踏切_XI
肌の露出、暴力、恐ろしいシーン、(言葉づかい)、飲酒、喫煙、暴言、過激な描写、深刻なテーマ、性的なコンテンツ
それで父は何故木をそこに植えていたのか? ということだが私が高校生になった頃、隣町に住んでいた父の兄が自宅を新築することになる、父は本家と呼んでいた。言って無かったが父の職業は大工だ。弟が兄の家を建てる。(作る?)ってのはどういう心持ちなのだろう、本家を建て直すのだ。もちろん仕事として引き受けたのだろうが母が愚痴を言っていたのは憶えている。そりゃあ兄から(本家から)はそんなにふんだくれないだろう、というかお袋の口振りからはタダみたいな設定らしく感じた。「木を植えた男」って絵本があるの知っているだろうか、もとは短編小説らしいが私は絵本で知った。いや直接その話と父は関係がない。私が幼少の頃、父が植えていた木は15、6年経って立派に使える木になり父はそれを伐採し製材し兄の家に使った。ただ同然の金額で。
これは本当の話だろうか、そんなことがあるだろうか。いまとなっては私にもわからないのだ、作り話だろうか。「木を植えた男」もフィクションだ。本家は確かに新築された。入った事も確かにある。父が作った住宅のひとつでしかない、といった印象だった。取り立てて思い入れがあるとかは感じられなかった。でもそれが造られた事情は私の妄想かも知れない。
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