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習近平総書記の独裁体制確立!

昨日23日に最高指導部である政治局常務委員会のメンバーが
決定しました。象徴的だったのが前日の中国共産党大会の閉幕式で、
胡錦濤前総書記が途中退席させられた光景です。

あれは決して「胡氏は体調が優れなかった」という公式の言い訳は
まったく欺瞞です。胡錦濤氏はあきらかに退席に抵抗していた
ように見受けられました。

かなり、人事に対して不満を持っていたのではないでしょうか?
そうした不満をバッサリ切り落とすために習近平氏は退席を促し、
それをカメラの前で実行に移すことで内外に自身の実力を知らしめる
効果を狙ったのではないでしょうか?

退席する際に習近平氏と会話を交わしている映像が流れましたが、
何と言っているのか気になるところです。
そして、李克強氏の肩をポンッと叩いて退席したのも非常に意味深長な
仕草でした。

第20回党大会で新たに選出された中央委員に李強氏が序列2番で入った
ことで筆頭副首相を経ずに首相になるという慣例をつくってしまいました。
李強氏は上海市の都市封鎖(ロックダウン)を巡り中国内で批判を浴び
ましたが、習近平氏が強引に自分の側近を首相にしてしまった印象は
拭いきれません。

その他の顔ぶれもほとんど習氏に近い人たちで固められていますので、
これから5年間は盤石の態勢になったのではないでしょうか?

胡錦濤氏を筆頭にした李克強氏の共青団の勢力はほとんど一掃された
感があの強制退場の場面に象徴されているのではないでしょうか?

習近平(シーチンピン)総書記(国家主席)が3期目続投を確実に
する中で、4期目を視野に入れた人事であることは明白です。

頭が切れる共青団出身の胡春華氏は完全に蚊帳の外にされて、政治局
常務委員に選出されませんでした。これでますます共青団の勢いと
影響力はなくなります。

習近平総書記の一党独裁体制が確立しましたが、世界的に見て
たいへん憂慮すべきではないでしょうか?
習近平氏のプーチン化が懸念されます。プーチン大統領も22年も
長期にわたって政権を維持し、権力の座に居座り続けた結果が
このウクライナ侵攻という悲劇を生んでいます。

習近平国家主席も長期の権力体制を確立したことで、レジェンドを
残すことを考えて台湾侵攻などに手を染める可能性が高くなって
きたことを懸念します。

内憂外患でアジアもますます不透明になってきています。
中国は早晩、不動産バブルがはじけて国内はたいへんなことに
なっていきます。それを対外政策でそらす可能性は大なので
ほんとうに心配です。



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