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「期待を背負う」をやめる

「〇〇しなくちゃ」
「あの人がああ言ってるのは、〇〇してほしいんだろう」

こんな気持ちで、自分がこれからすることの選択をしてしまうことはありませんか?

アダルトチルドレンは子供の頃に、親から
「〇〇しなさい」
「〇〇しちゃダメ」
とコントロールされてきたことが多いかと思います。

そして、それをせずに親の思い通りにことが進まなかった時に
「だからああ言ったじゃない」
「お母さんの言う通りにしないから」
と言われた記憶があるのではないのでしょうか。

そのような環境で育ってきた人にとって
"自分で何かを決めて、行動する"
ということは、とても不安のつきまとうものです。

しかし、いざ社会に出ると、自分で状況やその先を予想して決断していかなければならない機会が多くあります。

そして、習慣づいた思考というものはとても怖く
「あの人は私にこれを求めているのではないか…」
「これをするべきではないのか」
と、誰かに指示されたわけではないのにも関わらず、周りの人の言動を観察して、そこから自分のするべき行動を推測してしまうことが少なくありません。
無意識に、人からの期待を自ら背負ってしまうのです。

しかし、その期待だと思っているものは
勝手に"期待されていると自分が思い込んだ"期待
であることが少なくありません。
言い方がきつくてごめんなさい。

誰もそんなことをあなたに求めていないのにも関わらず
「私にこうして欲しいと思っているはず」
と勝手に推測して、自分の行動指針にしてしまうのです。

理解の良いあなたは既にお分かりのように、親からの身勝手な期待をされた過去を、親がいない場面でも再現してしまっているのです。

生まれて十数年、もしくは、何十年も繰り返されてきたやりとりなので、親とのやりとりを外の世界でも再現してしまうのは、致し方がないことだと思います。
自分でも、そんな風に意思決定しているなんて気が付かないものですよね。

でも、その癖はぜひ打開してほしいです。

あなたが勝手に期待だと思って背負ったものが、周囲からすると期待しているものではなかった時に「私はあなたにそんなお願いはしてないけど」という話になってしまいますね。
それを、あなたが勝手に「これをするべきだ」と思い込んで決めてしまった時に、決めたのはあなたなので、「誰もそんなことは言ってない」と言われる可能性が大いにあります。

例えば、ダイエットをしているA子さんがテレビの番組でやっているホテルブュッフェを見て「ケーキをお腹いっぱい食べたーい」と言ったとします。我慢している気持ちを、声に出すことで少しでも紛らわそうと思ったのです。
それを聞いたB太さんは、A子さんがダイエットをしていることを知らず、A子さんがケーキを食べたいことを自分に伝えてきたのだと思い、A子さんの好きなケーキをいくつか買って持っていったとします。
しかし、A子さんはダイエットをしてる最中なので、食べたい気持ちは山々だけど甘い物を食べることを制限している最中なので、B太さんの買ってきてくれたケーキを食べることを遠慮しました。
A子さんは、テレビを見た時の自分の気持ちを述べただけで、B太さんにケーキを買ってきてほしいということを伝えたかったわけではありませんでした。

このように、相手の言動を自分への期待だと捉え行動をしてみたけど、実際にはただ相手は自分のその時の気持ちを発言しただけだった、ということはよくあるものです。

たまたま、あなたが思い込んだ内容と相手のあなたへ期待する行動が一致する可能性もあります。
しかし、それが一致しなかったときに、行動を決めたのはあなたなので、あなたの責任になってしまいます。

たとえ、良かれと思ってしたことであっても、です。
その人の気持ちを汲んだつもりだったのにそのような結果になってしまったのであれば、それほど悲しいことはありませんね。
状況によっては、その行動について責任を負わなければならなくなることもあるかもしれません。

このようなことから、知らずのうちに意図しない責任を負うという悲しい結果にならないよう、他人の期待を推測して背負うという癖はなくしていけたら良いですね。

もちろん、それが優しさから表れた行動だということは、とてもよくわかります。
人のことをよく見て、考えて、自分の行動を決めていけるのは、とても心優しい行動だと私は思います。

なので、もし、こうした方が良いのかなという考えがある時は、直接本人に考えや気持ちを尋ねられると良いかと思います。
そうすれば、思い込みによるすれ違いも起きなくなりますよね。


アダルトチルドレンにとって苦手な傾向にある、自由であることや、自分で考えて選ぶこと。
親からのコントロールを受けて育つと、とても難しく、最初はどうしたら良いかもわからないですよね。

日常生活の中で
「自分がしたいと思うこと」
「自分がこれならできると感じること」
に目を向けてみましょう。
どんなに小さなことでも良いです。
趣味でも良いですし、習い事でも良いです。
身につけたい習慣なんかをスタートしてみるのも、生活の改善にもつながるので、とても良いと思います。

「私がこう思ったから、これを選ぼう」
たとえ小さなことでも、この繰り返しで"自分が選ぶ"ということが身につくと、自分のテリトリーを外れてもできるようになってきいます。
そして、家庭や職場など他者がいるときでも、自分で考えたことを伝えたり行動したりできるようになり、"自分の言動の責任を負う"ということができるようになっていきます。
そして、そのような体験を重ねることが、自信にもつながります。

選んだ物事が上手くいかなかったり、予想していた結果とは違う可能性があります。
だからと言って、「自分は価値がない」と思ったり「間違った選択をしてしまう人間なのではないか」と、卑屈になる必要はありません。
想定していたような結果にならず、気分が下がってしまうのは仕方ないことなので、大いに落ち込んでいただいても良いです。
でも、その後には必ず
「じゃあ次はこうしてみようかな」
「こっちに方向転換してみよう」
と前向きに捉えてみてください。

これは失敗ではなく、経験が増えたということです。

このように、自分が選ぶことを積み重ねる中で「今回の選択は良かったな」と思える結果が少しずつ増えていきます。
「これを選んで満足した」という気持ちを味わう機会も増えていくでしょう。

それが、経験になり、気がつけば自信に繋がってきます。
そして、自分が選んで責任を負うことができるようになっていくはずです。

仕事で成果を残す、何かを成し遂げる、といった大きなことでなくて良いのです。
毎日部屋の掃除をする、必ず自分から挨拶をする、小さな心掛けからのスタートで良いです。

何においても人によってペースはそれぞれです。
歩くこと、食べること、話すことも人によってそれぞれのペースがあります。

それと一緒で、学ぶペースも成長するペースも人それぞれなので、早いも遅いもありません。
「全然できるようにならない…」
もしかしたら、そんな気持ちで焦ってしまうこともあるかもしれません。ゆっくりで大丈夫です。
「やってみよう」と思った自分を褒めて、その気持ちを大切にしてあげてほしいです。

そして、変わりたいなと思った時がタイミングです。
もし、少しでも変わりたいなと思う気持ちがあれば、"怖がる気持ち"よりも"変わりたいなと前を向いた気持ち"を大切に、どんなに小さな一歩でも、ぜひ踏み出してみてくださいね。
その小さな一歩が、あなたの人生のスタートに繋がるはずです。

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