最近VJこうやってる的なお話。

技術に関しては結構共有し合うことができてる、けどなかなか実際にどうプレイしてるかって話があんまない…なので正解はある/ないはおいといて、私はこうしてるよ!くらいの話をします。主に汎用系の話。たぶんスタンス的に真っ向から対立するような人も存在するかと思います。参考くらいになれば幸いです

①レイヤーはいくつ?

これは主にやるジャンル次第ですが、あんまりジャンルごとに構成やMIDIコンを変更したくないのもあり30くらい。ですがこのうちの12個くらいを目的に合わせて使ってます。

構成としては以下のような感じ。

新規 ビットマップ イメージ (2)

タイトルなし2

タイトルなし3

タイトルなし4

1-4に汎用系エフェクト。5にリピーターを入れ、1-4の層のうち一層をBPMで出せるようにしてます。

その上にエフェクト。

メイン層のエフェクト・・・ですがEdgeDetectionTileあたりが主体かな。

その上にリリック、マーカー、全体エフェクト・・・という感じです。

ぶっちゃけるとどの層に何が振ってあるかはあんまり意識してないですね。

入り切り意識するのはまあメインリリックストロボくらいなものです。

上げればちょっと絵が変わるかな?ってスタンスでやっております。

余談ですがコントローラーはmidimix+Launchpadmini+タッチパネルです。

②素材について

最近BOOTHとかも充実しておりBOOTHで買ったりしてます。

アニソンその他だと書籍動画素材.comのも有効だったり。(空とか音符とか羽とか)


担当する分野がアニソンとかVTuber音楽なんかが多いので、結構素材は偏ってるし今クラブっぽいVJしろと言われてもなかなか難しいかも・・・

分類をしてからかなり楽になりました。


③素材何当てる?

今日のとりあえずメインで語りたいところ。

結構これが好み分かれるところではあるかとおもうんですが、まあニコ動でいうところの「タグ」みたいなのが頭の中にありまして。DJ的な連想ゲームみたいな感じです。

実は配信VJやるとDJうまくなるというか曲のカテゴライズはうまくなりますよ。映像で同じ属性やイメージカラー当てるだろうな-ってものを隣り合わせて選曲するとかなりまとまりのあるDJになる感じはします。

ようはそれがどんなアニメの曲か?どんな歌詞がある曲か?かっこいい曲かかわいい曲か?を頭の中でざっくり分類します。

それでキーワード、色、OP映像等から必要なものを2-4程度拾う感じでVJをやってます。

こう説明されてもわかりにくいと思うので、具体的に曲をあげて説明します。

◆オタクミュージック/歌もの編

たとえばシュタインズゲートのOPに「Hacking to the Gate」って曲あるんですけど、この曲に合わせてVJをするとします。

まず舞台は「現代」「都会」です。(2011年位が舞台ですがアニメのざっくりした分類だと「現代」でいいでしょう。)

アニメから。「タイムリープ」の要素があります。「時計」の要素とか「機械」の要素もあります。「ニキシー管」とかの素材もあれば使うと面白いかも。

OP映像には「Blur」「Glitch」っぽいエフェクトありますね。また、「数字」「歯車」もくるくる回っています。

イメージカラーは「黒」や「灰」、「無彩色」、もしくは暗めの「青」「緑」あたりかな?

こんな感じで、曲の感じ、曲名、歌詞、OP映像、アニメ等の内容からイメージを膨らませます。

上記の要素をいろいろ整理しましょう。

「現代」「都会」「タイムリープ」「時計」「機械」「歯車」「数字」「ニキシー管」「無彩色」「暗めの青か緑」「Glitch」「Blur」

こんな感じですね。この中から画面を作るために必要な素材のうちすぐ選べそうなものをピックアップします。

ということで「歯車」「くるくる回る数字」「時計」にGlitchエフェクトをかけ色を「Colorize」で無彩色にする・・・とそれっぽくないですか?

画像1

次です。もうちょっと優しい感じの曲・・・例えば響け!ユーフォニアムのOPの「DREAM SOLISTER」あたりにVJを当てましょう。

これは部活アニメですね。昼が舞台、かつOP映像はなんとなく空っぽい。ので「青春」→「空」みたいな感じです。ちなみに歌詞に「空」も出てきます。「学校」の素材とか「ステージの幕」みたいなあれば使ってもいいかもです。

OP映像は紙吹雪のようなものがカラフルに飛び交ってます。雨上がりのシーンもあり、夕陽の中練習するシーンもあり。「紙吹雪」「カラフル」「夕陽」あたりの素材を使うのもアリですね。雨あがりのイメージであれば「虹」の素材当てるのもあり。

