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多民族&多言語の国・フィリピンとボーイズグループ・ALAMAT

日本から南西へ、海を越えておよそ3000キロ。ルソン島やミンダナオ島、セブ島など太平洋に浮かぶ7000以上もの島々からなる島国、フィリピン。

日本の外務省によりますと、島の数は7641。その島々に100を超える民族が暮らしていて、それぞれの民族が独自の言語を持つため、フィリピンには180以上の言語が存在しているそうです。

そんな多民族で多言語な国、フィリピンならではのポップミュージック・グループ、"P-Pop”グループがいるそうですよ!それが・・・

ALAMAT 「kbye」 Official M/V

ボーイズグループ、ALAMAT(アラマット)!オンライン雑誌『teen VOGUE』によりますと、ALAMATはフィリピンで初めて多言語(multilingual)と多民族(multiethnic)を打ち出したP-Popグループなんですって。メンバーはそれぞれフィリピンの、ルソン島、ミンダナオ島、サマール島、ボホール島、ネグロス島の出身。’21年2月にリリースしたデビュー曲「kbye」は、メンバーが作詞作曲を行っていてフィリピンのゴング楽器『クリンタン』、竹の棒を使った民族舞踊『ティニックリング』、あとアトランタベースとかの音が入ったR&Bで、歌詞はフィリピンで話されているタガログ語をベースにイロカノ語、パンパンガ語、ビコール語、ワライ語、ヒリガイノン語、ビサヤ語の歌詞も出てくるようです。曲名の「kbye」はフィリピンの公用語であるタガログ語で”さよなら”って意味で、ChatGPTによると”愛する人に捨てられた男の子”について歌っているらしいです。Videoは、衣装にフィリピンの伝統的な柄がデザイン、セットには昔のフィリピン文字のネオン、フィリピンのバス『ジプニー』、伝統建築の『窓貝(カピスシェル)』などが使われているフィリピン文化が散りばめられた映像になっているみたいです!ALAMATは、このデビュー曲「kbye」で、フィリピンのボーイズグループ・SB19につづいて、US・ビルボードのチャート『Next Big Sound』にチャートインしたらしいです。

そんなALAMATは2021年2月に、フィリピンの芸能プロダクションが開催したオーディション『PWEDE: The National Boyband Search』で選ばれたメンバーで結成。9人組グループとして活動を開始して、現在2024年のメンバーは6人。Tomas(トマス)さん、R-Ji(アール・ジ)さん、Taneo(タネオ)さん、Alas(アラス)さん、Mo(モー)さん、Jao(ジャオ)さん。・・・名前のふりがなは、英検5級に落ちた&老化により耳が遠くなってきたアタシの耳コピです。間違ってても、許してニャン!メンバーは出身地の他にも、使う言葉が、タガログ語、イロカノ語、パンパンガ語、ビサヤ語、ヒリガイノン語、ビコール語、ワライ語とか多様性があるみたいです。

オンライン雑誌『teen VOGUE』によると・・・、フィリピンでは『P-Popが1990年代後半から2000年代初頭に成功を収めた一方で、韓国のK-Popをモデルにするグループが登場すると、多様性とオリジナリティの欠如によりシーンは人気が急速に減退した』そう。そんな時代背景からフィリピンらしい”多民族&多言語”をコンセプトにしたグループ、ALAMATは爆誕したらしいです。ちなみに、グループのクリエイティブディレクターは、フィリピンの映画監督でもあるJason Paul Laxamanaさんだって。

ALAMATは”多民族&多言語”の他に、フィリピンの社会問題など様々なメッセージをMVに取り入れる傾向もあるらしいです。

ALAMAT 「kasmala」 Official M/V

ALAMATが2021年7月にリリースした2ndシングル曲「kasmala」。曲名は、タガログ語で”強い”という意味の言葉”malakas"を1文字ずつ並び替えたもの。曲は、BoAさんの楽曲制作などに参加するスウェーデンのHarry Sommerdahlさんがプロデュースの、EDMトラップ調。歌詞は恋愛について歌っていて、MVの字幕をONにするとメンバーの歌割、あと使われている言語のタガログ語、イロカノ語、イロンゴ語、パンパンゴ語、ビサヤ語、ワライ語、ビコラノ語の表記が表示されます。強烈なのは、Video!ファッション誌『NYLON MANILA』によりますと、時代設定は1904年。映像の下敷きに、1904年の4月にアメリカで行われたイベント『セントルイス万国博覧会』で、フィリピンの先住民や部族が”動物園”のように展示されたことがあるそうです。Videoは、序盤が、メンバーが白い衣装の男性たちによって博覧会で披露されるために体をキレイにされたり、英語を勉強させられたりする準備の様子を描写。中盤、ALAMATメンバーは農場労働者の服を着ていますが、これはアメリカへのフィリピン移民の第1世代であり、農場労働者の権利や労働条件の改善を求めて運動を起こして戦った一方で、激しい差別にもあった「マノン(manong)」と呼ばれる世代を表現しているんですって。そして終盤は、フィリピン武術の「エスクリマ(Eskrima)」をパフォーマンスに取り入れ、白い衣装の男性たちによる支配からの解放を描いているようです。Superヤバいね!

他にも・・・

ALAMAT 「ABKD」 Official M/V

ALAMATが2022年2月にリリースした4thシングル曲「ABKD」。曲のプロデュースは、韓国のLOONAとかを手掛けたスウェーデンの音楽プロダクション・The Kennel ABで、”夢を実現するために 希望をもって前へ進もう”って歌う楽しいポップ系!言語はタガログ語、イロカノ語、イロンゴ語、ビサヤ語、パンパンゴ語、ワライ語、ザンバル語が使われています。そしてVideoでは、フィリピン国内で差別を受けてきた先住民族で少数民族である、肌が黒い&カーリーヘアであるアエタ族に対する差別を止めよう、”多様性”こそ美しいというメッセージを描いているそうです。素敵すぎ!

フィリピンの民族や言語、文化や歴史をデビューから表現してきたP-PopボーイズグループのALAMAT。’24年の新曲が、まじでアツいことになっています!

DITO Telecommunity x Alamat 「Ang Galing DITO」
ALAMATの新曲で、フィリピンの電気通信企業のDITOのキャンペーンソング「Ang Galing DITO」。ソングライターは全員がフィリピンの人ぽい、エレクトロニックとヒップホップを合わせた感じの曲かしら。曲名の「Ang Galing DITO」は”ここから来た”的な意味で、「Galing」という単語には才能やスキルって意味もあるんですって。そして、Video!ランドマークや衣装、パラダンサーやノンバイナリーファッションデザイナーとか芸術、グラフィティーアーティストやタトゥーアーティストまで含めた職人技とか色々なフィリピンの”宝”を紹介しているみたいですよ。Videoは、フィリピンの2月の全国芸術月間に公開されて、48時間でYouTubeの再生回数が600万オーバー。現在までに、およそ3000万再生がされています!

フィリピンは他にも、豚の丸焼きやスウィーツのハロハロとかのグルメも人気なんだって。フィリピンへ行きたいね!タガログ語も英語も話せないけど。あとパスポートも、空港へ行く電車賃もないけど!