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やさしいパフェ


平日のおやすみ。
いつもは起きる時間になっても布団の中でぬくぬくしていられる幸せ。今日は何しようかなあとぼんやり考える。
さいきん「木曜日にはココアを」という小説を読み終えたんだけれど、そこに出てくる喫茶店がとってもステキだったから久しぶりに喫茶店にでも行こうか。ついでにお散歩もしよう。

自分に向き合いたいとき、ひとりでぼーっと考え事をしたいとき、心の充電をしたいとき、私はよく喫茶店へ行く。友だちとおしゃべりしに行くのも好きなんだけれど、今日はひとりで。
高校生の時から通っている、大好きなおじいちゃんマスターのいる喫茶店へ。今日もすてきな笑顔で出迎えてくれた。これだけで来た価値があるっていうくらいに心がじんわりする。
チーズワッフルが絶品なんだけれど、今日は何だか冷たくて甘酸っぱいものが食べたい気分だった。

メニューに目を通して、ブルーベリーパフェに決める。しばらくすると、特大の笑顔でマスターがきらきらのパフェを運んできた。見ているだけで幸せな気持ちになって、こちらもとびきりの笑顔でお礼を言う。
ひとくち頬張ると優しい甘さが体に染み渡って、今日はいい休みになるなと確信した。


パフェを食べながら、ヘミングウェイの「老人と海」を読む。高校生ぐらいの時に読んで、内容は覚えていないけれどなぜか心に残っていた。自然の残酷さと美しさ。人と動物を同等に考える目線。そういうものが、現代社会で生きる私には新鮮で恐ろしかった。何年かぶりに読む今日はどんなことを感じるだろう。



少し窓の外を見てぼーっとする。ふだんはついついスマホをいじってしまうから、こういう時間を作ってくれる喫茶店は偉大だ。


とりとめもなく、こんなことを考える。

「あとで仕事の勉強もしたいな。今後のキャリアで、本当に私がしたいことって何だろう?」
「今の仕事で出会う子どもたちが私にとって大切な存在になってきた。離れる時はきっとまた心が痛くなるんだろうな」

「遠距離ってやっぱり辛い。今頃彼は何してるんだろう」「同棲して猫を飼う夢、ほんとに叶えられるのかな」


喫茶店にいると、考えごとがゆっくりできる。
外とは違って、時間の流れもゆっくりだからかな。あとね、いつどんな喫茶店に行っても、席に座ればそこは私の「居場所」になってくれる気がする。だから安心して自分と向き合うことができる。
今日は久しぶりに、喫茶店へ行けてよかったな。帰りに花屋さんに寄ってガーベラを2本買おう。私を元気にしてくれるとっておきの魔法。


雨が降りそうだから、はやくお家に帰ってお昼寝しよっと。


またね。



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