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男女不平等社会の象徴・夫婦同姓強制制度

 世界経済フォーラムが先日(6月12日)発表した2024年度版「ジェンダーギャップ報告書」によれば、日本は調査対象となった146カ国中118位で、G7では第6位のイタリアの87位をはるかに引き離す圧倒的最下位だった。2006年に報告書が始まって以来、日本の達成率は横ばいであるため、日本の順位は長期低落傾向にあるという。
 
 そりゃそうだろう。国連が女性差別撤廃条約を採択してから45年、法制審議会が選択的夫婦別姓制度の導入を盛り込んだ民法改正案を答申してからでも28年。この間、夫婦同姓制度をとっていた多くの国で法改正が行われ、同姓か別姓かを選べるようにようになり、世界を見渡しても日本のように夫婦同姓を強制している国は今では「調査の限り見当たらない」(法務省)。国連の女性差別撤廃委員会も日本の夫婦同姓強制制度を「差別的な規定」だとして何度も是正勧告を行っているが、神道政治連盟や日本会議系宗教団体の支持(洗脳?)を受けた自民党の強固な反対のおかげで、国会では改正論議が全く進まず、日本はシーラカンスのような国になり果ててしまったのだ。たまりかねて、ついに経団連まで選択的夫婦別姓制度の導入を提言するに至った。
 
 憲法24条は、「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有する」と規定しているのに、一方が自分の姓を捨てて相手の姓を名乗ることを承諾したカップルしにしか「婚姻の自由」を認めず、「法の下の平等」(14条)に明らかに違反しており、こうした不平等な婚姻制度を是としない夫婦の「思想・良心の自由」(19条)をも侵害している。このような何重もの人権侵害をもたらす強制的夫婦同姓制度を放置している以上、「官製婚活」のようなアホなことにいくら税金をつぎ込んだところで、少子化にも歯止めはかからず、「法治国家」ならぬ人権侵害放置国家という汚名も返上できないだろう。

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