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事業会社と市場のベクトルは真逆??

自己紹介

皆様、こんばんわ。今年の春まで、いちよし経済研究所にて、中小型株のアナリストに従事し、現在、ストラテジー・アドバイザーズという会社で執行役員(平社員)をやっている伊藤研一と申します。

ストラテジー・アドバイザーズは、金融機関出身者で立ち上げたコンサルティング会社です。現在、研修事業と株価に関連するコンサルティング事業を提供しています。幸い、上場企業数社にもご出資頂きまして、徐々に会社らしくなってきたなと感じている次第です。

新卒で大和証券に入り、エクイティセールスに配属され、その後、バイサイドアナリストを三年、セルサイドアナリストを四年ほどやりました。様々な企業を取材・調査した経験があります。

二児の父(長男三歳、長女一歳)、共働きということもあり、日々、仕事と子育てに忙殺されながらも、辛うじてこちらの企画に参加させて頂けたこと、とても光栄に思っております(本日も朝から葛西臨海公園の水族館へ行き、夕方からpoppy play timeというゲームに散々付き合わされましたw)。

今回は、今までと異なる立場(セルサイドアナリスト→企業からお金をもらってお手伝い)になったことを踏まえ、思ったこと、感じたことを一つに絞って記載したいなと思います。

異なるどころか真逆??

今回のメッセージは、「思考プロセスが事業会社と市場では真逆であり、IRも投資家との面談では相対比較の視点を少し取り入れた方が良い」です。(同僚からシェアしてもらい、とても腑に落ちましたのが以下の表です)。

出所:https://diamond.jp/articles/-/248954?page=2

中小型企業は、創業者のビジョンやミッションが明確で、想いを体現するために、何らかのユニークなビジネスを確立し、上場できるくらいまでの事業規模まで成長します。取材で競合について教えてくださいと言うと、「
特に意識している企業はありません」、「この分野では×××と少し競合していますが、明確な競合はいません」といった回答をもらうことがあります。

一方で、市場(投資家側)は、個社の特徴やビジネスモデルを把握した上で、数百~数千社の調査をもとに、業界におけるポジショニングや、他社との違いについて、相対比較をベースに分析します。

投資家との対話では、相対比較の観点も

CEOはもちろんですが、CFOやIR担当者も、機関投資家やアナリストとのIR面談では、相対比較の観点を少し取り入れても良いのではないかというのが、私の本日のメッセージです。

なぜなら、会社の理解を深め、投資行動に動いてもらうためには、自分たちの事業に関する説明だけでは、難しいからです。その会社に対する理解を深めるためには、その会社のことだけを調べても限界があります。

IRがとても優秀だなと思う企業は、自社に対する理解はもちろんですが、業界の特徴や競合に対する理解も深く、その上で自分たちのポジショニングや戦略を明確に説明しています。

私が良く取材していたSaaS企業は、IR資料に「自社、A社、B社、C社」みたいな形で競合との違いを記載しています。そして、その開示に基づいてそれぞれについて質問してみると、とてもしっかりした回答が返ってきます。「A社は、ターゲット顧客層が異なり、B社は、販売ルートが異なり、C社は、××のサービスがメインで、直接的には競合しません」みたいな回答をもらえます。

まずは、IRチームで株価報告をしよう

相対比較の観点を持つべき、というメッセージを出させて頂きました。この観点を経営に活かすためにも、IRチームが定期的に株価一覧をマネジメントにシェアし、競合の状況等について、ディスカッションする時間を作ってみてはいかがでしょうか。

株価は、将来予想を織り込んで動くため、株価自体から学ぶことって結構あります。自社及び関連企業や、競合企業の株価一覧表(時価総額、期間別騰落率、PER、PBR、ROE、OPMやGPMなど)をIRチームで作成し、定期的にマネジメントへ報告することで、株価を意識した経営の足掛かりを作り、相対比較の観点で自社を俯瞰する時間になればと思います。

最後に

大した内容ではありませんが、最後までお付き合い頂きありがとうございます。次回は、リンクスリサーチの小野さんですね。毎回、とても可愛い画像付きnoteを更新されています!楽しみです!!


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