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諦めるのが早すぎた

『ゆりPは頭がカタイよね』
小5の始業式にクラス全員のあだ名を決めさせた担任が図工の時間、私の描いた絵を見て言った。

6年間、ずっと放送委員になりたかった。最後のチャンスで、仲良し2人組と私の3人でじゃんけんをする事になると、その2人に「『多い勝ち』にしよう。」と言われ一瞬で負けた。

卒業前、好きな子にサイン帳を描いてと渡しに行ったら「ぜってーかかねえよーー」と書かれて返ってきた。それでも大切にしたいと思った。その帰り道、その子達が投げてきた石が頭に何個か当たった。

私には、いわゆる"いじめ"を受けていたという認識はない。卒業アルバムでも笑顔だ。
ただ、下校してる写真では1人でうつむいている。
42歳、初めて外に出した己の過去。
言うのが恥ずかしいとか、情けないとかじゃなく"自分の問題。自分が間違えた。"と、やり過ごしていたし、泣くこともなかった。

だけど今、声を大にして言ってあげたい。
「辛いって言えば良かったよ」
「泣いて良かった」

あの頃から、既に私は諦めている。
身近な人や好きな人の裏切り
そして1番は、己の能力について。

あの担任教師と、放送委員になった2人が談笑している教室、好きな子達が石を持って爆笑している帰り道。
これらの情景が、
未だ私の人生に響いている。

#学生時代の心のこり

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