上洛記【上】(京都1)
長く憧れでありながら 遙か遠く
含意を汲み取れそうにないなと 儚い縁に感じてきた
それが ふいの友の一言から上洛を意識し
懐かしき大阪を乗り継いで 京の地へ入った
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地上に出ると 辺りから水鳥の鳴き声
水の匂い 川の気配にほぐれる
暗闇に目を凝らせば 鴨のシルエットが複数浮かび
橋の中ほど 雄大な流れの前に佇めば
轟音に呑まれ しばし空になる
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歩いていけるところに 自然がある街
大いなる驚きだった 大都会であるにも関わらず
自然と建物の調和が とても心地よくて
空はと