音楽アニメなので、「音符」「ピアノ」の素材があれば使えます。

あと管楽器のイメージから「丸い」素材とかを当てるのもありです。

カメラワーク、やこのアニメが成長の要素があるアニメを考えると「上向き矢印」とかも使える素材になってきます。

主人公の髪色は茶髪でイメージカラーは「赤」とか「黄色」とか暖色系統かな。とかもヒントですね。

ここまで総合すると

「青春」「空」「学校」「ステージ」「紙吹雪」「カラフル」「夕陽」「虹」「音符」「ピアノ」「楽器」「丸」「上向き矢印」「暖色」

あたりですかね。ここでポイントがあって、実はタグを組み合わせるのに相性が悪いものもあるのです。

ここでいうと夕陽と虹は同時に生じることはあっても色的にも青空のほうがやや合うかな・・・です。

以上を踏まえ、「空」「音符」「虹」あたりの要素をいれるとこんな感じに。

画像2

それっぽい。

ちなみによく使う組み合わせでして、たぶん私の場合ハルチカの「虹を編めたら」とかTARITARIの「Dreamer」、あとアイドルもののOPでもこんな感じになると思います。

一応ちょっと趣向の違った曲も数曲挙げときましょう。電音部の曲で「Mani Mani」という曲があるのですが、この曲に関しては今の時点でMV等のヒントもないので、結構VJによって個性でると思います。

それも含めて楽しみましょう。

この曲の歌詞とか、あとこのMani Maniというのはどういう意味なのか・・・っていうとまあ、「波間の」Mani Maniなのです。

なので、「」、「」、「」、などの水属性の素材を使うといい感じになるのでは?ジャケットも青いですし。

あと、この曲はさっき上げた二曲以上にクラブミュージックの特性を持っています。なので、クラブっぽい演出も効くかと思います。

拍を打つような素材、わたしの分類だと「Marker」とか「Pop」とかを使っていくといい感じに絵でBPMを演出できる気もします。

色ですが、キャラクターのイメージカラーやジャケットのイメージカラーから、藍色や水色に寄せてもいいかもしれません。

コンテンツを追ってる人なら小説とかもヒントになるかも?

って感じで。

まとめ。

「波」「海」「水属性」「青」「BPM」「クラブ」等。

「水属性」+「クラブっぽい素材」+「マーカー」とかで作ると下みたいな絵になります。

画像3

電子音楽etc...編


トランスとかの完全なクラブミュージックとかだとまた手法や選ぶ素材も変わってくる可能性はあるのですが、その中でも、動きやイメージカラー、曲名等からうまく組み合わせていくとそれっぽいイメージはできます。

過去にも一応VRでテクノとかディスコとかHiphopとか、ハッピーハードコアなんかも担当したこともありますが、音を聴いてみて

①無彩色かカラフルか?②4つ打ちかそうじゃないか?③丸いか角ばってるか?等でざっくり分類するとなんとなく作る絵が見えてくる気はします。

テクノやとかなら機械っぽさモノクロ素材が、ディスコならちょっとセピアな素材とかミラーボールとか夜の街とか、Hiphopならターンテーブルっぽい画像とか町並みとか、ハッピーハードコアなら宇宙にカラフルなオブジェクトが飛び交う感じ。とかかな。ハピコアとかなら音ゲーのイメージからマーカーみたいなのを飛ばすのもありです。

とりあえずは考え方は歌モノとかと一緒で、ジャンル別ってときはジャンル全体のイメージも意識しながら素材を当てています。

RekordboxLyric等に頼れないことも多いので、BPM連動表現したり、ロゴモーションでどうにかすることは多いかも。

制約について

ただし、特にめまぐるしく曲が変化するDJという分野においては、果たして素材を余すことなく使えるのか、頭に浮かんだ素材を即当てられるのか・・・というとセトリが決まってなければ難しいです。

ってことで、曲のイメージのうち回収する頻度が多いかな・・・ってものをいい感じに並べてます。

特にResolume環境では、横に素材を並べれば並べるほど重くなります=(メモリを食います。)そしてデッキ切り替えには時間がかかります。

なので、頻度が高い素材を選んで置くスタイルがいいかと思います。

考え方にもよりますが、Resolumeにはカラムという縦並べの概念もあるので、ここによく使う組み合わせを登録しておくのも大いにアリです。

VDMXの場合、フォルダ分けの概念もありますが、素材が多いとまあ選ぶのに時間がかかる・・・

ようは頭のメモリ整理のためにも素材を整理することは大事です(私が言えることでもないですが・・・)

つまり上記のようにタグ的なものを頭の中で組み立てる→それにあった素材を当てていく→頻度が高いものを使いやすくする

を繰り返していくといい感じになっていきます。

あと、曲想を視覚的に捉えてつないでくれるDJさんもいるので、そういった場合は、ひと素材だけそのまま次の曲で使ったりも割とやります。

アニメとかだとアニメに出てくるオブジェクトがいろいろ拾えれば、かなりおおっと思わせられるんじゃないでしょうか。そういうところに楽しみがあると思ってます。

④エフェクト

エフェクト・・・ですが最近歌ものだとそんないらないかな・・・になってきました。

エフェクトを加える目的としては、画面をモノクロにしたり、アニクラの場合はVirtualDJの映像を混ぜやすくしたり曲の展開に合わせてちょっと変化を加えたりですかね。

配信で弱めのフラッシュを炊くことはあっても、20%くらいでも眩しいらしいので、配信では強めのフラッシュストロボはおすすめしません。

現場本番でプロジェクターだと割とStroboは使いますが、照明設備次第では炊かなくてもOKです。アニソンバー等モニタ環境で照明が明るくクラブクラブしてないところでは抑えめにするのも手ですね。

実際現場の私はロックや暗めのEDM楽曲でShiftGlitch使うのと歌もののサビでSolid Colorで弱くフラッシュ焚くくらいかな。です。

アニリミとかのDropに関してはDropEffectという入りきりだけで治安が悪くなるエフェクトを予め作って炊いてます。これは後日ブログで説明しようかな。と思ってます。

一時期はエフェクト盛り盛りでしたが、要所で使うエフェクトを整理したほうが効果的な表現はできるかも?

