心理学って何なんだ

 心理学について書く第一回、1回目としては避けて通れない「心理学って何なんだ」ということについて書く。まず、多くの人は心理学と聞くと、2つのグループに分かれると思う。

 1つ目は、「心理学やってたら、心読めるんだろ」派の人。多分これが大半で、実際に、大学は心理学部と言うと、「今に思ってるか当ててや」とか「いや!心読まんといてや!」というふうにいろんなバリエーションで、このグループの反応が返ってくる。だからこの記事を読んでいる人も、そう思っている人が多いだろう。そういうグループに心理学部の人間、というか僕が言いたいことは、

「読めるわけねえだろ、ばか」

 この一言である。もちろん、それをいうと怒られるぐらいには心が読めるので、その場では言わないが、少なくとも私は反射的にそう思ってしまう。ちなみに、この心読める派の人は、時代地域関わらずいるらしく、アドラーという古い心理学者はこれに対して「そんなこと聞いてくるぐらいに、君が浅い人だとわかる」と答えたことがあるらしい。

 逆に考えて欲しいのが、例えば、あなたが経済学部の人だとして、経済学部でたら株で大儲けできると考えてる人を見て、どう思うだろうか。あるいは情報系の学部をでたら、全員スティーブ・ジョブズと考えている人いたら、「こいつ、やば。関わらんとこ」と思うだろう。それぐらいのことをこっちを思います。

 じゃ、何でこんなに心を読める派の人が多いのかというと、多分メンタリズムとか占いと心理学が混ざっているからだと思う。これらと心理学の何が違うのか。実はこれは、結構深い問題で、それを説明するだけでも、相当な文字数になる。なので、ここではあまり書かない(そのうち書きます、、、)。その代わり、今わかっている心理学の知識をめちゃめちゃ勉強した人がいたとして、その人がある個人の心の何%を読めるかというと、僕の体感では、0.001%ぐらいだと思う。全然じゃんと思うとだろうが、そうです、全然です。じゃ、巷に溢れている「人を操る心理学!」系の本やネット記事は、何かというと、つまりはそう言うことです。僕は敵を作りたくないので、言いませんが、つまりはそう言うことです。

 心理学を聞いて、よくある反応の2つ目は、「カウンセラーでしょ」派の皆さん。この人たちは、僕からしたら、まあまあの有識者です。仲良くしましょう。この人たちは、多分、母校に来ていたカウンセラーなどを見てそういったイメージを作っただろう。でも、それでも、ほとんど間違い。確かに、心理学のやっていることの20%はカウンセリング、もっと正式にいうと臨床心理学と考えて良い。では残り80%は何かというと、記憶とか、認知とか、脳の中身とか、そういったことをやっている。わかりやすくいうと、単語の覚え方とか、錯覚の起こし方とか、脳細胞の仕組みとかを研究する。多分、知らない人からすると、脳をやっているというのは、かなり意外だろう。私は、認知とか脳の仕組みに興味があるタイプの人なので、「心理学といえば、カウンセラー」と言われると、「確かにそういう人が多いけど、、」とちゃんと説明するべきか迷う。

 上の2つが、心理学について一般人によく言われることに対して言いたいことだ。逆に、あまり言われないが心理学って実はこうというのをいくつか書いていこうと思う。

 1つ目は、心理学には心はないと考える学派が存在しているということ。心理学何だから、心を考えるんでしょ?と当然のように考えるかもしれないが、実は、いや、そもそも心なんてないと考える人たちが確かに存在する。それは行動主義と言われる人で、現代だとかなり少ないが、人は学習するだけのロボットなんですというふうに主張する。
 何で、そういう人たちがいるのか。それを書くには、記事が長くなるので、また別の機会に書こうと思う。

 2つ目に、心理学は、実験をするということ。さらに言うと動物実験もするということである。我々も白衣を着ます。大学に行った人は、大学で心理学の実験に参加した経験があって、実験自体には驚かないと思うが、動物実験をすると言うと、結構驚かれる。
 なぜ、動物を使うのかというと、それには、2つの理由がある。1つ目は、人を使ったらヤバイ実験をしたいから。例えば、あなたが「人って恐怖を感じなくなったら、どうなるんだろう」という疑問を持ったとする。その場合、その辺にいる人をさらって、実験しようとはならない(というかできない)。そこで、動物を持ってきて、扁桃体という恐怖に関わる脳の一部を切り取って実験を行う。
 2つ目は、人を使えない実験をしたいから。例えば、あなたが人って生まれてから目を使わなかったら、どうなるんだろうと考えたとする。その場合、その辺にいる人は、すでに、生まれて数十年、目を使っているから、実験には使えない。そういう時に、動物を使う。


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