見出し画像

華麗なる惰性

10月になりました。そろそろ肉まんの季節。

先日、京都みなみ会館さんで【今 敏監督没後10年】今 敏レトロスペクティブ企画をされており、『千年女優』と『妄想代理人』を観てきました。

劇場に響き渡る平沢進の歌声が最高すぎて……『パプリカ』も観たくなってしまった。(やはり『パプリカ』は圧倒的人気で、毎回満員のようでした。ちなみに、わたしが一番好きな今監督作品は『東京ゴッドファーザーズ』です。)

『千年女優』も『妄想代理人』も久しぶりに観ました。

『千年女優』の最後の台詞が大好きで、いま観てもやっぱり好きだなという……ロケットに乗り大気圏をぶち破って行けるところまで行って欲しい、わたしも藤原千代子のファンになってしまった。

『妄想代理人』は!ほんと!2004年ですかつくられたのは。まじか……。

観た当時よりもいまのほうが俄然「わかる!わかるぞ!」と大興奮でした。「もうなんだか昏倒してしまいたい。だれかわたしを気絶されてくれ」と自分の判断を投げ出して決定をだれかに委ねてしまいたい、決断の委託、少年バット……。
「幸せ家族計画」というエピソードが一番好きだったので劇場で観れて贅沢でした。『東京ゴッドファーザーズ』も三人組だし、三人組に弱いのかもしれない。バランス。

そして、たぶんわたし自身がアップデートされているからか、アニメでアニメ制作現場の修羅場エピソードを描く(いいんですか?これ大丈夫ですか?って思っておりましたが、軽快にやりきっていたな……すごいな……)ところで女性スタッフへのコメントに「男性ばかりの現場なので、ちょっと可愛ければモテるよ~笑」みたいなのがあって、それに対して「は????」と反射的に怒ってしまう自分がおり「視点が変わったな」の実感がありました。今監督の作品は好きですが、正直、女性への「執着」(こう言ってしまっていいのかわからないけれど)だとか、「一途な男」が最後には優遇されているロマンだとか、そのあたりについては今みるとワーッとなってしまう。今監督がもしも現在この時代にいらっしゃったら、どんなものをつくられていたのかな。

出町座さんでも引き続き今監督の作品を上映予定ということで、油断してたらほとんど予約で満了のようですが(さすが…)『東京ゴッドファーザーズ』は劇場でみたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?