⑤展開の作り方

展開についてですが、曲の展開に合わせて作ってくとそれっぽくできると思います。

JPOPやアニソンなら

「Aメロ」「Bメロ」「サビ」・・・

EDMなら

「Intro」「Breakdown」「Buildup」「Drop」・・・

各種サイトを見ると結構作曲者向けにこういう構成のことがかいてあります。


最近気づいたのですが、画面のうるささには限度があります。

PCスペックがあればあるほど素材は重ねられるし、まあやろうと思えば無限に素材は重ねられるのですが素材を重ねれば重ねるほど、白い、多いという印象になります。それはそれでときに必要な成分なのですが、それ以降展開が作れない・・・になってしまいます。

画像4

なので、音が増えたとき素材足すより減ったとき画面を暗くするほうが重要・・・かもしれません

楽器が消えたところ、サビ前で静かになるところetc...で暗くする。EdgeDetectionにする。素材を減らす。全体の輝度を下げる・・・などなど。

それをやると曲が盛り上がったときに素材やエフェクトを解き放つ爆発力が上がります。

素材の足し引きもですが、素材が振ってあるフェーダーの割合をちょっと変化してみる、などをやるといいかもです。

画像5
画像6

↑上記はある曲のVJで、サビの前の静かなところでは空の素材を落として炎の素材だけにしました。サビで紙吹雪+空の素材で爆発力をつけます。

割合をちょっと変えるみたいなやつはTouchViZ等の2素材VJとかでも有効な手法です。

なので、

音が増えたら→素材を足す、エフェクトを盛る、ビートフラッシュやGlitchを炊く等

音が減ったら→素材を減らす、エフェクトを切る、EdgeDetectionやColorizeの白やセピアとかを入れる

みたいな感じで展開を作ってます。(間に合えば)

⑥アニクラのVJについて

だいたいアニクラVJ+上記の映像を混ぜてます

ジャンル次第かな・・・四つ打ちの曲やリミックスだったりすると汎用映像を混ぜる割合が多いかも。

たぶんエフェクトはアニクラVJにしては使う方です。

ライブの照明とかを参考に展開を作っていくタイプかな。と自負してます。

(リップシンクはたぶんほかのVJ様のほうがうまいです・・・)

VirtualDJの映像を生で出すことはほとんどないです。(マーカーか光かリリックはあてる)あと、曲が変わるときには一回VirtualDJの映像は落として、次の曲をチラ見せすることもあります。こうすると映像遅れても気づかれにくいのと、つないでいるところでDJに視点を持って行けたりするのでメリットは大きいかと。

トランジションを行うにあたって、VirtualDJオンリーだと1⇔2というイメージですが、Resolumeを導入後はBG(汎用系)→「1+BG」→BG→「2+BG」→BG・・・って感じで行うと雰囲気とコンテンツを両方伝える+次の曲をネタバレしない+素材なくても違和感がない、が両立できる気がします。

⑦こだわってるところ

コンテンツがわかる、なんとなく雰囲気がわかる、のを「なんとなく」を表現できるよう頑張ってます。

あとはライブティックに非日常を演出できれば。と思ってるので、EDMは過剰演出っぽいしたぶんチルはいろいろ工夫してチルにする。

みんな歌える曲でわたしが音源持ってるようなやつはレコボリリックのほうを頑張って合わせてます。

もちろん映像を音と合わせる、レコボリリック、エフェクトタイミング等全部そろえられればいいんですがそうもいきません。

なので、何を合わせたら一番違和感なく見えるか、楽しいかを優先順位つけて制御してる感じです。

リリックがある曲はリリックを合わせてますが、そのとき映像をリップシンクしたりエフェクトをオンタイムにしたり・・・は「間に合えばやる」くらいです。

汎用素材でVJやるときは、そのDJが表現したいワールドに寄り添いつつも私の解釈をちょっとずつ入れてます。

さっきいったとおり、アニメに出てくるオブジェクト(雪・桜・海・炎)等はなるべく出してみる感じです。

VJ全体でアニメやコンテンツ、楽曲に対するファンアート的な表現をするスタンスをもってます。

結語

VJは自由だ!ですが、効果的な表現とかはあったりします。

ただライブ演出と違うところとして、どうしてもその場の曲に対応しなきゃならないという要素は出てくるので、そのために「いろんな曲で多く使える共通の表現」、を追求していくという特殊性はあるのかな?と。

VJの数だけスタンスはあると思います。増えれば増えるほど楽しいぞ!

ってことでプレイスタイルについてでした。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?