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『自然真営楽』アクロス福岡、観てきました。

自然真営楽 @アクロス福岡 観てきました
2月に弊学で演奏する方 くらいのめちゃくちゃ少ない事前情報で飛び込んでみたんですが、めちゃくちゃ良かったです。

まず、アクロスの円形ホール、すごくいいですね(これは演奏に関係ない)小規模のコンサートをやるのにちょうど良くて、観客と演者の距離が近いし、演者が向き合って演奏してるのが、すごく良い。

主催(?)がクリスチャン・ウォルフの音楽コンサート実行委員会ということで、小難しいコンサートを想定していたのですが(クリスチャン・ウォルフは実験音楽の作曲家として知られるのですが、実験音楽って哲学も絡むので)、客層が老若男女幅広くてまず驚きました。
今回のテーマが思想家、安藤昌益ということで、その小難しさはまああるにはあったんですが、あくまでそれは主軸でしかなくて、多種多彩なアプローチでその思想を表していて、誰でも楽しめるような内容になっていたと思います。器楽曲(個人的には雅楽っぽさを感じました)やフォークソング(というのが正しいのかはわからないけど)、民謡っぽい曲もあったり、あとワルツかな?そんな感じのダンサブルな曲もあったり、その合間には詩の朗読や、演者の雑談(と言っても台本がありそうだけど)が入ったり、様式はごちゃ混ぜなのに、その全てが「自然真営道」に帰着していて一貫性を感じるし、(乱暴な言い方ですが)難しい話をしているのに、親しみを感じられる。不思議な空間でした。

個人的に好きだった部分
・ダンサーが2人いて、1人がコンテンポラリーっぽいダンスを、もう1人が日本舞踊っぽいダンスをしてたところ。出演者紹介を見ると、中国武術だったみたいですが.... 踊りに限らず、それぞれが全く異なるバックグラウンドを持っていて「テーマに合う人を集めて演奏しよう」ではなく「各々のやれることを活かしてテーマを表現していこうぜ!!」みたいな流れを感じたのが “現代” って感じで最高でした。
・演者の即興インタラクション
耳で見る とか 目で聴く みたいなこともあるよね という話をした上での、楽器と身体のみを使った非言語コミュニケーションで、ダンサーの人の動きに対して、音で呼応するとか、その逆とか、まさにマルチモーダルなインタラクションって感じがして良かったです。
・器楽四重奏+バンディロ
すごくダイナミクスの激しい曲で好みでした。こういう緩急のついた曲を聴くたび能の序破急の話を思い出しますね。
あと、どの曲か覚えてないんですけど、ポリリズミックなアプローチや複合拍子の曲もあったりして面白かったですね。

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