人々の心に住む小さな兼近
クスリやってるようなタイトルですが、兼近が少しずつ確実に人々の心を変えていってることに感動したよって話です。
少し前、兼近が「ワイドナショー」にコメンテーターとして初出演した際に大きく話題になったのが、「ドラゴンボールとかプロレスとかで例えられても古い、愛想笑いするしかない」というような発言です。
リンクは貼りませんが、その発言を切り取ったネットニュースが多く作られ、様々な議論に広がっていました。
・「知らない=面白くない」ではない、「わからな過ぎて面白い」もある
・知らないと思ったなら調べてキャッチアップすればいい
・ドラゴンボールは最近リメイクアニメをやっていたので古くはない
それぞれ興味深い議論ではありましたが、どれも元の発言の趣旨からは的外れ。元々の趣旨は、「自分の身の回り(世代)の共通言語を使っても、環境や世代の違う相手に伝わるとは限らない」ということ。
そして、大前提として「相手に伝える気がある場合」に限定した話ということ。
要するに、「相手に何かを伝えるときに、この例えって相手はわかるかなぁ?と考えましょう」ということでした。
ワイドナショーのこのシーンを通して見ていればこの発言の意図はそこにあると分かるのですが、ネットニュースではうまく伝わらず、よう分からん議論になってしまったわけです。
自分としては、普段職場などで上の世代に対して思っていることを兼近がTVの中で大先輩に対して言ってくれたので、これから多少なりとも上の世代がこれに気を付けてくれたらいいなぁと思った矢先、兼近と同年代のはずの人々の間で前述のようなズレた議論になってしまったので、残念に思っていたのですが、うれしいことがありました。
ひとつは、翌週のワイドナショーで松本さんが昔の曲の例え話をしたときに、「兼近にわからんて言われるな」と気にしていたこと。
先日EXIT揃ってワイドナショーに出演した際にも、竹山さんが昔活躍していた芸能人を挙げると東野さんが「兼近わからんでしょ」と言って竹山さんがEXITにその方を説明していました。
ワイドナショーの出演者には確かに兼近の意図が伝わっていて、「兼近」を媒体とした「自分たちより下の世代」に伝わるかどうか配慮するようになっていました。
また、「兼近」でパブサしていて、兼近のあの発言で「自分は周りの人に気を遣わせていたかも…」と反省している様子の方が見受けられたりもしました。
そして、こちらのコラム。
(前略)
娘に「パパは第何世代?」と聞かれたので「もちろん第七」とてきとうに応えると「じゃあ、せいやさんみたいにもっとがんばってね」と叱咤された。すぐさま条件反射で「え? 聖闘士(セイント)?」と聞き返しそうになった42歳のおじさん。
(中略)
「聖闘士?」と半笑いで返して、そこから昔の「週刊少年ジャンプ」の思い出を子ども相手に語り続けるようなことを、ついこないだまでしていた私。そんな自分を卒業。なぜなら、ちょっと前に『第七世代』の「EXIT」の「かねち」が「おじさん芸人が若者のわからない昔のマンガやプロレスの話題で一人で盛り上がってんの正直寒いっすねー」みたいなことを言ってたから……。小さい男だとお思いでしょうが、正直若者に嫌われるのが怖い。こっちが楽しい話をしているのに、受け手が嫌がっている状況は最悪だ。
EXITかねちの「正直寒いっすね」に震撼? 一之輔「若者に嫌われるのが怖い」
いち家庭内のコミュニケーションに、兼近の発言がきっかけで変化が起きているのでした。
たぶん、兼近の意図が伝わった方々の心には「小さい兼近」が住みついて、自分でも「ちょっと古いかな」と思うことを言おうとしたときに、「それ分かんない!」とか「それ古いっすね~」とか言ってくれるのです。
ワイドナショーに兼近が出演すると、話題になってうれしい反面、意図が伝わらなくて叩かれることもセットなのでいちファンとしては複雑な心境です。
ただ、彼の出演後にこういうちょっとした世の中の変化を感じ取れると、THE・若者である彼がああいう番組で自分の言葉で発信することの意義が感じられ、嬉しくなるのでした。
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