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老い

今年(2023年)で51歳になった。
半世紀(遠い目…)・・・。あっという間だった。

ついこの間まで学生だったのに。だって鮮明に思い出せる。
自転車で友達を迎えに行って、そこからひたすら東へ20分。
憧れの先輩がいるあの学校。
隣のクラスの子に告白されて、意識してうまく話せなかった。

あの頃は母のように普通に結婚できると思っていた。
結婚して子ども育てて、主婦になると思ってた。大人とはそういうものだと思っていた。
なのに、初めて就職してからもう30年以上働き続けている。
え?・・・思ってたんと全然違う。

途中で気づいた。結婚するのにも努力が必要だってこと。
その前にそういう人と出会わないといけないこと。
(合ってる?未だによくわかっていない)

そんなこんなで30歳になり、40歳になり、50歳も過ぎた。
あっという間!
精神面なんにも変わっていないのに顔や身体だけ老いてって、子どもが働いてお金稼いで好きなもの買って食べて遊んでるだけやん。

初めて老いに気づいたのは、40歳過ぎた頃に腰が痛くなったこと。
それまで、夜寝て朝起きた時にエビのようにのけぞり返った体勢になってることが度々あったのに、腰が痛くなってからそれがなくなったことに気づいた。
病院に行ったけど、レントゲン撮っても原因わからず、低周波パッドで電気流されて、変なコルセット買わされて終わり。二度と来るかと思った。

それから久々歯医者に行ったら、「歯茎がだいぶ下がってきていますね」て言われて、歯周ポケット測ったら結構な深さになってることが判明して、幼稚園の時以来に歯磨きの仕方教えてもらい、血まみれになりながら歯石取ってもらって。

その後は下っ腹がぽっこり出てきて、顔がたるんで重力に耐えられなくなってきて、健康診断でコレステロール値が高くて初めて評価Aじゃなくなって、脇毛やすね毛が薄くなってきて・・・。目に見えるように老いてきてる。

最近は物がなくなるようになってきた。
冬、通勤時に会社に行ってから着替えるのが面倒だし寒いのもあってタイツをズボン(今はパンツ言うんやな)の下に履いていって、帰りもそのまま履いて帰ってくるのだけど、家に帰ってきて着替える時に、ズボン(パンツな)とタイツを脱いで、足の爪が伸びていることに気づいたからそのまま足の爪を切って、さあズボン畳んでタイツを洗濯物へ・・・て、あれ?タイツない。脱いだ後ポーンと放り投げた?いや、ズボン(てか、パンツな)と一緒に畳んだ?てズボン(パンツ)の上からパンパン手のひらで叩いてもそんなボコボコしてないし。どこ?どこ?え?あたし頭おかしくなった?洗濯物の中にもない、布団とか枕の下にもない、ゴミ箱にも捨ててない。会社でも脱いでない、寒いから履いてきた。うん、それは間違いない。

「えーーっと・・・」(しばし放心状態)
ま、そのうちででくるわな。手品師じゃあるまいし、タネも仕掛けもあるはずや。

それから1週間ほど経ったある日、いつも通り会社へ行くために着替えて、マンションから出て歩き始めて2分くらいして横断歩道を渡ってる途中、足に引っかかるものが。

ん?ごみ?なに?
(はっ!)
すかさず拾い上げ、上着のポケットに突っ込んだ。何食わぬ顔で歩き始める。
(タイツ出てきた!笑)
どういうこと?!家出てから何歩進んだ?今?どこでとどまってたん?ズボンの中にずっと入ってたん?畳んでぱんぱん叩いた時なんもなかったやん!
てか、よかったー!あたし頭おかしくなってなかった。あー、よかった。

会社の40歳手前の女子も、「マスク取ったらほうれい線できてた!ヤバい!」とか、「物忘れ多くなってきた〜」とか喚き始めてきたけど、遅かれ早かれみんな老いるのよ。受け入れるしかないのよ。
わたしの大好きな先輩方もみんな自分の老いを笑ってる。受け入れて笑い話にしてる。母に似てきて、祖母に似てきて、はたまた祖父に似てきて・・・それでいいと思う。それが自然なこと。

追記;あと、家の中で見つかっていないのは、買ったはずの100均のカッターと、去年の夏まで使っていた持ち歩き用のアルコールを入れた小さいスプレー。

どこから出てくるか楽しみです。


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