振り返るに、強化人士は二人ともコミュニケーション能力に難がある

4号は厭世的で人を遠ざけるからまだ表面化していなかったが、スレッタとのことで逆上してからは、一方的に相手に期待して勝手に裏切られたと思う精神的な幼さが露呈した

5号にしても同じで、エラン好きな人にはすでに「色事に慣れているように見えて、相手の気持ちを察して時には引くという駆け引きができない」という、いわば「顔の良さだけで生きてきた」らしい片鱗が指摘されている

そう、二人とも次期CEOの影武者を務めるには圧倒的に対人コミュニケーション能力に欠けている、これで人士を名乗るのは片腹痛い

ところが、このガバさは何も今に始まったことではなく、顔こそよく似ているけれど本家、4号、5号とも髪型、身長までそこそこ個体差があり、劇中特に指摘はないものの、カードゲームのアーセナルベースなど別メディアでは不審に思う生徒がいることも明かされている

というくらい「大体似てればええやろ」というガバガバすぎる判定をするのがペイル社なのだ。ファラクトのパイロットとしてもう使えなくなったと見るや、後任の準備が整わないうちに処分してインキュベーションパーティーに間に合わず、影武者の代役として本物を駆り出す本末転倒をするくらいにガバガバ

これはあくまで個人の予測だが、キービジュアルで5号が手にしている本が外観からして4号の読んでいた本だろうと言われているが、これもペイルお得意のガバさで「前任者の物持たせとけばそれっぽいやろ」精神で持たされているだけだったら劇中一度も読むことがないのでは
或いは一度読んで鼻で笑って処分するとか。本命はそもそも本編では手にしない、大穴は5号を示す別な内容の本に変わっている

そんな感じで、4号とは別な人間に見える5号なのに、根っこの部分は人見知りというか、人を信用しない、本心を見せない傾向が既に見える
同じようにソフィとノレアも本心をさらけ出さないような様子が伺えるので、強化人士っぽい人間の共通項のように思えたが果たして

これに対して本物のエラン様は、ニューゲンらに対する態度の横柄さとスレッタに対する態度の違いから腹芸ができる、対人スキルに関しては間違いなく本物の次期CEOとしての器をのぞかせている、何であれば5号よりよっぽど4号らしく振舞って、影武者としての有能ぶりを本物が見せた

4号と5号、多分根底にあるコンプレックスがかなり似ているのではないか、という印象を受けたので、ひょっとして記憶を書き換えられた4号が5号として再度現れたのではないか、だからもうデータストームの影響で乗れないから、ちらりと見えたファラクトにも別人が、例えばエラン様の方が乗るのか?なんてことも考えたけど

それだとペイルがやってきた外見や性格の違いがよく見ればわかるガバさ、という一貫性に反してしまう。4号が5号と別人ということだから、性格変更に合わせて細かく身長や髪形など変えるはずがない。第一それをして別人である特徴を出してだれが何の得をするのか

5号のわずかな言動「そこに心はないさ」から、心がなければ浮気してもいい、という感性を指摘する方がいてなるほどと感心しきり
4号も母との思い出を封印していた?ように、5号も恐らく母親との間に何らかのコンプレックス、愛情に関するもつれが何かある。それによって愛情に、他者との関係に対して信頼感がない

5号と言えば「天使の笑顔」だが、笑顔は歯を見せることから威嚇や拒絶の1つである、という。恐らく5号のそれは

4号は母に捨てられたとでも思ったのか、心を閉ざして愛情を求めなくなったが、5号は多分逆に真に愛されることを願っている
得られないからとあきらめた者と、あきらめずに求め続けている者との差が感じられるのではないだろうか

何一つ本編で語られてはいないが、上記のような予想が当たっているなら、強化人士の二人は共通して母への愛情の飢えがあり、それは返して言えば「かつて愛されていた記憶がある」のでは

だとするなら4号は思い出しただけで満たされ、憑き物が落ちたようにスレッタへの怒りが消えていた
逆に5号は自覚的だがまだ飢えている、4号と同じように記憶が封じられているのだとしても、思い出しても飢えは解消されないかもしれない

この考えが当たっているなら、同じく母として対比でプロスペラの愛情が歪んだものなのか、正常な範囲で多少行き過ぎた程度なのか、他の方から聞いたグレートマザーという概念に当てはまるかどうかも見えるのかな

グエルはスレッタに恐らく母性を求めた、他のキャラも軒並み母の影が見えなかったが、4号は見えた途端に退場となった
ところがここにきてミオリネの母ノートレットの存在が重要なカギとして現れ、それで母の真実を知ったミオリネが変化していく予兆が

こうなると母らしき存在の見えた4号から引き続き、5号もその辺がテーマとして彼のキャラが掘り下げられる気がする

そしてそれらは当然、スレッタに母との関係を考えさせる材料に…、さすがになるよね?2期で終わりじゃなく続くことになるとしても

とにかく強化人士の「人士」が改めて何なのか。ペイルの人命や人格を軽視する風潮への皮肉なのか?現状はそうとしか思えないが

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