競馬の教科書よくあるQ&Aについての感想

読んでいただき、ありがとうございます。
玉嶋氏の新著、競馬の教科書よくあるQ&A編についての感想を書いていきます。
構成としては以下の通りです。

①本の構成と雑感
②個人的に参考になった部分
③単勝多点買いについて
④最後に

①本の構成と雑感
競馬の教科書に寄せられた質問に対して、玉嶋氏、予想屋マスター氏、Paddock Lab氏、かずま氏がそれぞれの立場で回答されています。
読者がそれぞれの見解の違いに戸惑うことを防ぐために、各質問のまとめとして玉嶋氏が総括コメントでフォローをするという工夫がなされています。

体系的に玉嶋氏の理論がまとめられた競馬の教科書本編を読んだ上で、読むのがベストだとは思います。しかしながら、当著書単体でも長年にわたりプラス収支を叩いている方々の考え方に触れることができ、十分に読み応えがあります。
玉嶋氏のまえがきの通りですが、当著書を読んで得られるのは、予想・馬券購入時における自分自身の引き出しが増えるという点に尽きると思います。
また、内容の質と量に鑑み、500円という価格は客観的にみてとても安いです。
同価格帯で1R単体の有料予想が溢れかえる中、本当に誠実な価格設定だと感じました。

②個人的に参考になった部分
レース映像の分析について
私自身も馬の能力を把握するうえで、レース映像の分析はとても重要だと考えます。
一方でレースのどの部分に注目すれば、出走馬の能力をより効率的に把握できるのか意外と難しいと思います。(特に競馬を始めて間もない時期)
スタートダッシュ、道中の位置取り等の基本的な部分を含め、注目すべき項目が明示されています。これに関しては、参考になる方も多いのではないでしょうか。
私自身も、4人の方々の回答を読みながら、考慮できていない観点が浮き彫りになりました。基本的な部分を徹底する必要性を痛感した次第です。

トラックバイアスの見方について
トラックバイアスを把握するポイントについても分かりやすく解説されています。
自身の反省を踏まえ注目したのは、トラックバイアスを見極める際、下級条件のレースは慎重に考慮しなくてはならないという点です。
この点について、頭では理解していても、下級条件の先行押しきりの競馬をみて、実態よりも内前有利と錯覚してしまうことがあります。つまり正しいトラックバイアスの把握が出来ていないということです。
馬の能力を正確に把握した上で、当日の全てのレースから総合的に判断する。これをやって初めて正確なバイアスの判断が出来ると再認識させられました。

その他、斤量の考慮について、隊列想定のお話なども自分にはない視点があり、興味深く読ませていただきました。

③単勝多点買いについて

この単勝多点買いについては、TL上でも賛否両論をよく目にします。私も自身のスタイルには馴染まず、真似は出来ませんが、期待値プラスの買い目に対する結果をより早く収束させるという点において合理性があるのだと理解しました。
実際にこの買い方でプラス収支を叩いておられるので、簡単に否定できるものではないと感じます。また玉嶋氏ご自身も、レース単体での高配当を狙うかどうかは個人の嗜好の話と仰っており、決して他の買い方を否定されている訳ではございません。
またこの点について、かずま氏が結果の揺らぎという言葉を用いて第三者目線で分かりやすく解説されております。非常に興味深かったです。詳しくは読んでみてください。

④最後に
60,000文字とボリュームも多く、勉強になる点が多々ありました。
もちろん当著書の考え方の全てが正しく、その他の考え方、理論が間違っているわけではないと考えています。しかし、馬券収支の改善や予想力の向上を目指す方にとっては手に取って損はないと思います。
そして収支度外視で趣味としての競馬を楽しむ方も世の中には沢山います。
当著書の感想を述べるという趣旨からは外れてしまいますが、それぞれの考え方を承認し合い、多くの人が楽しく競馬ができるようになればと強く思う次第です。

稚拙な文章を最後まで読んでいただきありがとうございます。

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