吉村秀樹「Selected Solo Works」
2015年7 e.p.から発売。bloodthirsty butchersの吉村秀樹のソロ音源を集めた作品。ファンからするとレア度が薄く選曲に不満は残るものの、パンク・ハードコアから始まったブッチャーズをオリジナルな存在であらしめた哀愁や憂鬱、繊細な心の動きといった側面をよく感じられる作品。特に2曲目、4曲目はブッチャーズと共に聴き継がれてほしい吉村秀樹の素晴らしい楽曲。
01 5月
1999年に出たブッチャーズトリビュートアルバム「We Love butchers」に収録されたセルフカバー。fOUL、ビヨンズの谷口健も参加。浮遊感のあるサウンド。カバーというより別の曲という感じ。
02 untitled
2002年に出た吉村秀樹自主製作盤7インチ収録曲。アンビエントで浮遊的なサウンドに叙情的なギターが舞う曲。漂う音に吸い込まれるように惹き込まれていく。吉村秀樹の音楽的視野の広さも垣間見える曲。
03 story
2007年V.A.「酔いどれ詩人になるまえに」収録曲。オリジナルの形容しがたい不思議な構造とは違い、シンプルな弾き語り。
・続く4曲は2012年のNBC作戦チャリティのCD収録曲。
04 amenimomakezu
作曲 吉村秀樹 演奏 吉村秀樹、竹林現動
ギターとキーボードによる静かでエモーショナルな曲。決して一面では表現できない錯綜する感情をそのままサウンドに乗せるという吉村秀樹独自の世界がよく表れているように思う。
05 riffrain
作曲 吉村秀樹 演奏 吉村秀樹、竹林現動
ギターの歪みが激しさも寂しさも入り乱れた心象風景を描いているかのよう。それらがクライマックスに達することなく、描かれているのはその過程の揺らぎのように感じる。
06 ready steady go
作曲 吉村秀樹 演奏 吉村秀樹、竹林現動
初期ブッチャーズの曲のセルフカバー。アルペジオが印象的に響く曲。そのアルペジオを軸にリメイクした感じ。
07 zarame
作曲 竹林現動 演奏 吉村秀樹、竹林現動、田渕ひさ子
メロウでエモーショナルな曲。竹林現動のザクっと表現されるサウンドをシンセの響きがマイルドにしている印象。この時点でzArAmeというバンドは結成されていなかったと思うので、この曲からバンド名が来ているのだと思われる。